古都のブログ小説 京の鐘942

 

 

 

「ごめんね、せっかく来てもらっていたのに、長く待たせて 

 しまい・・」

 志乃が絶妙なタイングで話に割り込んだ。

 

 

 

 ここでようやく、小南が

「本当に、何かの手違いで、失礼しました。申し訳ありま

 せんでした」

 世話し気に気を配った。

 

 

 

「とんでもない。遅くても呼んで頂いて恐縮です」

 小夜が小声で口をきいた。

 

 

 

 場が何とか平穏に収まり、話は祇園祭から五山送り火に

 移り、小夜は初めて見た五山の大の字に火が点灯した

 とき、迂闊にも、対岸の舞に気を取られ、

 見逃したのが悔しかったと、表情を交えて語り出すと、

「小夜ちゃんだけじゃないよん。うちも見逃した組」

 穂香が早口で言い出した。

 

 

 

 これを見て、奈菜が徐に、

「うちは毎年、見て来たのに今年も見れて、なんか、得した 

 みたい」

 明るく言い放ち、二人を悔しがられた。

 

 

 

「志乃姫様は・・」

 小南が志乃に振った。

 

 

 

「うちは偶然、編み傘が少し下がり目だったので、それを

 上に持ち上げた時、あの大文字の火が点火した時で、

 かろうじて間に合った口かも・・」 

 頬がほんのりと赤らんだ。

 

 

 

「肝心の小南さんは・・」

 小夜がいたずらっぽい目で振ると、

「うちも進行表に目を落としていて、点火は気が付かず、

 ふと、顔を上げると、

 次々と転火台に火が灯り出していた時で・・」

 含み笑いを隠すように、口元に手をやった。

 

 

 

「残念だったのは肝心のオワラの舞がピークに来ていた

 のに、お客様の目が一斉に大文字に向っていて、

 誰も舞を見ている人がいなかったのが少し・・」

 志乃が声を落とした。

 

 

 

「納得・・でも、あんなものじゃない。何事も二つは旨く

 行く分けが無いのは仕方無いもん」

 悟り切った顔付で穂香が正論を言って、この件はおしまい 

 にした。

 

 

 

 ここで、小南が立ち上がり、後方へ眼をやって、

「編み傘を持って来て」  

 スタッフに声をかけた。

 

 

 

 4人揃って顔を見合わせ

「傘を何処に置いたの」 

「バックの中だと思うよ」

 穂香が怪訝な面持ちで呟いた。

 

 

 

 スタッフが予め、用意してあった編み笠を四枚手にして、 

 刷り足で寄って来て小南に手渡して、

 すっと身を引いた。

 

 

 

「ここで、もし、良かったら、皆さんで、

 あの時のおわらの音曲に合わせて、舞ってもらうことは

 無理でしょうか」

 切り札を投げた。

 

 

 

     古都の徒然 虫歯治療も・・(*´Д`)。

 

 

 

 今更ながら

 こんなに虫歯が痛いものと知りませんでした(*´Д`)。

 

 

 今までは虫歯と言っても、

 1日で簡単に治療が終わたのに、今回のように痛み

 が続くなんて、初めてのことで・・

 しかも、

 食事をするときも、治療中の歯に当たらないように、

 食べ物を左側に寄せて、

 食べるなんて全く経験がないので・・( ;∀;)。

 

 

 おまけに、物を噛む度に痛む歯に当たり、

 もうぅぅぅ(-_-;)

 

 

 今日もこれから治療に出かけますが、

 当分、美味しいものは食べられず・・と言っても、

 昨日は週一回は食べ続けている海鮮丼でしたが、こんなに

 味が感じられない海鮮丼を

 食べたことが無いほど疼き・・(*´Д`)。

 

 

 痛み止めや化膿止めに、栄養剤まで服用する措置には

 驚き以外,何もありません。

 

 

 これで、いつか、痛みのなくなるのか、今日の治療後に

 尋ねてみるつもりです。

 それにしても、実に驚いた次第です(*´Д`)。