古都のブログ小説 京の鐘859
看護師が志乃の人指し指に、これを取り付けた。
一瞬の間があった。
覗き込んでいた救命士が指から引き抜いた。
秋山が駆けつけて来て計器を受け取り、数字を確認した。
96で、ぎりぎりの正常値であった。
富山市八尾の西新町の男性だけの力強いおわらの舞
と言っても、ここが正常値の底なので、
ここで無理すれば、ドクター・ストップとなるので、
際どい数値ともいえる。
このパルスオキシメーターは入院経験がある方なら、
ご存じかも知れませんが、
血管の中にある酸素の溶解度を図るもので、
この数値が沈んて行くと、
危険ラインに入り、
応急手当では素マスクが必要となります。
コロナ全盛時には保険所から借り出していましたが、
あっという間に数が足りなくなり、
大騒ぎとなったものです。
特に心臓疾患がある方は毎日測定が回診の際に
測るので、
志乃も携帯していたが、街流しの折に、
理事長宅に置いて来たので、手持ちが無かったが、
看護師と救命士は常に携帯していて、
素早く測ることが出来たものだ。
まだ正常値範囲内だが、気を付けるに越したことは無い。
秋山が素早く、志乃を抱き上げ、特設舞台から降りて、
迎えに出て来たストレッチャーに乗せ、
医務室へ運ばれて行った。
CMに差し替えられていた時間も過ぎていたので、
映像を止めて、
すぐ視聴者から届いたコメント紹介にうった。
穂香に届いていた横浜の常連さんから
「昨夜、初めて見た志乃姫様の歌謡日舞の美しさに、
見とられ、
半分以上嗚咽していて舞が見られなかったので、
良かったと喜んだ途端、
体調を崩していると知り、また、胸が痛みます。
志乃姫様の様態が良くなりますよう、祈っています」
穂が読み上げると、
同時に賛意を込めた拍手が贈られた。
次いで、菜奈が選んだコメントを紹介する寸前に、
投稿者が会場にいる東京からやって来た
学生と知って
「東京の志乃姫ちゃんのフアンさんが、この会場に
おられるようですが、手を上げて頂けますか」
との声に従って、後方の立見席の一列目にいた
可愛い女の子が、おずおずと手を
上げた。
羨ましさと、憎らしさが入り交ざった拍手と歓声が
上がった。
「では今から読みますね」
奈菜の言葉に身を捩って
「あの、恥ずかしいので、読まないでくれると
嬉しいのですが」
なんとコメントの読み上げを辞退する旨の言葉に、
会場からとんがった、どよめきが渦を巻いた。
古都の徒然 その後のマスク着用率は・・
マスク着用の有無は個人の判断にお任せという
奇妙な
政府の発想は当初の見込みより、着用率は未だ
高かったようです。
殊に、交通機関の多い地域で91%と、着用率が
かなり高く、
商店街では86%と
予想範囲内であったのかも知れませんね。
もっとも、
京都ではやはり、観光地ゆえなのか、寺町通や新京極
通では
私の実感で、マスクを着用していない方が
ほとんど見られず、
95%はマスクをしていたかと思います(#^.^#)。
殊に、
観光客の着物派は完全にマスク派が圧倒的に多く、
マスクを
着用していない派は何処にいたかと
思えるほど、ほとんど姿が見えませんでした(笑)。
非着用派は地元の方が圧倒的で、
旅行者は完全に
マスク派が多かったように感じましたよ。
元々、マスクを着用していても、
お年寄りはマスクが垂れ下がった使いふるしたもの
で、鼻からはなれ、マスクの着用の意味が
ないものが多く・・(笑)。
今も毎日、コロナの死者が出ていますが、
その多くはお年寄りなのに・・
話は変わりますが、
お孫さんの手をひいて、大通りで信号を無視し、
どうどうと、横断する方もいて、
今も変わらぬ、お年寄りの頑固さが見え、
がっかりです。
これ、もしかして、関西の反骨?気風かな?(苦笑)