古都のブログ小説 京の鐘933

 

 

 

 小夜と奈菜がとっさに、志乃の身を抱きかかえ、

 応接間の長椅子に運んだ。

 

 

 

 指にパルスを嵌め、数値を測った。

 

 

 

 予期した通り、96と悪い数字が認められ、

 すぐ、部屋に持ち込んでいた酸素吸入器を志乃の鼻に

 取り付け、リンゲルには心臓の活性化を促す薬品が

 投与されるなど、

 場を一気に緊張状況に変えた。

 

 

 

 ナースたちは何も言わず、黙々と責務をこなしていた。

 

 

 

 悲劇的な静寂が室内を息苦しく包んでいた。

 

 

 

 間もなく、志乃の指先に付けた血液中にある

 酸素の溶解度を示す数字が97と少し回復基調に

 変わった。

 

 

 

 医師の口からほっと安堵の声が漏れて聞こえた。

 

 

 

 奈菜や、穂香に小夜の三人とも、目にうっすらと涙を

 溜め、互いに肯きあった。

 

 

 

 何より、異常な数値が回復基調になることが嬉しくて

 たまらなかったのだ。

 

 

 

 穂香が涙声

「これで助かったかも・・」

 

 

「安心はできないけどね」  

 奈菜が穂香をそっと窘めた。

 

 

「まだ、様子見の段階なので、これが俄か喜びに、

 ならないことを祈るだけね・・」

 小夜が控えめに口を添えた。

 

 

 

「そうです。仮に98に戻っても、今日は要注意となり

 ます」

 主治医の押し殺したような慎重な言葉に一同、

 手を絡ませ合った。

 

 

 

「心拍が少し上がり始めました」  

 ナースが小さく囁くように告げると、

 医師が計器を睨み、

「良い兆候ですが、気を抜かないよう気をつけてください。 

 私はこれで引き揚げますが、

 ナースを一人、置いて行きますので、気が付いたことが

 あれば、すぐ、伝えて下さい」 

 と、言って聴診器を外し、必要なものを手にして

 戻って行った。 

 

 

 

 残された若いナースが無言で用具類の後かたづけを

 始めた。

 

 

 

 穂香たち三人は手持無沙汰なので

「私たちで、できることがあったら、言ってください」

 小夜が口を切ってナースへ声をかけた。

 

 

 

「ありがとう、でも、今は私ひとりで、できることなので

 大丈夫です。この後、私もセンターへ一度、

 戻りますが、何か異変が起きましたら、すぐ連絡下さい。 

 跳んで来ますから」 

「助かります。宜しくお願い致します」 

 小夜が即座に返すと、ナースも忘れ物などの確認を

 済ませると、部屋を出た。

 

 

 

 三人がホットするまもなく、秋山のベッドサイドに

 詰め寄り、無意識に眠り込んでいる秋山の顔をマジマジと

 見詰めた。

 

 

 

 奈菜は、その穏やかな顔に、少し紅が差したように

 感じていた。

 

 

     古都の徒然 推定無罪を我が国は・・

 

 

  

 外は快晴なのに、体調不良は中々、改善せず( ;∀;)

 中でも困惑するのは鼻かぜで、

 漢方薬と噴霧器を処方されているのですが、

 一日,3回、服用して、

 大体、完治していると思って、お薬をやめると

 すぐ再発することで、

 このままでは、一生、このお薬を服用していなければ

 ならない気がして

 怖い・・(-_-;)。

 

 

 人間、体調不良になると、何事も遣る気がなくなり、

 食も、買いに行くのが面倒で、

 買い置きしてあるレトルト食品に頼り、(~_~;)

 毎日がカップラーメンでは食欲も湧かず・・(~_~;)

 

 

 人は常に元気でいなければ何事も、旨く行かないもので

 困りますね。

 

 

 同じ、ドラマやドキュメンタリを見ていても

 いつもなら、悪には断固として、許せないものも

 気が弱くなると、

 どうでも、良いから早く、適切に解決してと・・

 冷たいかも・・

 

       推定無罪の・・

 

 ところで、今朝のNHKのニュースで冤罪事件で、

 一貫して無罪を言っていた被疑者が、

 収監してから

 一度も、

 釈放が叶わず、獄中で胃がんを発生しているのにも

 関わらず、

 釈放しなかったため、死亡すると言う

 悲劇が発生し、

 

 死んでから無罪釈放だなんて

 裁判官や検察官の横暴と、司法権の乱用で

 無罪の方の無念さを思うと、やり切れなくなり・・・

 

 

 こんなことが我が国の司法制度であっていいのかと・・

 

 

 被疑者で無罪を主張している方は一時、

 釈放が認められないなんて

 理解に苦しみます。

 

 

 アメリカなんて、ピストルで人を殺しても

 翌日、釈放されるケースが多々あります。

 

 

 これは被疑者にも疑いを晴らすための活動が必要

 との意味があるからです。

 

 

 これに比べて我が国は一度、逮捕されると、あたかも

 それが

 最終判決かと思わせるような記事を書く、マスメディアの

 責任も重いものがあります。

 

 

 何事も確定判決が出るまでは推定無罪が原則なのです。

 

 

 亡くなられた方の奥さんの話では、

 胃がんを治すためにも

 犯罪を一度、認めてはどうかと、尋ねたところ

 絶対、

 やってないものをやっていると言うくらいなら、

 死んだ方がましとの意向で、

 結句、

 亡くなられた不幸には慰める言葉もありません。

 

 

 私の体調不良が益々悪化してしまうのも

 仕方ありませんが、

 それにしても、先進国の中でも

 世界的に我が国ほど推定無罪の原則を認めない国は類を

 見ないもので、

 こうした基本的人権を認めないのは独裁国と

 ・・国と我が国だけです。

 

 

 しかも、この推定無罪は国連が出来たと

 同時に

 採択された世界人権宣言にも明記されていて、

 基本的人権の尊重が(推定無罪)法律によって

 守られているのに、

 なぜ、

 我が国はこの推定無罪の原理原則を守らないのか!

 憤りが納まりません。

 

 

 皆様も一度は、まじめに考えて見てもらえませんか。

 

 

   こんなことを書いていると

 益々、体調不良が悪化して来て・・無念じゃ!

 

 

 ※

 時々、こうした本格的な司法原稿を何も参考文献も見ず

 すらすらと書けるなんて

 私も満更、

 未だ、ぼけてはいないことも有るのですよんと・・(笑)

 

 これを通称・カラ威張りと申します(__)。  

 

 そして、

 今頃、気づくなんてお恥ずかしいかぎりですが

 今朝の原稿アップが遅れたのは執筆に夢中になっていて

 時間を完全に忘れていたもので

 失礼しました(__)。