古都のブログ小説 京の鐘905

 

 

 「無礼者奴」

 秋山の蛮声が轟いた。

 

 

 

 

 すぐ、これに反応したのは山田康則で

「列を妨害する者はただでは済まさん」

 馬上から吠えた。

 

 

 

 

 この制止命令は観衆を引き付け、飛び出して来たマニア

 たちは直ちに引っ込んだ。

 

 

 

 

 康則の怒声は本気度があったか、直ちに効いた。

 

 

 

 

 輿に乗っていた小夜が涙目で、康則に感謝の思いを

 込めて、両手を合わせた。

 

 

 

 

 康則も聊かの恥じらいを含んで、軽く会釈で

 これを返した。

 

 

 

 

 秋山一人が苦虫を噛んでいた。 

 行列は一路、

 平安神宮への参道を順調に歩み始めた。

 

 

 

 

 秋山の命で騎馬武者に

「列に割り込む無法者に対応して一層に警護に励め」

 との命に、全員が声を揃え

「おーう」

 との蛮声を重ね、沿道からの拍手が沸き上がると、

 肩に力が入り、

 瞬時、勇ましき姿を見せつけ、けっこう自己満足に浸って

 いた。

 

 

 

 

 列は粛々と進み、奈菜の正確な舞にも声援と拍手が

 追いかけて来ると、

 少し目元に指を重ね控えめに、歓喜の思いを見せていた。

 

 

 

 

 唄無しのおわらの演奏が、ゆっくりと続き、

 誰もが道中の成功を確信していた。

 

 

 

 

 やがて列が平安神宮の大鳥居あたりに差し掛かると

 志乃が姿を見せた。

 

 

 

 

 無論、厳重な警護の中に割り込んでいたので、

 暫くは志乃の姿は気づかれなかった。

 

 

 

 

 だが、参道と三条通の交錯する場所に着くと大きな

 うねりがあって、大歓声と、喝采が上がると、

 警護班のきびきびとした動きが遠目にも目立った。

 

 

 

 

 一旦、秋山の声で、列は一旦立ち止まり、輿から小夜が

 降りて、志乃がこれに乗り移った。

 

 

 

 

 「志乃ちゃん、志乃姫様―」

 などの大歓声が志乃の元気回復を祝ってくれた。

 

 

 

 

 秋山も志乃の姿が目に入ると、胸が熱くなった。

 ここから、道中は終わりの助走に入った。

 

 

 

 

 沿道の

 有料席から駆けつけた老人たちからも手が振られ、

 志乃が細かく礼を含んだ

 会釈を見せた。

 

 

 

 

 舞の先導役の菜奈に代わって小夜が小柄の身を大きく

 広げ、見事な姫舞を披露すると、

 奈菜に負けない歓声と、熱い拍手が木霊した。

 

 

 

 

♪ きたさのさ どっこいしょ のしよ

           唄われしょ わしゃ囃す 

 

  唄い手が前囃子を唄い始める。

 

♪ 三条通を おわらが通る

       泣いて 舞い手が袖絞る 

 

 

 

     古都の徒然 春の選抜に・・

 

 

 

 春に仙台育英に1-2で敗れた慶応の底力を期待

 したいのですが・・(笑)。

 

 

 

   でも育英は二連覇がかかっているから、肩に力が入って

 いるかと思いますし、慶応は107年ぶりの優勝を

 飾りたいとの思いもあるかと・・

 

 

 

 どちらにしても、

 因縁試合になるようなことが無いことを

 祈りたいもので・・

 

 

 

 今回はまた、

 応援合戦も楽しくて、いかにも慶応らしい可愛さと

 清潔な感じの女子応援団の姿が

 目にまぶしくて(*^-^*)。

 

 

 

 勝負は前回同様、1点差を争う展開とは違い、

 もっと激しい

 打撃戦になるかもとの思いもあって、

 楽しみが倍増していて・・

 

 

 

 でも

 いかにも高校生らしい清潔感のある展開が一番の望みで

 勝っても負けても

 清々しく戦ってほしいですね。

 

 

 頑張れ!

 両チーム!