更新原稿

     古都のブログ小説 京の鐘880

 

 

 

 いつもなら、秋山の姿を見つけたら、誰よりも早く、

 跳んでんで来るはずだが、その時は何故か、

 ゆっくりと足音もたてず、やって来て、息苦しそうに

 眉を顰めた。

 

 

 

 

「大丈夫か、額に汗をかいているが・・」

 

 

「そんな、大それたことはありませんが」

 

 

「だが、少しは息遣いが荒いだろう」

 明らかに、今朝の様子と面立ちも緩く、何かしらの

 シグナルを放っていたのかも知れない。

 

 

 

 

 念のため、秋山は看護師と救命士を急ぎ、呼んだ。

 

 

 

 

「そんな大げさなこと、せぇへんでも、うちはうちを一番、 

 知ってますぅ」

 むきになる志乃の赤ら顔が色っぽく見えた。

 

 

 

 

「念のためだ。直にあの子らに測ってもらうのが、

 今の幹のお仕事だ」 

 秋山の少し語彙が強いのに気づいた志乃がそれ以上に

 逆らう姿勢を取らなかった。

 

 

 

 

 やはり、自分でも、体調がベストでないことは分かって

 いた。

 

 

 

 

 だが、それを今更言ってどうなるものではない。

 

 

 

 

 秋山の性格なら、一つでも、危険な要素が見えれば、

 即、退任解除へと結びつくはずだ。

 

 

 

  

 志乃は、もう、ダメかとジタバタするのを諦めた。

 

 

 

 

 看護師と二人の救命士が顔色を変えて跳んで来た。

 

 

 

 

 その頃、出番待ちを利用して穂香や奈菜らが固まって、

 何やら相談事をしていたようで、

 救命士らが跳んで来たことを完全に見失っていた。

 

 

 

 

 中には、それぞれが南門の壁を背景にしたり、小さな

 森を取り込んだりしてカメラを撮り合い、

 甲高い笑い声をあげて、

 はしゃいでいた。

 

 

 

 

 秋山が、こうした自由で伸び伸びした姿を見るのは

 いつ以来かと、少し懐かしさと共に、

 感傷的になる

 自分に呆れてもいた。

 

 

 

 

 志乃のひと指し指にパルスを取り付けた瞬間、

 あっという、 

 驚きの数字が飛び出し、悲鳴に近い声を立てた。

 

 

 

 

 なんと、初見で94と、考えられる数字の中で最も重い

 症状に気づくと、更に悲鳴が上がった。

 

 

 

 

 流石に、それまで賑やかに騒いでいた、穂香らが一斉に

 志乃の居場所を目で探り、

 特別臨時救急車の中へ眼をやった。

 

 

 

 

 秋山が何かを言っている様子がただ、ならぬ状況が

 すぐに知れた。

 

 

 

 

 声が出ないのか、幹部クラスの7人が全力で向かって

 走って来る。

 

 

 

 

 事態は更に深刻となり、志乃の病状が危険ラインに

 達していて、

 とても時代祭りに出演出来る状態ではない。

 

 

 

 

 秋山はある時点で覚悟を決めなければならないことを

 思い出し、愕然として、暫く声も

 出なかった。

 

 

  

       古都の徒然 死との・・

 

 

 

   昨日の平安神宮の記事は如何でしたか!(^^)!。

 

  

 平安神宮の花々はこの後、みな枯れて散ってしまうこと

 でしょう。

 なればこそ、花が美しく記憶に残るので、

 これが無常だからです。

 

 

 あんなに、美しかった花菖蒲も最盛期を過ぎれば日々

 散り急いで逝くのです。

 

 

 そして、

 また新たな花々が来苑者の目を和ませてくれるのです。

 

 

 これって、人間の世界も同じなのですよね。

 

 

 

 私も、

 近年、何かしらを感ずる日々が続くことがあります。

 

 

 

 これが大好きな母の願いなら、

 私も多分、喜んで母の所へ旅経ちます(笑)。

 

 

 母の亡くなった翌年に父が母を追いかけて逝きました。

 

 

 その日、夢から目覚めた父が、

 母がその窓に来て、

 無言でしたが、明らかに迎えに来たものと父は信じて

 いたのは幸せだったのでしょうね。

 

 

 父にとって母のいないこの世に未練がなかったのかも

 知れません。

 

 

 私も叶えられるなら、母の迎いで来世に向かいたいと・・

 と思いつつ、

 多分、まだ長生きしそうで、

 この夢物語は簡単に幕を下ろさない気がして‥(笑)。

 

 

  ところで、わたし、最近、変ですかね・・・

         実は死より私は認知症が怖い!

 

 

    でも、どっちも怖い!

  嫌だーっ( ;∀;)。