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     古都のブログ小説 京の鐘878

 

 

 

 9月はあっと言う間に過ぎた。

 

 

 

 

 それも、これも、初の試みの街流しの大成功が穂香や

 菜奈を駆り立てていたからだ。

 

 

 

 

 志乃は出来るだけ、静養に努めたが、それでも、

 練習日には必ず顔を出し、身を解していた。

 

 

 

 

 街流しの余波か、D大やD女大とK女大ともに

 新規加入者が激増し、

 本家のD大ではあっという間に、100人を越え、

 総数も軽く200人を超え、

 稽古日を実力によって4クラスに分けての稽古となって

 いた。

 

 

 

 

 他の二つの大学でも、それなりに増えたが、

 それまで、一時預かりで、K女大での稽古に参加して

 いた国立のN大でも、

 小夜がテレビなどの露出が増えるに従い、

 入門希望者が増えていた。

 

 

 

 

 この為、

 N大でも新・おわらの組織を作り、希望者を集めて

 稽古を始めていた。

 

 

 

 

 わずか3カ月で、新・おわら研究会が早計で500人近く

 に膨れ上がっていたのだ。

 

 

 

 

 京都で、D大の実質的な稽古が穂香と菜奈の二人が

 指導者になって教えていたが、

 あまりの増加の為、多忙過ぎて、新規の子たちは、

 先輩たちの稽古風景を眺めるだけの日々が続いていた。

 

 

 

 

 これを少しでも解消しようと、

 稽古を土日にも行い、各組の班長らが指導の手伝いを

 することになった。

 

 

 

 

 土日の稽古は家元の沙織子と沙緒の二人がD女大と

 K女大へ出向き、稽古に付き合ったが、

 やはり、効率の悪さに、入ったばかりの子から、

 退会者が増え、止めることも出来なかった。

 

 

 

 

 幸い、D大では退会者は一人もなく、日々熱心な稽古が

 続いていた。

 

 

 

 

 だが、ただ、いるだけで稽古を見るだけの子もいて、

 先行きの戦力にはならない子が固まっていて、

 穂香らが、

 「あの子たちは、唯、志乃ちゃんや、人気のある子らと

  一緒にいることが目当ての子らしく、

  始めから相手にしていなかった」

 と、何気に軽く言い放ち、信頼できるのは以前から

 いた120人の会員と新たに、

 その友達の30人ほどが、

 直接、稽古の指導がなくても、必死になって喰いついて

 来たようだ。

 

 

 

 

 菜奈も穂香と一緒に

 「あの子らに、落ち着いて、振り付けを丁寧に教えて

 あげたい」

 と、言っているらしく、秋山は秋の大学祭までは

 なんとしても、頑張って欲しいものと、半ば諦め半分、

 期待半分の思いで聞いていた。

 

 

 

 

 そんな時に、突然、京都から社に電話が入り、

 受話器を取ると、

 なんと10月22日の京都の三大祭りの一つ、

 時代祭りに、織田信長と妻の濃姫として、秋山と志乃に

 参加して、

 貰えないかとの話が飛び込んできたのだ。

 

 

 

 

 これは突然ではあったが、満更知らないものでは

 なかった。

 

 

     古都の徒然 時代祭りに・・

 

 

 

 京都の三大祭りの一つの時代祭りは総勢2000人もの

 人が出演する、最大の祭りです。

 

 

 

 ほかにも馬や牛も100頭は出ていて、

 出演する人は最高の

 晴れ舞台と、言っても良いもので・・(#^^#)。

 

 

 ところで、この祭りの出演者たちはどうして、選ばれる

 かと言うと、

 市内の各学区ごとに、出演する役が予めに決まっていて

 私の学区が受け持つ役は

 信長公上洛の図であったのです(#^^#)。

 

 

 

 そんなこととは何も知らないで、本番の半年前から

 連絡を受けて、準備に入るのです。

 先ずは乗馬の稽古です(笑)。

 

 

  

 わたしは乗馬は何度も経験していて、

 心配はいらなかったのですが、規定で稽古に行かねば

 ならないらしく、

 京都競馬場で乗りましたが、

 私のお馬さんはメスの白馬で、とても可愛い目をした

 優しいお馬さんで、

 私も逢った瞬間、一目で好きになりました(笑)。

 

 

 

 また、あの子もどうやら私のことが好きになったらしく

 とても素直に従ってくれ、

 何度も首筋などを撫でて、褒め湛えていたものです 

 (#^^#)。

 

 

 

 調教師が女性で

「この子は男の人が好きなので、何も心配はいりませんよ」

 と、言って笑っているのにはむっ!

 

 

 

 確かに、すかれているなーっと思ったのは

 挨拶して撫でてあげようとしたら、自分から顔をすりすり

 してくるのには

 流石に嬉しかったですね。

 

 

 

 また

 「この子は美男子が好きなのです」

 調教師が冗談か、本気か分か分からなかったのですが

 間違いなく、初対面で、

 好かれているなーっと思えたもので・・!(^^)!

 

 彼女は目が悪いのです。

 多分!

 

 

 

 馬は本当に人を見分ける才能は有ります。

   言葉もよく分かりますよ。

 

 

 

 なので、

 毎年、振り落とされる方が一人や二人はいるので、

 気をつけないといけません。

 

 

 

 現に私の後方の方はいきなり、お馬さんが棒立ちに

 なって振り落とそうとしたらしく、

 危うく酷い目に合う

 ところだったとのことで、

 びっくりはしました。

 

 

 

 うちの子は可愛いだけでなく、素直なので

 沿道から声がかかると、わたしも采配を振って、

 これを

 返したのですが

 愛馬はちっとも嫌がらず、こちらの意図を見抜いて

 素直に従ってくれたものです(笑)。

 

 

 

 あの日、私の愛馬が雌馬であったことが

 最大の成功でした(#^.^#)。

 

 

 

 だって、オスでは少し手こずりますから・・(笑)

 

 

 

 12年に一度の配役ですが、今年はうちではありませんが

 もう一度、オファーがこないかなーって

 思っていますが

 先ず、ダメでしょうね。

 

 

 

 でも、うちの学区で馬を乗りこなせる人は

 いませんので・・もしかしてと!(^^)!

 

 

 

 それまで、わたしが活きていればの話で・・(笑)

 残念!