古都のブログ小説 京の鐘966

 

 

 

 ストレッチャー上で静かに目にを閉じ、志乃の穏やかな

 面持を目にすると、ほっと安堵したが、

 ただ、これ以上、彼女を自分の思いひとつで、

 無理をさせて、いいのかとの悔悟が秋山の身を蝕んで

 いた。

 

 

 

 志乃は生来の優しさから、誰からも愛されるだけに、

 求められると拒むことが出来ず、

 全てを引き受けさせてきたが、このままでは、

 いずれの日にか、

 志乃を窮地に追い込む悲劇を招きかねず、

 秋山は進退窮まる思いを必死に

 耐えていた。

 

 

 

 志乃の穢れの無い思いが透けて見えるだけに、

 内蔵する悩みにも答えが見つからず、

 天を仰いだ。

 

 

 

 タイムキーパーから本番開始三十分前ですとの声が

 準備室に響き渡った。

 

 

 

 この声で志乃が目を覚ました。

 

 

 

「少しは身は休まったかな」

 秋山の唐突に問いに

「うち、眠っていたのかしらん」

 怪訝な面持ちで答えたが、その掠れた声に、秋山の胸が

 軋んだ。

 

 

 

「うん、よく眠っていたよ」

 

「恥ずかし・・」

 

「そんなことはないよ。君は全身全霊で、私の期待に

 応えてくれていて、感謝あるのみだ」

 

「せんせ、そないなことをいわはったら、うち苦しゅう

 なります」

 

「君が私の企画に、どんなに尽くしてくれているか、

 私が一番、わかっているから・・感謝とお詫びしか、

 他の言葉が見当たらないのだから・・」

 

「せんせ、そないに、うちのこと、心配してはったら、

 何も始まらないと違いますか・・」

 掠れた志乃の声が少し和らいで聞こえた。

 

 

 

 とりあえずは今に迫った番組の構成を固め、仕事の鬼に

 返った。

 

 

 

「では、風の盆恋歌を用意する」

 と言っての本番の出と戻りを改めて伝え、振り付けの

 確認の為、今一度、

 ストレッチャーから志乃を抱き降ろし、音響班を呼んで、

 志乃の歌声えの入ったCDを用意させた。

 

 

 

 隣のAスタジオでは急ピッチで舞台がセットされ、

 見学希望者の抽選が当たった観客が次々と入っていた。

 

 

 

 奈菜や穂香らは楽屋で衣装や髪結いを終えて、自分で

 化粧も済まさせ、スタジオ入りの連絡を

 待っていた。

 

 

 

 志乃は着付けを改めてし直して、草履の類もしっかり

 履き、本番同然の舞を軽く流してみた。

 

 

 

「もし、良かったら、ラストシーンは愛する男との入水

 自殺だったので、波間に浮かぶ彼を求めて、

 君は床に寝たまま、手を指し伸ばす振り付けを付け

 加えたいが・・どうかな」

 秋山が突然の振り付けが、志乃を驚かしたが、

 即、肯き,間奏の間に、

 これを舞の後に続け加えることとした。

 

 

 

     古都の徒然 星稜高校の勝利に‥(笑)

 

 

 

 昨日、石川の星稜高校が阿南光高校に5-0で見事に

 勝利しました(#^^#)。

 

 

 星稜高校が春の甲子園で初めて順々決勝で勝利した

 もので、

 これは同校にとっても石川県にとっても

 初めてのことで、思わず喜びが爆発しました!(^^)!

 

 

 と、言っても、

 昨年の秋の神宮球場での全国大会で同校が優勝して

 いるので、

 さほど驚くことではありませんが、

 それでも、甲子園での春は100年の歴史があり、

 その試合で、3勝するなんて、

 素晴らしいことと思わず、拍手を贈ったものです(笑)。

 

 

 私は近年、余り野球に興味がなくなり、WBC戦以外、

 野球のテレビ観戦は一度も無く、

 すっかり、感心が薄れていたのですが、今年は能登半島

 地震があって244人の死者が出るなど、

 能登半島は大変な事態に遭遇していることから、

 避難者の皆さんへの激励の意味でも、彼らの勝負に

 関心があり、

 この日の勝利は何よりも嬉しく、思ったものです。

 

 

 続いて、明日の健大高崎戦の勝利を祈りたいですが 

 勝負は時の運ですので、

 可能なら、

 喜びの報告が出来れば何よりかと思いますが・・。

 

 さて‥(*^_^*)