古都のブログ小説 京の鐘947

 

 

 

 秋山の入院している大学病院へ着く頃には、

 もう大変な人出で、

 車を誘導する数少ない職員の手では、

 とても処理できず、仕方なく車をおりて、込み合う中を

 徒歩で院内へ入る道しかなかった。

 

 

 

 会社から、常務室の秘書課職員四名と、大学側の警備員

 と病院関係者ら10数人が四人を囲み、何とか、

 院内に立ち入ることが出来た。

 

 

 

 この為、

 志乃の顔色が優れず、秋山のいる特別室へ入る前に、

 簡単な診察を受けて、

 必要なリンゲルを投与され、安静状態で1時間ほど、

 眠らせてから、

 秋山の待つ特別室へ入ることが出来た。

 

 

 

 秋山はこうした事態を予測していたらしく、

 病院側へ事前の根回しをしていたことで、それなりの

 時間はかかったが、何とか、無事に入室できて、

 ほっと安堵の胸を撫で降ろした。

 

 

 

 その後で、志乃たちと、これからの日程調整を

 話し合い、志乃たちに余裕があれば、

 ホテルを用意するので、今夜はゆっくりと休養すること

 になった。

 

 

 

 秋山が病院食を食べていなかったので、

 志乃たちも急ぎ、昼食の買い出しに出かけ、

 未だ開いていた食堂で、何かしらのメニューを揃え、

 自分たちの手で、運んで来て、

 全員、揃って会食となった。

 

 

 

 秋山の話では明日に時間の余裕があれば、

 秋山の番組に四人揃って出演してみてはとの問いに、

 穂香が勢いよく手を上げて賛成し、

 苦笑しながら奈菜も同意し、小夜が志乃の体調次第と

 言うことで、受け入れることを表明し、

 話は決まった。

 

 

 

 この後、秋山から日曜日の番組「この人に訊く」は

 何かと話題になった方や、

 この道一筋の方などを招いて話を聞く構成だが、

 今回は、君たちの上京で、

 この日の為に用意してあるテープを翌週に回し、

 私が回し役となって、君たちの、この一年の思いを

 語ってもらうことで番組を制作したいが、

 どうだろうーとの話に、

 皆がいきなり、口を閉ざしてしまった。

 

 

 

 いつもは快活に話す穂香が意外にも、口を閉ざし、

 他の者たちも、なぜか口が重く、秋山は当てが外れて、

 戸惑うばかりで・・。

 

 

 

 まさか、全員が、テーマが今年一年を語るには口が

 重そうで、

 やはり、簡単に語ることは出来ない何かが有ったようだ。

 

 

 

「せんせ、この一年の、何か楽しいことばかりを語れば

 テーマに沿っていることになるのでしょうか」

 小夜が重い口を開け、問いかけた。

 

 

     古都の徒然 乗客を救った機体の・・

 

 

 

 旧聞になりますが・・

 1月元旦の夜の能登半島地震の陰に隠れて、

 ほとんど報道に乗らなくなってしまいましたが、

 日航と海保の小型機との追突事故は

 不幸にして発生した事故でしたが、あの時、あり得ない

 ほどの日航の乗務員や、機長などの乗客に

 対しての冷静沈着な対応によって、

 沢山の方の命を救った数々の物語があったのです。

 

 

 報道の多くは乗務員の活動の素晴らしさが海外からも

 称賛の嵐で、

 日本人として誇らしくもありました。

 

 

 でも、案外知られてないのが、機長の素晴らしい活躍が

 あったからこそと

 言えるものを忘れがちなので、今一度、書いてみますね。

 

 

 あの時、機長は最後まで乗客の安全を最優先にして

 燃え盛る飛行機から脱出させたあと、

 一人、機内に残り,懐中電灯で機内の様子を確認して

 最後に、最後尾の脱出口からシューターから

 地上におりたったもので、

 海保の機長が最初に脱出したものと大違いであったこと

 が辛いところです。

 

 

 抑々、

 海保の小型飛行機の脱出口が機長が一番近いところに

 あるので、其処から機長が脱出しないと後続の

 隊員が脱出出来ない仕組みだからです。

 

 

 それにしても

 あの機体が炎上して猛烈な熱さになっているのに

 最後まで残り、乗客の安全を確認しての

 脱出は

 今少し評価しても良いのではと・・

 

 

 そして

 今一つの驚きはあの飛行機のエアバスはこれまで

 いくつかの危機はありましたが

 乗客の命を守るカーボンフアィバーの複合材の強さ

 今回の脱出劇のカギとなっていることを

 昨日の日経夕刊の 明日への話題 

 で初めて知りました。

 

 

 確かに、機体を炎で焼き尽くそうな300度の状態でも

 燃えない機材であったからこそ、

 機長も最後まで機内に残って、安全確認が出来た

 もので、これを用いたエアバスは素晴らしい飛行機と

 言えるでしょう。

 

 

 これに対して、最近は何度も機体の一部の破損が続く

 ボーイングの機体の脆弱さには

 つくづく呆れます。

 

 

 日航と言えば、あの御巣鷹山に激突して史上例のない

 悲劇の飛行機で、

 それがボーイングであったことが脳裏から離れません。

 あの会社は今でも、

 ちっとも成長していない気がします。

 

 

 しかも、田中角栄と言う稀代の総理が贈収賄の疑いで

 逮捕された事件の相手が

 ボーイング社であったことも忘れられません。

 

  

 その後、私が嫌々乗せられた飛行機がボーイング

 ばかりで

 わずか10回程度の飛行でしたが、短い飛行なのに、

 この機ばかりで、

 しかも、毎回、何かがあって(-_-)

 私の飛行機嫌いが今だに残っていて、海外旅行ができな

 かった原因の一つとも・・( ;∀;)

 

 

 しかも、田中角栄と言う稀代の総理が贈収賄の疑いで

 逮捕された事件の相手が

 ボーイング社であったことも忘れられません。

 

 

 私の飛行機嫌いは別として、皆さんが飛行機は皆同じ

 との思いは間違っていることもあるのですよ(笑)

 くれぐれもご注意を!

 

 ※

  参照文献 日本経済新聞夕刊 24.1.22 

  明日への話題 飛行機 

  ミネベアミツミ会長CEO 貝沼由久氏より