古都のブログ小説 京の鐘866

 

 

 

 放送終了後、志乃は待っていた救急車に乗って府立

 医大病院へ向かった。

 

 

 

 

 残った菜奈たちは翌日の放送内容の打ち合わせの為、

 席についたが、軽く反省会を済ませた。

 

 

 

 

 格別、

 新しいことを決めることなく解散し、

 志乃の入院先へ見舞に行く手筈を取った。

 

 

 

 

 相変わらず、

 玄関口では出待ち組が目白押しで、

 いつも大学で逢っている子らまでが、

 詰めかけていて、穂香や菜奈らを呆れさせた。

 

 

 

 

 志乃は付き添って来た蒼汰に気を使い、

 病室に戻ると、

 早速、溜まった下着やハンカチ等の小物の洗濯を

 始めようとすると、看護師が跳んで来た。

 

 

 

 

 疲れ切っているのに、

 そんな雑事を自分で済ませようとする志乃に母の志保が

 来るまで手洗いを止めさせた。

 

 

 

 

 蒼汰も、さすがに何も手伝うことも出来ず黙って席を

 立った。

 

 

 

 

「あの子も年頃だから、わかります」

 志乃の言葉に大きく肯き、看護師らも部屋を出て行った。

 

 

 

 

 ほどなく、秋山や穂香らがどやどやとやって来て、

 冷蔵庫にある飲み物を取り出し、

「後で買ってくるから・・」

 穂香が志乃の返事も聞かず、勝手に飲み始めた。

 

 

 

 

「それじゃ、穂香、それを呑んだら、私のものと、

 皆の物を買って来てくれないか」

 秋山が小銭を手渡すと、小夜が穂香を誘って席を外し、

 売店へ向かった。

 

 

 

 

 志乃の洗濯ものに目にやった菜奈が

「それは、うちらがするから、姫は暫く、ベッドで

 休んでいて」

 との声に、はっとした志乃が顔を赤らめながら慌てて

 洗濯物を後ろに隠し、

「こんなの、うちには何でもないことなので、

 あまり気を使わないで」

 奈菜も、そこで気づき、それ以上は言葉を呑んだ。

 

 

 

 

 秋山は何も聞かなかったように首を横に振った。

 

 

 

 

 ほんの少しの空白の後、

「せんせ、ちょっとだけ、席を外してもらって、

 いいですか」

 志乃が消え入るような小さな声で秋山に退席を求めた。

 

 

 

 

 秋山も志乃の意図に気づき、黙って席を立った。

 

 

 

 

 志乃が着物を脱いで、病院服に着替え、べッドに入る

 手順であったからだ。

 

 

 

 

 通い慣れた秋山らしい手際のよい対応に、

 一同、揃って感嘆の声を漏らした。

 

 

 

 

 何もかもが、

 入院生活のいろはを呑みこんでいたからだ。

 悲しい事実でもあった。

 

 

 

     古都の徒然 米映画 心の旅・・

 

 

 

   昨日、BSプレミアムで見たアメリカ映画 心の旅には

 本当に心洗われる名作でした。

 

 

 

 本当はこれを取り上げたいのですが、未だに写真を

 乗せられないので、残念ですが

 軽く流す程度で見送りにすることしますが・・・

 

 

 

 ただ、ひたすら撃ちまくるアクション物や、

 バカ(笑)するだけの

 軽演劇風の作品など、どれにしても

 心に染み渡る感動作品には中々遭遇出来ず・・"(-""-)"

 

 

 

 今回は

 ハリソン・フォードの好演が何より作品の質の高さを

 際立たせているのも面白いですよ。

 

 

 

 最近はレンタルビデオ店てあるのですかね。

 こちらも

 以前は町の真ん中にまでありましたが、いずれも

 閉店し、100均に早変わりしてしまい・・"(-""-)"。

 

 

 

 

 以前は

 ビデオに録れなかった作品はレンタルで見直すことが

 出来て助かりましたが、

 今は、

 再放送なんて不可能に近く、本番を見逃したら

 もう、生きている内に見られるのは

 絶望かも知れませんから・・

 辛いだけです( ;∀;)。