古都のブログ小説 京の鐘903

 

 

 

  穂香を残して、秋山が列に戻ってすぐ、街流しの体列の

  先頭を舞う姫を奈菜に任せ、

  濃姫に小夜を当てた。

 

 

 

 

 奈菜は目の色を変えて全身で喜びを表し、

「穂のちゃんの為にも頑張ります」

 珍しく頬を紅潮させ、大きく肯きかえした。

 

 

 

 

 小夜は元々予定していたことで、何気に引き受け、

   早速、輿に上った。

 

 

 

 

 ここで、ラストの平安神宮への参詣する濃姫に志乃を 

 当てると告げると、歓喜の声が沸き上がった。

 

 

 

 

「志乃ちゃん、元気回復したの」

 菜奈が目を潤ませながら、問いかけ、

「勿論、未だ体調は万全ではないが、濃姫になって輿に

 乗ることは出来るようで、

 当人も、途中交代した責任から、ラストは自分が

 努めなければならいとの思いを

 持っていたようだ」 

 秋山の言葉で、また泣き出す者が続出し、秋山も次ぎの

 言葉を呑み込んだ。

 

 

 

 

 隊列はすぐにも出来上がり、

 小夜の濃姫には沿道から喝采が上がると、小さな手を

 左右に振り、歓声に応えていた。

 

 

 

 

 菜奈は先頭の舞姫には想像もしていなかったようで、

 緊張の度合いが一目で分かる入れ込みが、

 型にはまらないようにとの秋山の言葉も上の空で、

 足取りも軽く、華麗な舞に酔いしれていた。

 

 

 

 

 いつの間にか、志乃が最終の平安神宮への参道を輿に

 乗って参加するとの話が飛び交っていた。

 

 

 

 

 これに合わせて、気のせいか、腰の浮いた観衆の動きが

 目立ち出し、席替わりが際立って来た。

 

 

 

 

 一行が河原町通から三条へと南下すると、既に情報が

 拡散したか、満席であったはずの指定席に

 空席が目立ち始めていた。

 

 

 

 

 菜奈の舞が明らかに目立ち始め、振りの切れの良さが

 素人でも分かり、

 歓喜の思いが突出し、秋山の危惧が出てしまい、

 少々、手に余るものがあり、

 何事も二つ良いことは無いものと、半ばあきらめの

 境地になっていた。

 

 

 

 

 小夜の愛らしさにつられてか、隊列の動きに合わせ、

 客がどんどんコースに沿って前に進みだし、

 これでは平安神宮への参道は大変な騒ぎになっている

 ことが気になった。

 

 

 

 

 三条大橋の所で、報道陣から橋込みの絵が欲しいとの

 要請があり、

 これに合わせた舞に菜奈が一世一代の華麗な舞を披露し、

 報道陣からも喝采を受け、

 身を震わせていた。

 

 

 

 

 輿に乗った小夜の濃姫もまた、愛らしい笑顔と人の気を

 反らさない、気配りに、

 狭い歩道に詰めかけた観衆からの声援が飛び交い、

 賑わいを盛り上げていた。

 

 

 

 

 もしかして、この日、一番の人気を呼んでいたのかも

 知れない。

 

 

 

 

 大橋を渡り切ると、広い道にあふれ出た観衆が警護班の

 静止を聞かず、舞姫の傍までよって、

 写真を取り出し、あちこちで小競り合いが発生し、

 秋山の怒りを呼んだ。

 

   

 

      古都の徒然 ここは何処?

 

 

 

 昨日、台風のため、外出を控えていたので、

 久しぶりに街へ出て、その混雑ぶり、びっくり!

 

 

 

   平日なのに、寺町京極や新京極も人で満タン?

   どうして、こんなに人が多いのかさっぱり分からず、

 

 

 

 更に、外国人がやたら多く、ここは日本?

   と、思えるほど外人街にみえるのは・・なぜ?

 

 

 

 新幹線の遅延とは関係ないと思いますが、京都は何処の

 国なのと問いたくなるほどの混雑ぶりに

 完全にお手上げで・・

 

 

 

 そういえば、最近の外国人の多くは家族旅行で、

 小さな

 子供を抱いた方もいて、凄いことになっているのです。

 

 

 

 勿論、日本人も家族旅行の方が多く、京都も随分と

 変わったもので・・

 

 

 

 あっ、それと私の行きつけの日本食の店では

 空き椅子がないので、待ち時間があって、仰天です!

 

 

 

  こんなこと、かつては一度もないことなのに・・

 人気が高いのも悪くはありませんが、

 食べ物店に旅行客が入って、混在し、もう、何処も

 人で溢れているのにはさすがに閉口!

 

 

 

  早く、

 いつもの、のんびりした京都に戻って欲しいもので・・

 でも、当分、無理かも・・( ;∀;)。