古都のブログ小説 京の鐘902

 

 

 

 ところが、あれほど自己流での演舞に拘っていたはずの

 穂香が、秋山から

「全体のお手本にならなきゃダメなのに、いつまで自己流に 

 拘るのか。もし、このまま、私の指示に従わないなら、

 列から外れてもらうが、いいのか」

 幾分、声を落としての指示に、何も反論も無く、

 素直に引き下がった。

 

 

 

 

 これには、肩に力が入っていた秋山も唖然として、

 暫く声もなかった。

 

 

 

 

 固唾をのんで見守っていた、奈菜や彩など幹部連も、

 あまりのあっけなさに、声も無く、

 穂香の思いが何であったか分からないままに、

 街流しの混乱は直ちに収まった。

 

 

 

 

 本部前に有った救急車が消えていて、志乃が間違いなく、 

 府立医大に運ばれていて、

 ここにはいないことが明らかになった。

 

 

 

 

 ここで10分の休みを経て、元の先頭に菜奈に代わって

 穂香がつき、各大学の幹部はこれまで通り、

 自分の所属大学の先頭に立ち、舞始めた。

 

 

 

 

 今回は流石に穂香の先陣はお手本通、素直な振りに

 変わり、地方衆も彩や恵や小夜なども、

 のびのびと舞い、観衆からの盛大な拍手に、

 気をよくしていた。

 

 

 

 

 穂香の幾分、寂しさが滲む舞に、警護の山田康則が気を

 つかい、何気に言葉をかけてみたが、

 いつもの穂香に似合わない虚脱状況の返しに腰が引ける

 ほど、驚かされた。

 

 

 

 

 輿の上から先陣を切る穂香の窶れ切った舞い方に、

 秋山の胸が痛んだ。

 

 

 

 

 多分、秋山の指示とはいえ、全面的に否定された穂香の

 思いを寸借したのだ。

 

 

 

 

 取り巻く菜奈たちの目に怯えたようで、

「少し厳しかったな」

 駒を揃えて並ぶ、康則に声をやると、彼も「想定外で

 内心、穂香を傷つけたか、気になります」

 との返しに秋山も同意の意味で大きく肯き返した。

 

 

 

 

 先陣を切る穂香の舞が急に大人しくなったことで、

 マニア的なフアンは口々に

「なんかあったか」

「もしかして、穂香ちゃん、泣いているのでは」

 などの声も交錯し、事実、穂香は必死に声を忍ばせたが、 

 それでも、

 ぽたぽたおちる涙に、唇を強く噛んだ。

 

 

 

 

 何より、秋山の言葉より、仲間と思っていた幹部連の

 無言の注視が一番、応えたようだ。

 

 

 

 

 まさか、皆が顔を揃え、穂香の様子を見守っていたが、

 明らかに穂香への批判に見えてシックを

 受けたのだ。

 

 

 

 

 気づかなかった自分が一番、あかんかったことは

 何よりのことで、

 突然、疲れがどっと溢れ、足元が縺れ、あっという間に、

 地にどっと倒れ込んだ。

 

 

 

 

 回りにいた子たちが悲鳴を上げた。

 輿に乗っていた菜奈も仰天し、列を止めるのに必死

 だった。

 

 

         古都の徒然 

 

 

 

 昨日は未だ金曜なのに、町中が人で溢れかえり、

 何かしら、お盆の先取りのような

 浮足たった人の動きで、活気が生まれ、少し心が浮くよう

 な気がして足取りも軽かった。

 

 

 

 何度も言いますが、京は賑わってなんぼの街なのです

 から・・

 

 

 

 食事も結構久しぶりお店で取りましたが、

 今回はなんとなくスームスに進み、なんとなく、調子が

 良い気分で・・

 

   

 

               閑話休題 女子サッカーW杯惜敗・・

 

 

 

 昨夕のサッカー女子W杯で残念ながら我が国は強敵

 スェーデンに

 2-1で惜敗し、もったいないなーと思わせるシーンも

 たくさんあって、悔しさも・・うっ( ;∀;)。

 

 

 

 それでも常に、フェアープレイーに徹した我が国の選手

 たちに喝采を贈たいと思います。

 

 

 

 相手チームの卑劣なシーンが随所に見られ、

 アンフェアー

 がないだけ日本の勝と評したいと思います(*^-^*)。

 

 

 

   決定的なアンフェアと言われるMFの長野のシーンも

 流れから来るもので、

   せめて警告くらいに考えても

 いいのではとも・・

 と、書いてやはり私は甘いなーっとも思いますが

 どうしても

 自国の選手には甘くなって普通だと・・(笑)。

 

 

 

 でも

 あの子のベンチ前で蹲る思いを寸借すると気の毒で

 ならず、スポーツってホントは

 とても残酷なものだ、改めて再認識させられた

 もので・・

 

 

 

 それにしても、ラスト・チャンスのPK植木の失敗では

 色んな選択しがあったかと思いますが、

 よりにも、

 よって、もっとも難しい方法を取ったのだけは

 少し違和感が残りましたが・・

 

 

 

 しかし、それでも、植木を責められません。

 点取りのための最大の見せ場だけであったために、

 相当の圧があったものと思います。

 

 

 

 しかも、あの場合は監督も、

 誰もが指示が出せないもので、選手に全て任せていた

 はずで・・

 負ける時って、ああしたほんの1インチの誤差から

 生まれるものなのですし・・。 

 

 

 

 それにしても、実力的には11本のシュートを放った

 日本は

 決して容易く敗戦したわけではありません。

 

 

 

 むしろ

 伸びしろがあるだけ将来が楽しみともいえるのです。

 

 

 

 なので

 来年のオリンピックでの活躍が期待されるところです。

 

 

 

 久しぶりにサッカー付けになり、

 深夜のスポーツ番組を見るまで眠られない一夜で

 ありました。

 

 

 

 日本選手、心からあなた達にあらためて喝采を贈ます。

 ありがとう、日本選手たち(__)