古都のブログ小説 京の鐘949

 

 

「では、明日、私たちは何時に何処へいけばいいのかしら」

 志乃がいいところで、いい問を放った。

 

 

 

「そうなると、まず、君たちの今夜の泊まる場所が

 必要となるが、

 四人ならダブルを二部屋取ればいいのだが・・」

 

 

 

「それだと、なんか寂しくない?」

 穂香が素早く口を差す。

 

 

 

「みんな一緒の部屋がいい・・」

 奈菜が小さく囁く。

 

 

 

「それは理想だけど、地元なら融通が利くけど、

 東京だと、せんせが、いくら有名でも男を一人に、

 女の子が四人ではホテルが不信感を抱くかも知れないわ」

 小夜が鋭く言い放つ。

 

 

 

「そうだね。

 京都でも、小南君あたりは違和感を持っているから、

 迂闊にできることではないよ」

 秋山の一声で、穂香がガクンと首を折る。

 

 

 

「そんなら、せんせのマンションではいけませんか」

 奈菜が切り札を使った。

 

 

 

「それがいっちいい・・そうしょう」

 穂香が跳び付いた。

 

 

 

「だがね、やはり、ご近所が何かとうるさい時期だから、

 スキャンダルと取られるとアウトなので、

 我が家で女の子の四人はは無理だよ」

 秋山の一言で全員がしおれてしまった。

 

 

 

「やはり、

 会社近くのホテルで二部屋をとるのがベストになるな」

 穂香の肩が落ちた。

 

 

 

「なんか、味気ない、思わない」

 奈菜の元気のない声が支配した。

 

 

 

「そうなんだけど、何か他の方法があるはずかと・・」

 小夜の言葉が秋山の決意を促した。

 

 

 

「それなら、一つ、方法がある。ただ、私はもう表に出る

 ことは出来ないのだ。

 ホテルには3人部屋がある。そこで4人が入り、

 私はシングルで入る。ただ、これは階数が違うので、

 気をつけないといけないよ」

 

 

 

「ホテルは定員オーバーでも、いいのですか」

 小夜が更に確信をつく。

 

 

 

「基本的にはいけないが、君たちの熱意で、一緒の部屋で

 過ごしたいと説得すれば、扉は開くかもね。

 ダメなら、正式に二人部屋を二つ取るしか選択肢は

 ないよ」

 奈菜や穂香が小夜に目で訴える。

 

 

 

 小夜は小首を傾げ暫し逡巡したが、やがて意を決したか、

「やってみます」

 小夜は4人で泊まる楽しさを思い、最後の決断を出した

 のだ。

 

 

 

「なら、最後の最後に私の名前を出して、

 支配人を呼び出しなさい」

 

 

 

 =ギョエー=

 奇妙な声で穂香が吼えた。

 

 

 

 =これで、決まりーっ=

 と、口々に喚き出し、秋山を落ち込ませた。

 

 

    古都の徒然 漫画家・芦原さんの冥福を・・

 

 

 芦原さんは昨年10月~12月に日本テレビ系列で、

 放映された「セクシー田中さん」

 の原作者で、

 ドラマの内容と漫画の原作との野乖離に悩み、

 死を選んだものと思われています。

 

 

 随分と、むごい話です"(-""-)"。

 

 

 私はこのドラマを9話とラストの10話を見るのが

 嫌で、スルーしましたが、

 これは始まりからの流れから終盤にかけての違和感が

 抜けなかったからで・・

 

 

 どうも、制作側の筋立てが、原作の持つ、すじ書との

 乖離が埋まらず・・

 悩まれていたとのことで・・

 

 

 実は、こうした原作とTVドラマ化や、映画化において

 原作者の意図とは異なる

 解釈と、すじ書の改変についての紛議が多々あって、

 撮影半ばで中止となったことも有り、

 作家の立場と

 映像化のシナリオとの齟齬が解決せず、

 撮影が進められ、訴訟騒ぎになったケースもあります。

 

 

 私的なことで恐縮ですが、

 私の作品でさえ、似たようなことがあり、

 問い合わせがあっても、渋っていたもので・・

 

 

 と、言うのは

 私は自分の作品の思いが拡大解釈されて、通俗的な

 娯楽作品になるのは嫌だったからです。

 

 

 私は物書きで暮らしていたのでは無かったので、

 金銭的なものはあまり関係なく、

 広く皆様に読んで

 頂くだけで、十分だったからで・・

 

 

 外野からは売れば大金が入るのにとの小さな騒ぎも

 ありましたが、

 あっさり、拒んだことで、少しは・・(苦笑)

 

 

 後に、教え子から、先生のあの作品が劇画になって

 いるよ

 との知らせには流石に唖然!

 

 

 この世界は本当に魔界のような魑魅魍魎の世界で、

 常識のラインが低すぎますから・・(-_-)。

 

 

  確かに、

 タイトルや登場人物の名前も変えてありましたが、

 大筋のストーリーは似ていて、

 これは盗作かも・・と思いましたが、

 そんなところだろうと、また、放置していると、

 今度は有名な女優を主演としたテレビ化され

 あきれ果てて・・もうぅぅぅ

 

 

 でも

 その女優さんが結構、私のお気に入りの方なので‥(笑)

 今更、何を言っても無駄と・・。

 

 

 関係者だけでなく

 教え子たちから、皆、カンカンに怒っていると、

 言って、

 喧嘩するなら、加勢するからと、勇ましく訴訟する

 ことを進言してくれましたが・・(笑)

 

 

 テレビドラマでは

 私の意図しない原作に無い悪役がヒロインを虐めたり、

 殊更、憎々し気な言葉が乱発され・・

 私の作品の持つ,

 清冽で淡い筋立ての雰囲気が消え、

 怒りより、つまんない作品と・・呆れることで、

 忘れることにしたものです・・

 

 ※ 

 因みに、

 私は自分の作品には基本的には悪人は登場させません。

 

 なので苛めもありません。

 自分が嫌なことは作品でも嫌なので書けないのです。

 

 

 近くは、現在連載中の 京の鐘 にも不愉快な方は

 一人も出ていませんでしょ(笑)。

 

 

 何,読んでない?

   少しは読んでよ‥・ね(笑)

 

 

 でもね、

 すべてが終わった後で、仲介に立ってくれた関係者 

 から買い上げ原作料が‥・百万と言われ、

 少し、

 もったいなかったかもと‥(苦笑)

 

 

 時代がバブル全盛期だからこそなのですが・・

  

 

 でも、芦原さんは契約する時に、厳しい条件を付けて

 違反したなら、

 法的な措置をとるとの契約をしておけば・・とも

 

 

 気の優しい芦原さんの思いを無視した

 日テレのやり方と、反論が汚すぎて、益々嫌いになり

 ました"(-""-)"。

 

 

 心優しい彼女が可哀想でなりません。

 

 

 芦原さんのご冥福を心よりお祈り致します。

                    合掌

 

 追記

 

 私がこの記事を書いた時と違って、随分と外野席からの

 ネットで誹謗中傷が飛び交っているようで、

 辛いですね‥( ;∀;)

 

 

 すべての責任は

 ドラマのシナリオ・ライターではなく、

 これを要求した日テレにあるので、始めに傲慢なことを

 言った責任もあって、

 当事社なのに、第三者の振りをするのは感心しません。

 反省すべきは・・

 

 

 本当に嫌になります。

 

 

 わたしのように、勝手に劇画にされたり、

 ドラマになったりしても、何も文句も言わなかったのも

 今になっては誰も傷つけず

 良かったのですが・・

 

 

 もっとも、

 当時はネット社会ではなかったので、誹謗中傷は

 ありせんでしたので・・(笑)

 

 

 ともかく、

 言葉は時として刃物以上の凶器にもなりますから、

 お互い、気をつけましょうね(__)。