古都のブログ小説 京の鐘825

 

 

 志乃はゆっくり進む道中で観客からの声援があれば

 これに応えて、小さく手を振るように伝えたが

 「恥ずかし・・うち、そんなん、よう、できひん」

 と、泣き言を言って秋山を困らせる。

 

 

 

 「うちが輿に乗っては・・」

 との穂香からの申し出があったが、田中が口を差した。

 

 

 

 「生憎、坐れる広さが、一人分しかなく、無理な話だ」

 現状を説明した。

 

 

 

 志乃がすっかり萎れてしまい、途方にくれたが、土壇場に

 強い秋山が咄嗟にひとつの妙案案が生まれた。

 

 

 

 「それなら、いっそ、穂香と奈菜を先頭で舞わせるのを

 やめて、輿の左右で舞う事にするが、

 それでもだめか」

 との秋山の言葉に、

 志乃が目元を拭い、頷いて見せた。

 

 

 

 「輿の担ぎ手が旨ければ心配はいらないが

 少しの間違いでも、あれば・・」

 気の重いことを言い差す。

 

 

 

 「そんなことを言ったら何も出来ない。

   観客も側に置けなくなるのだ。

   担ぎ手の君達の頑張り一つで誰もが救われるのだ。

   しっかり担いでくれないか」

  との返しに

 

 

 

 「せんせ分かりました。この件私がきっと請け合います」

 田中が幾分、緊張した面持ちで覚悟のほどを

 誓ってみせた。

 

 

 

 「頑張ってね。うちらが側にいれば、気が楽になる

 はずやから、心配しないでいいからね」

 穂香のカラ元気な声援に、ようやく志乃が泣き笑いの

 顔を見せた。

 

 

 

 秋山は進退窮まる寸前に、また穂香に救われた気がした。

 「うちも安全圏の内側で舞っているからね」

 奈菜も脇きから入ってきた。

 

 

 

 秋山も志乃も何となく、少し心が弾みだし田中も、

  つられて、歓喜の手を打った。

 

 

 

 早速、先頭の横断幕を持つ二人に配列の変更を告げに

 走った。

 

 

 

 田中は、とにかく何をするにも手早いのが目についた。

 

 

 

 この男は側に置けば、将来、きっと何か大きな働きを遣り

 遂げる気がし、

 走り去った田中の後姿を暫し、目で追っていた。

 

 

 

 志乃と穂香や奈菜と初めて緊張感から解放され、

 穂香のいつもの軽い口が

 益々弾んだ。

 

 

 

 報道各社の撮影位置として、新聞さんには横断幕前の

 指定された位置に着いて貰い、

 テレビは新聞の後方に、セットしてある30㎝の高さの

 撮影台に乗って、開始を待って貰うことにした。

 

 

 

 ここで、

 3分後に前列と後列が入れ替わる方式を説明し、

 細かい立ち位地は各社間の判断に

 任せることとした。

 

 

 

 撮影班のAD達は各社へ走り、大まかな立ち位置の

 説明に走った。

 

 

 照明は、テレビの二社が左右で、受け持つことにし、

 何も問題は無かった。

 

 

 

 困ったのは、新聞・テレビは事前の打ち合わせが半ば

 出来ていて当日の本番前になって、

 週刊誌やスポーツ紙などが、取材範囲の中に入れてくれ

 との申し出に、秋山は手を焼いた。

 

 

 

 新聞社もテレビも猛然と拒否を通告し、

 遅すぎる申し出の為、受け入れないことにした。

 

 

 

 この時、

  街流しの列の両サイドにいる観光客らへはストロボ

 のつくスマホ等のカメラ撮影を遠慮してもらうことを

 警護班や、関西のM社や秋山のT社のADが

 責任をもって、これに当たることにした。 

 

 

       

      古都の徒然 親子間の意志の・・

 

          謹告

 

 最近、

 スマホの故障か、いいね返しが旨く作動しないので

 相変らず、困っています(__)。

 

 スマホは販売店では分かりませんので、

 アップルに訊いて見て下さいとのこと・・あすこは予約が

 大変で、

 一度、予約を取りに出かけ、

 そこで指定日にもう一度出かける不便さに

 もう、

 アップルは止めようかと思っているのですが・・・

 

 

    閑話休題

 

 

         親子間の・・

 

 

 先週、

 厄介な問題を取り上げていたのは、NHKかと思いますが、

 毒親と子の

 危険な関係がとり上げられていて、

 これを裁く専門家の答えが

 かなり辛辣に感じられましたが、親子関係で、

 今ほど酷い時期は無いように思え、ひと筆を執って

 見ようかと・・・

 

 

 

 子のない私が口を利くのもお恥ずかしい限りですが、

 親子関係などの専門家のいい分だけで、

 解決する話でもなく、

 これは素人でも分かる策が無いものかと・・

 

 

 最後はやはり誰でも知っている距離と日にちを置くことが

 解決策の一つかと、

 でも

 これしかないのが現状なのは分かる気がします。

 

 

 拗れた親子関係と言うより、むしろ、人間関係と言った

 方が良いのでは、と思えるほど、

 酷いことになるもので、安易な妥協は何も生み出さず、

 禍根を残すかも知れないので、

 静観することが何より大切な策かも知れませんね。

 

 

 距離を埋める作業は、これまで、かかった時間より

 長くなるかもしれませんが、

 時間が解決するとの意見は案外的を得ている

 気もします。

 

 

 それにしても

 恐ろしい時代になっているのですね。

 

 

 私なんて、なんと幸せな青春時代を過ごせたかと、

 今更ながら、

 優しかった慈父母に感謝しなければいけませんが・・

 ※お墓参りも中々出来ず・・

 

 

 そこで、古来からの言葉で、

 

    いつまでも、 有ると思うな親と金、

                                 ないと思うな運と災難!

 

 

 この言葉、相当、辛辣ではありますがドン・ピタ

 ですよね(笑)。

 

 

 どんな家庭でも、何かしらの親子関係が捻じれることが

 有るようですが、

 うっかり他人が口を出すと、

 収拾がつかない事にもなりかねません。

 

 

 この句を言って、幕を閉じた方が何よりも懸命な

 策かと思いますが、

 如何でしょう・・・

 

 

 それにしても

 我が父母との穏やかな生き方が懐かしくて堪りません。

 

 

 穏やかと言えば

 聞こえが良いのですが、父だけは何かしら

 近寄りがたく、

 もっとも声を荒げる事は一度も無く、

 ただ、

 無口なだけでしたが、もう少し、喜んでくれたり

 悲しんで、くれたりしてくれたら

 私も今より感情表現が豊かになっていたかもと(笑)

 これ、

 責任転嫁の見本です(__)。

 

 

 でも、大好きな母がいてくれたお蔭で、

 助かりましたが・・

 

 

 なので、病気が酷くなると、早く、あの大好きな母に

 会いたくなるので、どうしたものかと・・・。

 

 

 皮肉なもので、

 昨日の内科の定期診察で、血液検査の

 結果を診て、医師が

 このお年で、これほど素晴らしい結果は、そう診られる

 ものでありません。

 

 どうも、せんせより良かったようで・・

 すくなくとも、あと20年は生きられます、だって(笑)。

 

 

 こんなこと言われたら、

 舞い上がるはずなのに、昨日だけは少し微妙(#^^#)

 

 

 長生きはしたいですが、そんなに長くなくても

 良いのにと

 贅沢なことを言って・・・

 

 

 撥が当たりそうで・・(-_-;)。

 怖い!