古都のブログ小説 京の鐘835

 

 

 

 ここで、拍手を打ち止めにし、16人の舞姫たちは、

 おわらの舞の見せどころを、しっかり抑え、

 客席で息を呑んで見守る観衆の思いを受け止めていた。

 

 

 

 

「せんせ、何か言わなくても宜しいのですかは・・」 

 わずかひと月で、

 これほどの舞姿を見せつける子らから、

 ある種、

 羨望に似た感情を抱かせるようになったかと、

 秋山は時の流れに追い越されている自分が唯の傍観者に

 なっているのに気づき、愕然としていた。

 

 

 

 

 そんな時、自社アナの佐和が遠慮きみに口を挟んだ

 ものだ。

 

 

 

 

 秋山も、

 さすがに咄嗟に気の利く言葉が思い浮かばず、

 少々狼狽えた。

 

 

 

 

「君の思った通りでいいよ。何でも言って御覧」

 立場を忘れて見惚れていた自分に冷や汗をかかせた

 佐和の顔も見ず、ぼそっと声を出した。

 

 

 

 

 佐和がその顔が可笑しいとでも言いそうな目で

 密かに口を利いた。

 

 

 

 

「何度見ても、おわらは飽きが来ませんね、

 あの猛暑の五山送り火の夜のおわらの舞が、今は随分と

 遠い昔のように懐かしく思えます。

 気のせいか、舞姫の皆さん、随分と上達した感じが

 致しますが・・」

 旨い繋ぎと佐和に喝采を贈りたい思いだった。

 

 

 

 

「時のたつのも早いものだ。この子達の舞姿を見ていると、 

 何もできないで泣いていた子らとは、

 思いもよらぬ成長ぶりだな」

 

 

 

 

「せんせ、特別のご褒美を用意されなくて良いのですか」

 

 

 

 

「確かにそれはそうだが、まだ、褒美を上げるほどの

 舞ではないのだよ」

 少し照れた顔つきで、佐和には見え透いた嘘が

 ばれていて、まともに顔が見られなかった。

 

 

 

 

「せっかくですから、私もご相伴にあずかろかと

 思っていたのに、何もなしでは、今夜も指をしゃぶる

 だけですね」

 つれなく言い放つ佐和に、目で睨み返した。

 

 

 

 

 映像では、この様子は映っていないが、

 ラジオでは確実に、今のやり取りから、秋山の狼狽

 している様子が聞き取れていたことに違いない。

 

 

 

 

 秋山も少々、苛立ってきた。

 と、その時、

 使いのADから志乃の様子を書いたメモが届いた。

 

 

 

 

 それによると、少しずつ、回復に向かっているとの

 走り書きだが、

 それでも、内心は大いに安堵したものだ。

 

 

 

 

「これ、読んでもいいですか」

「少し文字足らずだ。もう少し何を書きたしてくれないか」

 肯いたADが身を屈めて走り去った。

 

 

 

 

 志乃の体調さえ良ければ、この舞台が跳ねる前に、

 今一度、歌謡・新おわらの披露を

 考えてみようかと本気で思い描いていた。

 

 

 

   古都の徒然 マスクを外せとの・・

 

 

 

   もう、何度も書いているので、

 今回、取り上げるのに、聊か気が引けるのですが、

 コロナの予防策として効果がある

 屋外でのマスクを取り外せとの国の宣伝がどうにも

 気になって仕方がないのです。

 

 

 

 実際、現在、コロナの感染者数が激減しているとか、

 死者が目に見えて、なくなったとかの、

 ワクチン効果が具体的に上がっているなら、

 ともかく、

 ただ、ひたすら、

 マスクは屋外では着用しないでとのPRの意味が

 まるで、分かんないのですが・・

 

 

 

 どうして、大切な税金を無駄に使ってまで、

 マスクの

 着用をやめるべきと言っているのか、その本筋に何が

 伏せられているのか、

 しっかりと説明して欲しいのに、

 

 

 ※本音は海外からの観光客の誘客策なのに・・"(-""-)"。

 

 

 

 当の言い出しっぺの尾身会長が今、コロナに

 感染している

 なんて、

 ・・の極みとしか、思えないのに、

 しっかりとした予防策をとっておられたのか、

 気になります。

 

 

 

 まさか、マスクを着用していなかったのでは

 在りませんよね。

 

 

 

 ただでさえ、

 信頼を失っている、あなたが感染しては説得力が

 半減するのに・・・・

 まったく、神もあざといことをなさるもので・・

 

 

 

 ですが、

 あなたの一日も早い回復を祈るばかりです。

 この気持ちに偽りはございません。

 

 

 

 それと、持病のない26歳の女性が

 ワクチンを接種、間もなく亡くなられた件で、

 厚労省がようやく、

 死亡一時金の請求を認めたとのこと・・

 

 

 

 この件も、私は彼女が亡くなられて、

 すぐに、

 この欄で記事にしていたのですが、本当に、なんで

 あんな

 酷い事例を認めなかった神経がいまだ理解できない

 のです。

 

 

 

 ほかに高齢の男女4人についても、死亡一時金の

 支給を認めたこともあって、

  私は厚労省の卑劣さが許せないのです。

 

 

 

 国民の命をなんと心得ているのか・・

 

 

 

 国民の救済を忘れて、支給を拒んできた責任を誰が

 とるのか・・

 

 

 

 さらに、この一時金が支給された方が、これまでに、

 たった16人に

 過ぎないのも不可解な話で、

 これで、

 マスクを外せと言われても、信頼を失っている

 厚労省の指示に簡単には

 従えない気持ちを理解して欲しいものです。

 

 

 

 ※参考資料

    朝日新聞 12月13日朝刊 記事参照