更新原稿
古都のブログ小説 京の鐘895
志乃の控えめで、それでいて、
確かな手ごたえを感じさせる舞の切れの良さが素人でも
感じさせる表現力の奥の深さが見る者の目と心を
惹きつけるものがあった。
同じ舞でも、
志乃と穂香との違いが歴然と現れ、愛くるしい穂香の
舞は、背の丈と同じように子供のような無邪気な
舞が、お年寄りらの目を惹きつけていた。
菜奈の舞は正確さでは一番で、舞に余裕が無いのは、
型にこだわりが強く、
評価しずらい舞ではあったが、それでも、観客席から
盛んに声援が跳んでいた。
まさに三者三様の舞の競演はこの日、一番の見物(みもの)
であった。
前半は皆が慎重に待っている為、これが効いていて、
脱落するものはいなかった。
センターの志乃が、締めの合図のように、
前方から南に向かって軽く舞い、手数を掛けず北へ向き
直り、最後の〆に入った。
秋山は志乃の優雅な舞の旨さに酔っていた。
何度見ても志乃の舞の品格は何処でも崩れず、
まるで、舞の神がこの地へ舞い降りてきているような
錯覚さえ覚えたものだ。
だが、暫くみていると、
何かしら、志乃の光沢が薄れていくような不安を
抱かせる気がして冷や汗が出た。
♪ あなた来ぬかと、爪先立てて、
二百十日の 風の盆
ほど良い頃を見測り、
乙な台詞が唄われると客席から よーっ、とか、益々
など相方の声援が弾んだ。
早くも恋模様を歌う歌詞が登場すると、客席からの
素早い反応が続いた。
ここで、それまで西方へ向かって待っていた志乃らが
東放への身を切り替えた。
間奏の最中に左右が入れ替わった。
志乃が舞っていた西舞台のセンターにN大の小夜が入り、
サイドにD女大の彩とK女大の恵が付いた。
サイドは今一だが、小夜の旨さが際立っていて、
東席から大歓声が追っかけて来た。
やはり、客席も舞の優劣が分かる吾人がいるようだ。
小夜は小さな身を大きく反らすと、弓が張ったような
綺麗な舞の手筋に客席は沸きに沸いた。
小柄な穂香も、
小夜と同じく愛らしい顔つきも親しみが持て、
フアン層も似ていて、
何方も負けず、応援合戦に似た歓声が交互に飛び交って
いた。
そんな中、
志乃が東に向いて軽く流すつもりが、傍にいる穂香と
小夜の贔屓筋の声援合戦に誘われてか、
少し無理な姿勢も省かず、生真面目に振り付け道理の
舞に打ち込んでいた。
秋山はこのままでは、志乃に異変が起きる可能性が
あるかと不安が募った。
「志乃、今少し手を抜け、無理は禁物ぞ」
秋山の声が聞こえたか、志乃が息苦しさを必死に
耐えながら、膝から崩れ折れた。
古都の徒然 7月6日、悲劇が(-_-;)。
昨日、
わたしのバースデイに素敵な方が顔を出す予定でしたが、
なんと、
前日の夜に親戚の叔母さんが亡くなられて
通夜の準備に、
今から帰宅するとの話に
それは当然のことで、お悔やみと同時に、こちらを気に
しないでいいからねと言って
電話を切ったのですが・・・
こんなこと、現実にもあるのですね。
実際、
うちの母もまた、前日に何も問題はなかったのに
深夜になって危篤の知らせに
仰天し、猛スピードで病院へ飛び込んだもので、
そんなことも、本当にあるのです。
なので、結句、感情的にはならず、
葬儀後、詰めかけた人が去って行くと同時に、
せりあがる悲しみに、
体中の水分があふれ出たかのように涙がとまりません
でした(-_-;)。
とりあえず、今年も、わたし一人で、自由席で
祝膳を堪能し、
一人寂しく、店を後にしたもので・・
そして、今日は七夕の日です!(^^)!。
毎年、竹竿を展示して、短冊に自由に書いてもらう
イベントがあったのですが
今年はないので、来月に延期したのかもと・・
あれは
夢の世界を描いた日本には珍しいラブコメなので
人気があったのですが・
もし、中止なら残念です。
でも何より良いのは今日が快晴なので、
良かったです!(^^)!。
彦星と織女との1年に一度の再会の日に合えないのは
可愛そう過ぎて辛いので、
夜降らないことを祈るばかりです!(^^)!。