古都のブログ小説 京の鐘959

 

 

 

 志乃の部屋で、暫く志乃が寝付くのを待っていると、

 やがて睡眠剤が効いたか、軽い寝息が漏れて

 聞こえた。

 

 

 

 三人が暫く、部屋に置かれてある各種医療器具を無言で

 眺めていた。

 

 

 

 心拍がやや落ち着いて来たが、血液中の酸素の溶解度の

 数値が98に戻らず、更に血圧が140と98と、

 いずれも高めに推移していて、予談を許す状態では

 なかった。

 

 

 

 この為、

 三人とも出るのは歎息ばかりで、流石に気が滅入り、

 不安が拭えなかった。

 

 

 

 この為、小夜ら三人が明日の出番で何をするかを小声で

 話し合った。

 

 

 

 演出部から何も言って来ないので、小夜が問い合わせて

 みると、あちらも、何も決まっていなくて、

 そちらで何か企画あるなら、聞かせて欲しいとの話し

 であった。

 

 

 

 小夜の提案で、幾つかの企画が出たが、いずれも新鮮味に

 ほど遠く、話は行きつ、戻りつが繰り返され、

 まともな企画が生まれなかった。

 

 

 

 おわらで、少し工夫をしてみてはどうかと奈菜から

 持ち出され、穂香が

「三人舞を久しぶりに舞ってみようか」

 と言い出してから、弾みが付き、次から、次へと話が盛り

 上がった。

 

 

 

 ここで、小夜が

「一人舞、二人舞、三人舞と連続して舞うのはどうかしら」

 奈菜や穂香の顔色を伺った。

 

 

 

「いいかも・・でも、順番と組み合わせはどうするの」

 奈菜が気を利かせて口火を切った。

 

 

 

「そこが問題ね」

 

 

 

「うちは、何処でもいいけど、一人舞は小夜ちゃんよね」

 穂香が素早く反応した。

 

 

 

「そんなこと、まだ分からないわ」

 

 

 

「やっぱり、一人舞は難しいし、ミスすれば、目立つから、

 大変よ」

 奈菜が穂香と同じく、小夜を押しているのが分かる。

 

 

 

「これは、明日、先生に決めてもらいましょ」

 小夜が逃げてを打った。

 

 

 

 だが、穂香と菜奈は、一人舞はやりたいが、恥をかくの

 が嫌で、早めに腰を引いたのだ。

 

 

 

 万一、秋山が名指しで、二人を指名すると、もう、

 引っ込みがつかなくなるのを恐れたからだ。

 

 

 

「じゃ、舞の流れはどうすればいい」

 

 

 

「三人が、背の高さで舞出て来て、横一列になるってどう」 

 

 

 

「それが一番順当なケースね」

 三者三様、思いを語り出し、なんとなく、出番はほぼ

 固まった。

 

 

     古都の徒然  ブログ小説の、京の鐘の・・

 

 

 

  ブログ連載小説 京の鐘 の登場人物のモデルに関して

 実はモデルは二人いるのです。

 

 

 その多くは複数のモデルを一人にしている場合も

 ありますが

 一人の人をそのまんま使わせている子が現実にいた子も

 いるのです(笑)。

 

 

 それは誰?

   となると、多分、ひょうきんな言動から穂香だと

 思われますでしょう。

 

 

 この子の描写は確かに、そっくりの子がいたので、

 比較的に書きやすいことはありますね(#^^#)。

 

 

 彼女は大学時代の子で、とにかく面白い子で、

 彼女が休むと教室に活気がなくなり、

 あの子は

 ムードメーカーとしても大切な子でしたね。

 

 

 彼女の周りはいつも、笑いの絶えない子で、

 笑いの為なら、どんなに恥ずかしくても、やって見せる

 子で、クラス中にもフアンがいて、 

 教室運営で、とても役にたつ子でした(笑)

 

 

 もう一人はヒロインの志乃君です。

 

 

 この子は高校2年で心臓病で亡くなった、私にとって

 一生忘れられない思い出を残してくれ

 早すぎる旅立ちであった

 最愛の人でした。

 

 

 実は、あの文学賞の候補作になった作品の一つで、

 どの作品も慟哭の渦で・・

 

 

 私が生死の際にいた頃、病床のベッドで遺書のような

 思いでペンを走らせたもので、

 書き始めから完了まで、とても速い期間であったことも

 何かに急かされたような気がしたものです。

 

 

 多くの読者の皆様の涙を誘った作品で

 完成した小説を

 ご家族に贈呈しても、お母さんはからは

 表紙を見るだけで、1頁も読めないと言われ、

 参りました(__)。

 

 

 勉強ができるのはともかく、人柄の良さがバッグンで

 常に控えめで、 

 無口なのですが、授業の分からない子には

 疲れているのに、分かるまで教えていたあの子の姿が

 鮮やかに蘇るので・・

 

 

 今回の京の鐘でも、そうした彼女の様子を丁寧に描いて

 いるかと思います。


 

 彼女をヒロインにした作品は3本あるはずで、

 どれを、とっても愛着があり、

 本はもう残り部数がわずかになっているので、

 文庫本になった一冊を読みたい人に貸すだけで、もう譲る

 ことは出来ません。

 

 

 なので、読後の感想はどなたも号泣の連続で・・

 中々、返して貰えないので、

 返却を求めると、愛着がわいて、どうしても返され

 ないようで、

 本との別れが、また悲しくて泣きました・・

 との手紙が添えられていて、

 嬉しいやら、悲しいやら・・で

 

 

 口で内容を説明していると、

 感情を抑制出来なくなるので、最近はもう簡単に口に

 することも、できません。

 

 

 原稿を執筆している時も、 

 知らぬ間に・・が込み上げて来て、困ったことも行く度か

 

 

 その点、

 モデルの志乃君は今、少し感情移入が出来ない

 のは彼女が高校生で、幼さもあって、

 踏み越えられないものや、今回は大学生をヒロインに

 した為の

 無理があって、書きにくいものがあります。

 

 

 ついでに言うと、あの文学賞の候補作になった本の中の

 作品の一つなのです。

 

 

 宣伝になりますが、現在執筆中の 京の鐘の

 流れを今から追いかけて見ても

 良いのではと・・(#^^#)