古都のブログ小説 京の鐘899
一行が烏丸からお池通に入ると、お濃役を菜奈が引き
継いだ。
穂香は菜奈に代わるのに、中々、腰を上げようとはせず、
康則が穂香に交代を勧めたが愚って何かと
言い訳をして、お濃役を手放そうとはしなかった。
穂香にとって、お濃のように有名人物になることなど、
一生を賭けても、早々に当たるはずもなく、
拒んだが奈菜から
「せんせ、からの命令を穂香ちゃんは、あくまで拒み続ける
つもりなの」
幾分、強く言い渡すと、しょんぼりして、肩を落とし、
輿から渋々身を引いた。
また、輿の横で歩き始めたが、暫くは涙を零しながらの
巡行であった。
遠い客席から
「穂香ちゃん、長の道中、ご苦労様」
との労いの言葉を耳にすると、目を赤くしたまんま、
手を振りながら、
「ありがと、輿に乗っての道中、楽しかったよ」
相変わらずの変わり身の早い穂香らしく、
けっろと態度を変え、あちこちから上がる拍手と
笑い声が追いかけて来ると、
懲りない穂香は両手を頭上に広げて、手を振り尚も人気を
持続をしようとしていた。
その間、
奈菜は穂香の勝手な振る舞いを持て余していたが、
いつの間にか、静かになった穂香の振る舞いに、
ほっと安堵の吐息を漏らした。
菜奈は志乃が急病で倒れ、急遽大役のお濃役になると、
庶民的な穂香のお濃と違って、
あくまでも、淑やかに振る舞い、それなりの拍手にも
快く、笑顔で手を振り返し、
応分の人気を獲得し、穏やかに流れに沿って、
粛々と歩を進めた。
市役所前の観覧席には保育園児や幼稚園児などが、
揃い踏みし、
せんせから教えられた声援を繰り返し、志乃も思わず
頬を緩め、園児たちへ
「ありがとう」
との感謝の言葉の連発で、仲良く交遊を楽しんでいた。
一方、穂香は声のかかった場所近くへ走って行き、
笑顔満載で手を振るので、
この時、この日一番の人気者になったようだ。
この後も、
穂香の人気は志乃に次いで大きく、感銘深い時代祭り
参列となった。
列が御池通りから河原町通へ入る所で、
お濃役を小夜が勤め、小顔で小さい姿が可愛いとあって、
何処でも
「小夜ちゃん、小夜ちゃん」
の呼び名が繰り返され、穂香を悔しがらせた。
小夜は性格なのか、なにかしら、ワン、テンポ遅いので、
観衆からの声の速さに、ついて行けず、
笑いも誘った。
確かに、二人はこの後も、京・新・おわらの無くては
ならぬ舞姫となっていた。
古都の徒然 時代祭りの!(^^)!
私が13年前に、この幼稚なブログを立ち上げてから
何かを、見つけ出すことは出来ませんでしたが、
その代わり、
私の身代わりのように、
次々と新しい発見が生まれ、いつか、きっと
何かを発見することが出来たら、これ以上の幸せが
ないのではと思うのですが・・。
今は未だ、体調不良の日が続き、なにかを見出す
気力が生まれず・・
でも、何かしら、私の前途にも、
微かですが、
明るい兆しが咲き誇っているような気がするのです。
それと、
毎回、言っているのですが、
私の原稿の初版はとにかく、言葉の使い誤りや、
語彙の解釈にも問題が有り、
なので、
私の作品の完成品はラストの日の原稿が一番気に入って
いるのです。
それでは、いつかまた、自慢できるような日が来るなら、
その日がもっとも嬉しいものになるかと
思います。
ですが、同じ人が二度も同じ役をするのは
いけないとのこうもあって、
まずは
これも無理な話かと思います。