古都のブログ小説 京の鐘838

 

 

 

 ここで、お迎えを受けていた店からの案内で、休息を

 とる者も出た。

 

 

 

 

 わずか、数分のことであったが、とりあえずは秋山の

 賭けは成功したと思い込むことにした。

 

 

 

 

 この間、河野は目を丸くして、言葉を失っていたように

 固まっていた。

 

 

 

 

 これからが、またひと波乱がありそうで、秋山は鉢巻き

 でも巻きたい気分でもあった。

 

 

 

 

 それにしても、

 男子学生たちの団結力と腰の低さに、部活で覚えた

 謙虚さが生きているのが目に見え、

 彼らに一声、掛けたい思いが

 疼いていた。

 

 

 

 

 中には体力だけの者もいたが、少なくても、

 縁の下で働く喜びが感じ取れた。

 

 

 

 

 だが、彼らが世話をするのが、若い女の子であること

 だけは差し引いておかないと、

 滑る可能性があり、気を引き締め直した。

 

 

 

 

 CMの終わりが告げられると、

 列から離れていた舞姫たちが、ぞろぞろと元の位置に

 戻りについた。

 

 

 

 

 三味太鼓の音響が入り、胡弓が悲しげに泣いて

 聞こえる。

 

 

 

 

 二列の舞姫たちが相互に立ち位置を変え、観客らから

 拍手と喜びの声が相次いだ。

 

 

 

 

 穂香の力の入った舞はおわらには珍しい強い振り手や、

 背を大きく反らす振り付けはなかったはずで、

 相役の菜奈や小夜を困惑させた。

 

 

 

 

 きれいに交換を終えると、舞台体系となり、

 見守る観客が息を潜ませ、

 見つめてくる。

 

 

 

 

 穂香は絶好調に舞狂い、観客を惹きつけて離さない。

 

 

 

 

 こうした舞台で穂香は毎回、得意絶頂で自由自在の

 舞を見せ、心地よい拍手に自ら酔っていた。

 

 

 

 

 何度注意しても、

 振りを自在に変えてしまうそうだが、新人を惑わす

 突発的な舞の振り付け変更は許されて

 いないのだが、一向に役に

 立たない。

 

 

 

 

 こうした穂香の一人舞が観客からの盛大な拍手を

 生み出し、

 家元の沙織子や筆頭師範の沙緒を苛立たせている

 のだが・・・。

 

 

 

 

 秋山も機会を得て、しっかり注意をするつもりだ。

 

 

 

 

 そうすると穂香は大袈裟な泣きを入れ、

 観光客からの支援を背に、押し切るので厄介なのだ。

 

 

 

 

 何事でも、素直な穂香なのに、即興の振り付で、

 見せ場を作り、

 一人舞のように大胆な振りで、観客を惹きつけるのだ

 から始末に負えない。

 

 

 

 

 こうして即興の振り付けに振り回される菜奈たちは

 困惑し、

 志乃からの注意が出るのを待っているのだが・・

 

 

 

 

 秋山から注意をしないと、勝手な振り付け変更が

 認められたものと、

 思い違いをする者が出ては大きな迷惑となるのだが、

 穂香は一向に直さないのだ。

 

 

 

 

 なぜか志乃からの注意が未だないのが辛い。

 

 

 

    古都の徒然 怒らないバレー大会・・

 

 

 

 今回は新聞記事をもとに少し考えを述べてみますね。

 

 

 

 

 元女子バレー日本代表の益子直美さんの

 少学生を対象とした

 「監督が怒ってはいけない大会」を開いた理由から、

 書き始めます。 

 

 

 

 

 益子さんの体験から、失敗するたびに、

 監督から叱られたり、往復ビンタを21連発された

 経験から、

 試合中、監督はミスする子供たちに声を荒げるのは

 ご法度にしての大会を

 これまで、7年も継続してきたものです。

 

 

 

 

 小学生は未だ生まぬるいものでしたが、中学生からは

 暴力が公然とされていて、

 見ていても、

 怒りが沸き上がるほど過激で・・・

 

 

 

 

 嫌な試合を取材中、何度も見てきて、

 バレーの試合取材は

 なるべく取り上げないことがあったほど過激なシーンが

 毎回のように繰り返され・・・

 

 

 

 

 それも、高校の有名校が特にひどく、

 見ている家族からの抗議の声が上がらなかったことも

 異常なことで・・

 理解できないことばかりが継続され・・・

 

 

 

 

 益子さんほどの方もそんな体験をしていたなんて 

 始め知りましたが・・

 

 

 

 

 道理で、

 スパイクが得意の可愛い笑顔が人気を呼んだ子が

 突然、姿を消し、

 どうしたことか、尋ねても誰も答えてくれないことが

 続き、

 わたしも、その頃になってようやく気付いたものです。

 

 

 

 

 それと言うのも

 練習中の取材では一度も声を上げなかった監督が

 私たち取材クルーが姿を消すと、

 蛮声を張り上げ、報道では絶対NGの禁止用語

 が連発され・・

 

 

 

 

 それは酷いものでした(-_-)/~~~ピシー!ピシー!

 

 

 

 

 以後、国体やインターハイで

 私が取材する際は、暴力を通常的に振るう高校は

 極力外し、

 戦力的に劣る高校ばかり取材し、一時、

 当高と冷戦状態に

 なったことも・・( 一一)。

 

 

 

 

 プロ野球では国際大会のベンチ内で、

 俺の顔をつぶす気か・・と

 なぐり続けた男は大嫌いな監督の一人でした。

 

 

 

 

 そんな、思いを吹っ飛ばすような

 益子さんのバレー競技で監督が怒ってはいけない

 大会が生まれ、

 今日まで7年も継続しているのは暗闇の中の一筋の

 灯りであって、

 このような正常な大会が

 もっと、もっと、盛大な大会になってくれることを

 祈るばかりです。

 

 

 

                  頑張れ!   益子さん!

 

 

 

 ※参考文献 朝日新聞の12.22夕刊の一語一会参照