古都のブログ小説 京の鐘944

 

 

「秋山常務が倒れたとの話は私の耳にも届き、社内でも常務

 のスタッフらが動揺していたことも、耳にしていました。

 それで常務の最新病状は如何でしょう」

「幸い、今は安定しているようです」

 志乃が短く答えた。

 

 

 

「それは良かったです。志乃姫様らが上京されたので、 よ 

 くなったのでしょうね」

 

 

 

「そんなことは・・」

 志乃が言葉に詰まると、

「まっ、そんなところでしょう」 

 穂香が間髪入れず、言い切って、軽い笑いをとった。

 

 

 

「穂香ちゃんは変わりませんね」

 小南が笑いを堪えて、話を続けた。

 

 

 

「穂香茶の言うとおり、皆さんが来て、常務も、さぞかし、  

 喜ばれたことでしょう」

「今はね。でも、うちらが来た時は、せんせは全然意識が

 なく、大変だったのですよ」

 

 

 

「そうみたいですね」

「だから、志乃姫ちゃんが、うちらの知らん間に、おわらの編み笠を被って、CDを鳴らして、せんせの前で、おわらを舞い始めたのよ」

「それはまた、どうして・・」

 小南が早口で問いかけた。

 

 

 

「せんせが、意識は無くても、何か、身に覚えのあるものを 

 お聞かせすれば、目を開けるかと思い・・」

 志乃が静かに事の成り行きを話すと、穂香がこれを拾って

「志乃姫ちゃんが、舞始めたの。そしたらね」

 

 

 

「秋山常務が目を覚ましたの」

 

 

 

「そうゆう分けなの。志乃ちゃんがお医者さんの代わりを

 してくれた分けなの」

 小南が大きく肯いた。

 

 

 

「志乃姫様が常務の目を覚まさせたってわけね」

「凄いでしょ・・志乃ちゃんの魔力は・・」

 

 

 

「魔力は無いでしょう。それを言うなら、志乃ちゃんの

 思いの丈が通じたのよ」

 それまで黙って聞いていた小夜がとっさに口を差した。

 

 

 

「それ、ほんとかも知れませんね。凄いことだわ」

 小南の言葉が何気に志乃を誘った。

 

 

 

「うちのせいや、なんて、全然・・」 

 志乃が向きになって否定するのを

「あれは、間違いなく、志乃ちゃんの唄声がせんせの胸に

 届いたのよ。それで、何かの気配を感じて、

 目を覚ましたものよ」

 奈菜が初めて口を利いた。

 

 

 

「そうかも知れないわね。それにしても、珍しいことだわ」

「世の中、こんなこと・・あるのよね」

 奈菜の口が滑らかになって、スタジオの雰囲気を一気に

 変えた。

 

 

 

「やはり、志乃姫様の威力はたいしたものよ」

 小南の口元が和らいでいた。

 

 

 

「小南さん、うちのこと、

 そないな呼び方は恥ずかしゅうて、困ります。

 みなが面白がっていうもんや、さかい、うち、困っている

 んです」

 志乃の泣きに、一同、顔を見合わせたが、穂香の目が

 泳いでいた。

 

 

      古都の徒然 地震対策には・・

 

 

 今回の能登半島地震で、現場から他都市への避難を希望

 される方が次々と、ヘリやバスなどで、

 移動しています。

 分かります。そのお気持ち・・

 

 家無し、水無し、電気無し、暖房無しで、

 おまけに、連絡手段のない所で住むのは、私には一日

 でも無理な話で・・。

 

 

 私は一人っ子育ちの、甘えたなのですが、

 幸い、これまで快適な環境で過ごして来られたのも

 ありがたいことで・・

 

 

 それにしても

 能登の皆さんの辛抱強い気質には、ほとほと尊敬と

 感嘆の思いが・・

 なにより皆様の忍耐力には参ります(__)。

 

 

 わたしなんて、とても出来ないことばかりで恥ずかしく

 (*´Д`)

 

 

 私は生来の被害妄想狂なのか、

 何かある時の対応策として、このマンションに

 引っ越した時から、

 災難の際の必需品として、

 各部屋ごとに2台の携帯灯を2つ用意し、電池切れの

 無いように予備の電池もおいてあります(笑)

 

 

 昔はラジオも置いてありましたが、いつの間にか、

 スマホに変わり(笑)、

 台所には家庭用の消火器も置き、一応、気をつけている

 つもりなのですが・・(笑)

 

 

 でも、いざとなったら、

 腰が抜けていたらアホみたいですが・・(*´Д`)

 幸い、これまで

 京都が震源地の大地震は近年ありませんでしたが、

 500年前には

 秀吉が伏見城にいた時、

 大地震に見舞われ、城は崩れ、多くの女性たちが圧死して

 いましたから、

 のんきに構えてはいけません。

 

 

 しかも、秀頼の時も大地震に見舞われ、木製の大仏が

 崩壊しているので、

 あの地震の再来があれば、どんな目に合うか知れません

 し・・

 

 

 もっとも、

 このマンションを購入する時、建築士に

 阪神大地震と同程度の地震が発生した場合、

 このマンションは大丈夫かと尋ねると、新建築基準法に

 従い、

 鉄筋の数など以前の2倍も入れてあり、

 倒れることはありませんと・・

 何処まで信じていいか、わかりませんが‥

 

 

 時には気が小さいって、いいことかも知れませんね(笑)。

 

 

 私は少し異常ですが・・

 伴侶がいたなら、彼女の為にも必要な準備はしている

 つもりなのですが・・。 

 

 

 それにしても、冬の地震は厄介ですね。

 阪神も能登も冬の大地震で、寒い時期の地震は関連死を

 呼ぶので、困ります。

 

 

 今回の地震での死者が220人と増え続けていますが

 その中でも、関連死が15人と・・( ;∀;)

 やはり、怖い話です。

 

 

 でも、親元を離れては、みんな辛いだろうから

 引っ越しには

 参加しないと語る女子中学生もいましたが、偉いですね。

 

 

 確かに、若い子がいると、いないでは年寄りには

 大違いで、あの子はよく残ってくれました。

 

 

 それにしても、

 あの地での地震も早く、撤退して欲しいものです。

 つくづく、

 続報を聞くのが辛くなって・・