古都のブログ小説 京の鐘757

 

 

 五山送り火は定刻にきちっと治まった。

 

 

 文句を言えば、

 いくらでも出てくるが、それは枝葉末節で、

 本筋は

 五山の担当者の事前収財の成果がよく、

 出ていて、納得のい   

 くものであった。

 

 

 社内での評価もM社とT社ともに概ね満足と

 言えるとの事で、

 9月の京都・新おわら町流しの前哨戦を見事に

 勝ち取ったとの甘い評価が関東から

 降りて来て、

 秋山の危惧を吹き飛ばしていた。

 

 

 番組途中から視聴率がぐんぐん伸び出し、

 殊に、

 志乃の祇園小唄の舞の艶やかさと、

 夏の京の宵に相応しい、

 抒情性とが旨くかみ合い、更にまた、

 これに寄り添うように五山送り火の意義も

 分かりやすい解説で秋山の面目が

 保たれた。

 

 

 いつもの軽口が出ないほど、

 秋山の心配症が隠れ見えたが、ラジオが10%を

 超える脅威的な数字を叩き出し、

 これに応えるテレビも平均18%、部分的には20%を

 超えるプライムタイムでの視聴率としては、

 完全に

 他社を大きく出し抜いていて、

 営業部局からの歓喜の雄叫びが相次いだ。

 

 

 それも、

 これも秋山が手塩にかけた志乃を筆頭に

 奈菜と穂香の脇の支えがよく効いて、

 はんなりとした京情緒を醸し出していたことが

 数字に出ていたのだ。

 

 

 これで9月の京都・新おわらの町流しに弾みがついた

 ものだ。

 

 

 だが、反省点も山ほどあった。

 

 

 その一つ一つ検証して、

 9月に生かさなければならない。

 

 

 秋山はこの町流しへの企画の練り直しと、

 舞の他の

 エキシビジョンのPGの種目の決定と、

 おわらの制服となる着物の

 追加発注のほか、スタッフに着せるベストに

 書き入れる文字など、

 考えを纏めるなど、することがテンコ盛りとあって、

 ほんの少しの充足感の後の疲労が一気に

 噴き出していた。

 

 

 スタッフの多くがセットの解体と、

 放送器具の取り込み作業に追われていた。

 

 

 こうした番組制作の肉体的な疲れは並大抵の

 ものではない。

 

 

 手伝えるものなら、

 手伝ってあげたいが、今の秋山の体力では

 到底無理で、

 ほんの少し、物をずらしただけで、

 苦情の声が上がる次第に、さっさと現場を離れ、

 お喋りに夢中の穂香や奈菜を置いて、

 T屋へ足を向けた。

 

 

 途中、

 男子の臨時スタッフを務めてくれた田中ら

 男子学生の20人に出あい、幾らかの紙幣を渡し、

 ねぎらいの言葉をつけたが、

 全員がそんな金を貰う為にしたことではないと

 決然と拒否したのには驚いた。

 

 

 この子達は何ごとも粋に感じる江戸っ子堅気で

 あることに正直、文句なしに

 参った。

 

 

 「よし、なら、おわらの町流しの打ち上げには

 何か考えよう」

 と、声を上げ、彼らの大歓声を背に歩を進めた。

 

 

       古都の徒然 PCR検査の・・

 

 

  大阪でのコロナ感染者が東京に次いで、

  1万人を越えたとのこと・・。

 

 

  これはとても危険な数字で、これを抑止しないと

  府民の生命を侵す危険な兆候の

  第一段になるかと思います。

 

 

  私の住む京都も大阪の背を追いかけているので、

  他人ごとではありませんが・・。

 

 

  コロナような感染力の強い株は出来るだけ、

  早い時期に抑え込まないと、

  今回のような最悪の状況を招きかねないと・・・

  (一一")。

 

 

  私は昨年の春からマスクは二枚一組で

  使用していますが

  昨日の東京の様子をテレビのニュースで観ていると

  マスクの上に、

  フェイスガードとビニールの手ブロ姿で

  歩いている方に、

  インターをされた女性はマスクだけでは隙間からの

  ウイルスの侵入を防げないので、

  これをつけて外出

  していると・・・。

 

 

  とても勇気がいる姿ですが、

  私などはマネしたくても、恥ずかしさが優先して、

  簡単にマネが出来ないのですが

  凄いですが・・(-.-)。

 

 

  東京は広いですね。

  でも良い広報になるでしょうね。  

 

 

  今回の現象で、もっとも目立つのは感染者の

  多くが若者だとのことと・・・

  これはとても哀しい話ですね。

 

 

  若者がもし、

  感染しても自分たちは大丈夫との過信が元になって

  いるのなら・・・(一一")。

  

 

  ところで、

  昨年のオリンピック開催中に感染した選手が

  ほとんどいなかったのは、

  毎日、試合開始の直前にPCR検査を終えて

  試合に臨んでいたからです。

 

 

  ですが、皆様すでに、ご承知かと思いますが、

  これも、

  あまり期待できない面もあるので気をつけないと

  いけませんね。

 

   

  PCR検査の最大の欠点は陰性と言われても、

  その効果は僅か6時間しかなく、

  毎日、

  検査をしている病院関係者でも感染するのは

  午前中に検査をしていても、

  夕方まで検査効果が持たないからです。

 

  これも悔しい話ですよね。

 

 

  なんとか、この冬を乗り越えて、春には少しでも

  改善して欲しいものです。

 

 

  つくづく医療関係者には頭が下がります。