古都のブログ小説 京の鐘930

 

 

 

「その結果、何が分かるの」

 志乃がせき込んで尋ねる。

 

 

 

「おそらく、先生の発作で半身不随になっているかどう 

 か・・だと・・」  

「嘘! せんせが、そないなことに、なっていはったの」

 

 

 

「発作が起きて、意識を失うって、そんなことがあるから 

 なの。早ければ、即日に回復するのに、未だ、目覚めない 

 ので心配されていると思うの」 

 

 

 

「そないなことって・・」 

 志乃が壁に縋ったが、ずるずると崩れ折れ、小夜が必死に 

 抱き留めた。

 

 

 

 穂香の呻きがうるさく、他の部屋のドアが次々と開いて、 

 不審な顔が覗いた。

 

 

 

 小夜が志乃を抱き留めながら、詫びると、無言で次々と

 ドアが閉まった。

 

 

 

「静かにしないと、追い出されることもあるの」

「怖いから、みんな静かにしようね」

 一番、騒がしい穂香が言ったので、一同、目を白黒。

 

 

 

「穂香ちゃんには勝てないよ」

 奈菜が不貞腐れたように言うと、

「どうも、すんませーん」

 穂香が軽く詫びた振りして、おしまいとなった。

 

 

 

 小夜があまりにも、特別室の事情を詳しく知っている

 ので菜奈が

「小夜ちゃんはなんで、そんなに特室のことを知っている 

 の」

 問いかけると、

「親戚に医師がいることと、お爺ちゃんが日赤病院の特別室 

 に入院していたことを覚えていたからなの」

 小夜が手際よく説明すると、

 穂香がほーっと感嘆の溜息を洩らし、小夜の顔をマジマジ 

 と見つめた。

 

 

 

「と、言っても、私の家族が贅沢しているわけではないの。 

 それと、兄がたまたま大学病院で薬剤師をしていて、

 家庭の中で病院の話が話題になっているからなの」

 小夜の屈託のない笑顔での説明に菜奈も、穂香も顔を見合

 わせ肯きあった。

 

 

 

 それからも、病室へ医師やナースが入れ替わり出入りし、

 慌しい時が過ぎて行った。

 

 

 

 志乃たちが病室へ呼び込まれた時、

 秋山が眩し気に目を瞬き、志乃の姿を確認すると、

 なんとも言えない、恥じらいを含んだ漂わせた笑顔を

 見せた。 

 

 

 

 志乃が思わず、両手で顔を覆い、首を何度も振って咽び

 泣いた。

 

 

 

 秋山が少し困惑の思いを漂わせながら、掠れた声で、

 志乃を小さく呼び寄せた。

 

 

 

 小夜が志乃の背を軽く押して、秋山のベッドサイドへ

 行かせた。

 

 

   古都の徒然 指導の意味の履き違い・・

 

 

 

 私の子供の頃のスポーッはドッヂ・ボールや、サッカー

 野球に相撲が人気を呼んでいたもので・・。

 

 

 ところが、女の子と一緒のドッヂ・ボールは冬場の時期

 一番、人気があった気がします。

 

 

 日頃は女の子を相手にしないのに、なぜか、このスポーツ

 と言うか、

 ゲームというか、

 どちらにしても、なぜか女の子が知らぬ間に入っていて、

 熱戦となり、迫力ある展開に

 男女とも歓声をあげて、走りまわり、

 男子はボール受けそこなった女の子のボールを

 飛び出して受け止めると、女子から盛大な拍手を浴び、

 やりがいのある

 冬のスポーツであったかと・・(#^^#)。

 

 

 私はドッヂボールが苦手で、いつも参加しないで

 見ていたのに、

 途中で、引き込まれるのですが、

 期待に沿えず・・あーぁぁ‥の、がっかりの声を浴び

 益々、ダメになり・・(笑)。

 

 

 でも

 好きであったのは間違いありませんが・・(笑)。

 

 

 あれが、何処かで人気があり、オリンピックにと、

 頑張っているところもあるとのことで、

 一度、見てみたいものです。

 

 

 ところで

 今月は大相撲の11月場所が九州で開かれて

 熱戦が繰り広げられていますが、

 私の子供の頃の小学校と中学校で毎年、学校全体で

 相撲大会が開かれ、

 人気を呼んでいたもので・・

 

 

 ある年、中学の英語の先生が本物の行事の装束で

 土俵に上がり、

 軍配をふるったことがありました・・

 

 

 行司が本気モードで土俵に上がるので、

 各クラスから選抜された選手たちも、例年になく、

 激しい戦いになり、

 途中、物言いがあったり、同体で再勝負が行われたりで、

 会場は大いに盛り上がり、

 楽しい一日が終わったのですが、最後の

 最後に校長が

 なんと、

 行司装束の教師を厳しく叱責し、会場は凍り付き・・!

 

 

 

 見世物のように姿をして何をしているのかと・・

 ここは教育場なのに、

 場所柄も考えず・・と言って

 退場しましたが、来賓やPTAの役員らが、落ち込む

 教師を励まし、生徒会の役員の私も

 想像外の講評に校長に抗議したい思いもあったのですが

 後に続く者の気配がなく、

 せっかくの相撲大会も校長の硬直した物言いに不快な

 思いを残しただけで、散会したことが未だに

 忘れられません。

 

 

 言葉って使い誤ると、どんな名言も罪だけが残る

 最悪の幕切れとなったことを身をもって

 知ったわけで・・

 

 

 今、宝塚での男役のトップが後輩を指導していたと

 見せて、本心は

 単なる虐めであったかと思うのです。

 

 

 人の命を奪う叱責からは何も生みません。

 

 

 人を指導するって、自分の経験や体験だけで決めつける

 のは愚の骨頂です。

 

 

 未だに、詫びない人たちの猛省を促したいものと・・。