古都のブログ小説 京の鐘904 

 

 

  

  穂香を残して、秋山が列に戻ってすぐ、街流しの体列の

  先頭を舞う姫を奈菜に任せ、

  濃姫に小夜を当てた。

 

 

 

 

 奈菜は目の色を変えて全身で喜びを表し、

「穂のちゃんの為にも頑張ります」

 珍しく頬を紅潮させ、大きく肯きかえした。

 

 

 

 

 小夜は元々予定していたことで、何気に引き受け、

   早速、輿に上った。

 

 

 

 

 ここで、ラストの平安神宮へ参詣する濃姫に志乃を

   当てると告げると、歓喜の声が飛び交った。

 

 

 

 

「志乃ちゃん、元気回復したの」

 菜奈が目を潤ませながら、問いかけると、

「勿論、未だ体調は万全ではないが、濃姫になって輿に

 乗ることは出来るようで、

 当人も、途中交代した責任から、ラストは自分が

 努めなければならいとの思いを

 持っていたようだ」 

 秋山の言葉で、

 また泣き出す者が続出し、秋山も次ぎの言葉を呑み

 込んだ。

 

 

 

 

 隊列はすぐにも出来上がり、小夜の濃姫には沿道からの

 喝采が上がるたびに、小さな手を左右に振り、

 歓声に応えていた。

 

 

 

 

 菜奈は先頭の舞姫には想像もしていなかったようで、

 緊張の度合いが一目で分かる入れ込みが、

 型にはまらないようにとの秋山の言葉も上の空で、

 足取りも軽く、華麗な舞に酔いしれていた。

 

 

 

 

 いつの間にか、志乃が最終の平安神宮への参道を輿に

 乗って参加するとの噂話が飛び交っていた。

 

 

 

 

 これに合わせて、気のせいか、腰の浮いた観衆の動きが

 目立ち出し、席替わりが際立って来た。

 

 

 

 

 一行が河原町通から三条へと南下すると、

 既に情報が拡散したか、満席であったはずの指定席に

 空席が目立ち始めていた。

 

 

 

 

 菜奈の舞が明らかに目立ち始め、振りの切れの良さが

 素人でも分かり、

 歓喜の思いが突出し、秋山の危惧が出てしまい、

 少々、手に余るものがあり、何事も二つ良いことは無い

 ものと、半ばあきらめの境地になっていた。

 

 

 

 

 小夜の愛らしさにつられてか、

 隊列の動きに合わせ、客がどんどんコースに沿って先に

 進みだし、これでは平安神宮への参道は大変な

 騒ぎになっていることが気になった。

 

 

 

 

 三条大橋の所で、報道陣から橋込みの絵が欲しいとの要請

 があり、これに合わせた舞に菜奈が一世一代の

 華麗な舞を披露し、報道陣からも喝采を受け、

 身を震わせていた。

 

 

 

 

 輿に乗った小夜の濃姫もまた、

 愛らしい笑顔と人の気を反らさない、気配りに、

 狭い歩道に詰めかけた観衆からの声援が飛び交い、

 賑わいを盛り上げていた。

 

 

 

 

 もしかして、この日、一番の人気を呼んでいたのかも

 知れない。

 

 

 

 

 大橋を渡り切ると、広い道にあふれ出た観衆が警護班の

 制止を聞かず、舞姫の傍まで、よって、

 写真を取り出し、あちこちで小競り合いが発生し、

 秋山の怒りを呼んだ。

 

 

 

      古都の徒然 丸坊主の・・(笑)

 

 

 

 高校野球で丸坊主姿がいつの間にか、少しずつ減って、

 来て、今大会にはなんと、

 髪の毛を伸ばす学校が7校まで増え、

 その内、ここまで3校が勝ち上がり、これで、

 根性・気合を

 いれるのに丸坊主が一番との大きな間違いに気づいた

 結果かもと・・(笑)。

 

 

 髪に何の影響も無いのが、当たり前になるでしょうね。

 

 

 

 思い起せば、

 高校は戦後まもなく新・高校制になって生まれ、

 新たに野球部が生まれ、

  ※剣道は認められず・・・

 全国大会が開かれるようになり、

 その出場選手は頭の構造が丸見えの姿になっても

 そのまんま、

 戦後から78回まで続いて来たもので、

 我が国の国民がこの高校野球に惹かれ、その盛大さは

 言葉に表せないほどの人気を呼んで

 きたものです。

 

 

 

 

 しかし、近年、観客の数は明らかに減少していて、

 野球部員数も、がたヘリで・・

 いずれ、他の競技と同じく、チーム編成で悩む学校も

 出て来るでしょうね。

 

 

 

 でも、

 大谷のような選手が出て来て、人気を集めれば

 野球は永遠に

 不滅かどうかわかりませんが・・(笑)。

 

 

 

 

 胸の内では慶応に・・と(笑)。

 ダメならまた、育英が取って東北の心意気を

 見せてくれると、嬉しいですね。

 

 

 

 

 それにしても、この暑さは何なんでしょうね。

 

 

 

 

 選手が熱中症で運ばれないことを本当に心配している

 のですが・・