古都のブログ小説 京の鐘860

 

 

 

 「せっかく、遠い所から上洛されたのに、もったいない

  ですよ。志乃姫ちゃんも喜ばれますよ」

  奈菜が尚も誘ったが、辞退の申し出に、

  無理をさせず、秋山がこれを引きとり、穂香に戻した。

 

 

 

 

  穂香はそれまで、

  自分の舞姿にほれぼれとしていて、肝心のコメントの

  下読みを忘れていたことに気づき、

  慌てて読もうとしたが、やはり焦った為か、

  なんと、コピー用紙をちぎってしまい、

  おまけに残った用紙を足元に落とし、あたふたして、

  繋ぎが旨くいかず、

  菜奈に続いて読んで貰うことにした。

 

 

 

 

  すると、半べそをかいた穂香が

 「せんせ、うちの用紙の元原稿を、もらうことは

  できませんか」

 「できないことはないが、そうすると、スタッフ全員に

  配らなきゃいけないので、少し時間がかかるから、

  待っていなさい」 

  か細い声で肯いた穂香の目からに、またあふれ出る涙が 

  頬を伝わって唇の所で何とか拾っていた姿に

  秋山もかわいそうになり、なんとかならないか、

  スタッフの方へ眼をやると、

 「時間が無いので、そちらにあるものを穂香ちゃんに

  あげてください」

  との指示で、

  志乃が残していったものを差し替え、穂香に渡すと、

  涙を啜りながら下読みを始めた。

 

 

 

 

  流石に秋山も、どうしようもない穂香の失策に

  舌打ちしたくなったが、

  なんとか我慢して、しっかり者の菜奈に指示を出した。

 

 

 

 

 「穂香君が準備をしている間に、君の方の予定原稿を

  読んであげなさい」

 

 

 

 「では、北海道の方のものですが、読んでみますね」

  奈菜が快活に応え、秋山の冷や汗がなんとか止まった。

 

 

 

 

 奈菜にあてて書いたコメントは中々しっかりとしたもの

 と知ると、サブデスクから

「学生さんからではなくて、相当ご年配の方のようです」

 との声が返り、秋山も、それを聞いてなぜか

 ほっとしたものだ。

 

 

 

 

「いつも、しっかり者の菜奈ちゃんの・・」

 と、言ってから、菜奈がハッとして口を閉じ、恥ずかし

 そうに顔を左右に振ってから、

 穏やかに言葉を繋げた。

 

 

 

 

「静な物言いが大好きな、おばさんです」

 奈菜を喜ばせる決まり文句に、

 更に恥じらう菜奈に会場のあちこちから小さな声で

「菜奈ちゃん、頑張って!」

 との励ましの声が散発した。

 

 

 

 

 奈菜が更に身を竦めながら、言葉を繋いだ。

 

 

 

 

「志乃姫ちゃんに無理をさせてはかわいそうだから、

 菜奈ちゃんに頑張ってもらわないと」

 と、言ってから、ひと息、呼吸をおいて菜奈が秋山の

 指示を待った。

 

 

 

 

「そのまま読み切っていいから」

 との声に応え、菜奈が更に続けた。   

 

 

 

       古都の徒然   WBC雑談・・・

 

 

 

 今年の春は過去、

 記憶が無いほど野球に惹かれていて、

 もう、毎日が

 野球漬けになりそうな日々に、我ながら呆れているの

 ですが・・(#^^#)

 

 

 

 

 何しろ、

 世界に野球を楽しむ国がこんなにも多いとは

 まったく知りませんでしたので・・(笑)。

 

 

 

 

 チェコやイタリアなどのヨーロッパや

 中南米に隣国の中国なども驚きましたが、チーム監督に

 アメリカ人が付いていて、

 何年かすると、

 強敵になりそうな感じがして、驚くばかりで・・(笑)。

 

 

 

 

 そんな中で、

 何と言ってもサッカ-王国のイタリアが予選を

 突破して

 出場しているのにも仰天しましたが・・(#^^#)。

 

 

 

 

 我が国との戦いで、まさかの事態になった、

 あの佐々木投手の死球には流石に、びっくり仰天!

 

 

 

 

 もっとも、

 佐々木君の160キロの超高速の球をまとも喰らった

 イタリア人の立ち上がりの速さにも

 驚きましたが、

 その後のエピソードの数々に世界から日本への

 暖かい声が相次ぎ、

 嬉しくなったのも初めての経験で・・

  

 

 

 

 佐々木投手は死球を与えた直後はどうしていいのか

 分からなかったようですが、

 局面が変わった時に、何気に相手に帽子を取って

 会釈をしたのも新鮮で、

 そのあと、

 直接会って謝罪する姿も初々しく、礼儀の国の日本式に

 驚いたらしく、

 日本株の上昇のきっかけになったように思えます(笑)。

 

 

 

 

 更に驚いたのは、佐々木投手が翌日、ロッテのお菓子を

 たくさん持って詫びに行った話などが

 漏れてくると、

 佐々木君の誠実な対応に感心するとともに

 当てても絶対

 詫びないアメリカ式の解決方法は

 心に、わだかまりが生じやすく、あの習慣はあまり

 感心しません。

 

 

 

 

 更に驚いたのは

  アメリカの現役の記者の二人が

 今回の優勝国は日本だとの解説に、唖然!

 

 

 

 

 こんな予想が一人歩きすると、その反動が大きくて

 困ることにならないと良いのですが・・

 さて

 どうなることやら、

 

 

 

 

 我が国は伝統的に中南米に弱く、明日のメキシコ戦が

 良い見本になるかも知れませんね。

 

 

 

 

 もし

 決勝戦の相手がアメリカを破ったキューバなら、

 もっと難しい戦いになりそうで

 今から余計な予測で

   夜も眠れず・・(笑)。

 

 

 

 

 そして、

 我が国にとって、平和の大切さを忘れるのが

 とても困ります( 一一)。

 

 

 

 

 戦いはスポーツだけにして欲しいですね!(^^)!。