古都のブログ小説 京の鐘982
時が無かった。
「急ごう、定刻に間に合わなかったら大変だ」
秋山の言葉と同時に二人は急ぎ、玄関口へ向かった。
出迎えに出た社員の中の一人が、
「お支払いは済ませておりますので、急ぎましょ」
嫌に元気な声を弾ませて、急がせた。
「後でも良かったのだが・・手を煩わせてすまんな‥」
車は三台来ていて、超大型のリムジンに小夜ら三人が乗り
込んでいた。
そこへ志乃が入り込むと同時に、手を振る間もなく、
先導車がスタートし、次いでリムジンが続き、
最後部にも若手社員が数人乗り込んでいて、後を追った。
秋山はなんとく、甘酸っぱい思いを唇に感じたまま、
自室へ戻った。
新幹線に、無事４人を乗せると窓際まで来た社員たちが
見送りの手にわせて、志乃らが一斉に手を振り返し、
暫し名残りを惜しんだ。
車中では全員、興奮状態ではあったが、横浜を過ぎる
頃には、一人、二人と背もたれを倒し、
横になっていた。
三人が寝入った頃合いを見払って、志乃がそっと足音を
忍ばせて、席を立った。
二・三席離れた空席に腰を降ろした志乃が、秋山に
スマホを入れた。
即座に出て秋山に
「うち、寂し・・」
声をかえした。
「何を言ってるんだ、明日になれはすぐ会えるじゃないか」
秋山も嬉しかったのに、なぜか強がりを入れた。
「ほやかて、いつも、東京へ来ても、二人っきっりに
なれへんから、うち、心残りがあって・・」
涙ぐむ。
「すまん。分かった。明日は、二人きっりの時を過ごそう。
こんな時に、大人の小夜がいないのが少し辛いが、
なんとか、なれるよう話してみるからさ・・」
「ほんまどすか」
「私だって、のんびり、他人の目を気にせず、二人だけの時
をもちたいからさ・・」
心なしか秋山の胸の内で、
何かが弾けるものを感じていた。
小声で話していたのに、いつの間にか振り返ると、
こちらを見ている三人の目と、
あってしまっった。
「もう・・」
志乃が顔を赤らめ、頬を膨らませると、三人とも顔を
元に素早く戻した。
志乃が席に戻ると、小夜が小声で
「悪気はなかったんだけど・・ごめんね」
と、詫びた。
「全部、聞いてたの」
志乃がおずおずと尋ね返した。
古都の徒然 鴨川と首無し石仏の・・
昨日の徒然の記事で、あまりにも単純に喜んでいたのを
アップしたブログをみて、
流石に恥ずかしくなり、あたふたしたのですが、
今更書き直すのも面倒で、
放置していますが、何事も、物事に裏表があることを
思い出し・・まっ、そんなこともあるさ・・と
ご理解下さいね(__)
そして
先日、また、エレベーター内で散歩に出かける高齢の女性
隣り合わせになり、
コースを尋ねると、なんと、私と同じ、新京極や
寺町京極や河原町通などを
歩くと知り・・
思わぬところで、私と同様のコースで健康を維持している
とは‥(#^^#)
理由は
また私と同じく、涼しくて、いろんな店を横目にして
歩くのが楽しくなってと‥（笑）
そりゃ、そうですよね、と、言って笑い合う・・!(^^)!
誰れの思いも一緒なのですよね(笑)
皆、暑い一日を部屋で過ごすのも飽きていて、何処かへ
お出かけしたいんだよね(#^^#)
しかも、同じ場所を・・・(笑)
ところで、
昨日も、病院からの帰り道、三条大橋を渡っていて、
鴨川を見下ろすと、
つくづく、川面の美しさに感嘆!
とにかく美し過ぎるので、何度見ても感心します。
浅い川底の石畳の色と川の水の美しさがマッチして、
感動的でもあるからです(*^-^*)。
そして、深くなったところは碧色の流れの透明感が堪ら
なくて・・
暑くなかったら、どれだけ見て居ても飽きないと思える
美しさは芸術的でさえ、感じさせるのも
流石ですよ。
以前は、こんなに川床が美しくなく・・
川底の石畳を流れる水の流れの美しさだけが際立って
いましたが、
今では
深い底の色合いとの調和が見事で、本気でまいります(__)
一度、京都へお越しなら、この鴨川の流れの美しさを
味わって帰って欲しいですね(#^^#)。
ところで、よく観てみると、以前、三条大橋の
袂に並んでいた仏像の全てが消えていて‥ぎょっ!
あの中で、唯一つ、首のない石仏があったのですが・・
それは、あの憎らしい残酷な人殺しの
豊臣秀吉が
自分の息子が生まれると、姉の子の関白秀次が邪魔になり
謀反の理由をこさえて、
彼のみならず、彼の妻や側室などの、子と、育ての親など
一族39人を
この大橋の袂で全員を公開処刑したもので・・"(-""-)"
処刑された女性の中で,奥州の大名の最上義光の娘１４才
は、秀次の要請で京に呼ばれたが、
秀次が切腹されていて、逢うことなく、処刑されたもので
秀吉の残酷無比の命の為、
１４歳で花と散った彼女を悼む者が続出したとか・・
哀れな彼女たちを慰めるために後世の人たちが仏像を供え
たとの逸話もありで・・
中で、なぜか一つだけ首が無く・・
気になっていたのですが・・未だ分からず・・
しかも、今、仏像のすべてが掻き消えていて・・( ;∀;)
私は何年か前に、この5体だったかとも思う仏像を撮影し
てあるのですが、あいにく、例によって
ブログにアップできず・・残念なのですが・・
いつか、アップできる日が来ると良いのですが・・
残念です"(-""-)"。