古都のブログ小説 京の鐘820
京都・新・おわら街ながし、
本番前日は朝からD大の運動場に全参加団体が
勢ぞろいして、稽古の総仕上げに取り組んだ。
一番、手の後れが目立つ、K女大は稽古開始より、
1時間も早く、
やって来て、参加者の受け入れ準備に、汗を搔いていた
奈菜や穂香らD大の幹部を驚かせた。
K女大チーム代表の西野薫は目の色が違っていて、
何かしら、思いつめている様子で、
奈菜が声を掛けた。
「薫ちゃん、どうかしたの。少し顔が赤らんでいるよ、
少し心配・・」
「御免ね、早めに来てしまい・・でもね、本当に、
うちの子らは出遅れているのが目に
見えるので、振り付けだけは絶対、間違いないように
と思い、皆に呼び掛けたら、珍しく、
今朝、全員が来たので、うちの方が驚いているんだから、
恥ずかし・・」
薫の落ち込みようから言葉にならない焦りを感じ、
「だとしたら、うちが詫びないといけない。
そもそも、この子達を教えたのはうちやから・・」
穂香が素早く頭を下げた。
これに、驚いた薫が何度もこれを制して
「そんな・・・穂香ちゃんが教えてくれはったから、
始めから参加していた30人は安心して見られるけど、
後から来た子らが・・」
うっすらと目に光るものが見えた。
「そんなに気にすることはないはずよ。沙緒先生も
安心して見られるからと言っていたから」
必死になって薫を励ますシーンが見られ、
前日から仮退院をしている志乃も、なんとか励まそうと
するが肝心の声が思うように出て来ない。
「少し、退院が早すぎた、かもしれないな」
胸の内で小さく呟いていた。
「みんな、よく聞いて、振り付けに自信の無い子らで、
おわら3番が舞えない子は、
今からでも遅くない。時間がたっぷりあるから、
頑張って3番を完全に身にしみ込ませてね」
日頃から笑いをとることに勢力を使い切っている穂香に
しては珍しく、
旨いことを言うと、奈菜が感心して穂香を見詰め直すと、
「なんか、うちの顔についてる」
穂香が奈菜に声をかけた。
「いやーっ、穂香ちゃん、素晴らしい名演説やったから、
うち、すっかり見直したえ」
奈菜の半畳に素早く、反応した穂香が
「うちかて、本気、出せば、こんなもんや。どや」
腰に手を当て、大きく胸を逸らした。
此処で、お約束の拍手と小さな歓声が上がった。
「ほや、その勢いやで・・振り付けなんかに負けたら、
あかん」
何処かで聞いたような台詞を口にし、
またまわりをしっかり、笑いの渦に巻き込んだ。
志乃はそんな穂香の小さな背に、気持ちだけ大きく
拍手を贈った。
古都の徒然 国葬違い・・
国葬
昨日、ご逝去された英国の女王陛下の国葬は
さぞかし、
国民の涙を誘う
歴史に残る荘厳なものとなることでしょう。
また
世界から訪れる方々は国賓に似合う大統領や国王
などのビッグの参列が・・
こちらは良くて副大統領、来日しない国は駐日大使
などで埋め合わせる
代理者ばかりが・・では安倍氏が可愛そう・・
おまけに我が国では賛否両論が行き交う元首相の
人気が賛否拮抗する国葬と
世界から愛される方の国葬とは格が違い過ぎ、
つくづく、
我が国が置かれた国際的な立ち位置の
低さと
人気の無さを思い知らされる
ばかりで・・・
現・総理は運が悪いと自虐的な思いに駆られている
かと思われますが、
そもそも、
人気下降の信頼度の低い彼にとって、
安倍逝去を最大に活用して、人気復活とばかりに
すがりついた国葬・・・
すべてが裏目に出ましたね。
人気がでないというのは、こうしたことを言うものです。
おまけに突如、
出てきた旧世界統一教会関連で、自分党から、
出るわ出るわの
崇敬者が・・
笑うに笑えない事態に
歯ぎしりだけが聞こえて来そうで、まことにお気の毒
としか・・・
人気という、実体のない現象で人気急落の
彼にとって
さぞや、悔しくてならないはずで・・
安倍氏の急死のあと、麻生から国葬案を囁かれ、
すがる思いで飛びついたのが、
かえって人気下降を招いたもので、
やぶから棒 とはこうしたことを言うのでしょうね。
元々、安倍と麻生に対して、一モツある彼にとって、
踏んだり蹴ったりで、
今頃は
麻生憎しで、凝り固まっているかも知れませんね。
まさに
運と不運は紙一重と・・・
政治なんて、所詮、こんなものと・・影で笑うものもいて、
あの党は生涯、こんなことの繰り返しで
国の舵取りを
もたもた、続けていくことでしょう。
国民の政治を見る目の確かさを再認識させられた
一週間でしたね。