古都のブログ小説 京の鐘754

 

 

 五山の準備作業の様子が次々と送られて来て、

 いよいよ、

 本番の大文字に火が入ると、何処からともなく、

 どよめきが上がり、

 二つ三つと点灯して行き、音声を拾うスタッフが両サイドで

 走り回っている。

 

 

 副調整室から

 「そろそろ、志乃さんの・・」

 との声が入り、秋山がテントの奥へ振り返ると、

 いつのまにか、

 黒地に夜空に月が仄かに浮かび、

 裾模様は鴨川に掛かる三条大橋が描かれている

 単衣の西陣織に、

 帯は絽の名古屋帯を愛らしい文庫に結んでいた。

 いずれも、

 家元の沙織子のものであった。

 

 

 穂香や奈菜は着替えはせず、迎えの指示を待っていた。

 

 

 秋山が河野に出を振った。

 河野がマイクをオンに切り替えた。 

 

 

 「大文字さんも、そろそろ見頃になって来ているようです。

 ここで、日舞・白河流・師範代格の志乃さんと、

 奈菜さんに穂香さんが皆様ご存知の祇園小唄の

 ひと舞いを披露させて頂きます。

 どうぞ、盛大な拍手で、お迎えください」

 

 

 アナウンスで、志乃の名が呼ばれた瞬間、

  体調の回復を喜んでか、

 大歓声が木霊し、期待の大きさが読み取れた。

 

 

 先導役の案内で、

 奈菜を先頭にして志乃と穂香が後に続いた。

 

 

 スポット・ライトが三人に当たると、奈菜や志乃、

 穂香の 名を呼ぶ声が、あちこちから

 跳び交い、

 その度に拍手が続き、

 もう、静寂どころではなくなっていた。

 

 

 特設舞台の中央に志乃が、

 その両サイドに奈菜と穂香が三歩下がった位置に

 着いた。

 

 

 一瞬の空白を越えると太鼓が入り、

 三人の三味の音が心地よく

 響き始めた。

 

 

 これに、

 ひと呼吸開けて哀愁を帯びた胡弓の音が舞いを

 静かに呼び込んだ。

 

 

                     

 

 

♪ 月はおぼろに 東山

   霞む夜ごとの かがり火に

   夢も いざよう紅櫻

   しのぶ思いを振袖に

   祇園恋しや だらりの帯よ

 

     

  京都市民なら、

  誰でも知っている祇園小唄唄が流れると、

  唄い方の声に合わせて口ずさむ声が微かに漏れて届く。

 

 

  志乃は1時間30分の休息が効いたか、

  振りに無理が無く、スムースに三味の音に乗り、

  穂香たちも、気負いが無く、粛々と舞い、志乃の舞を

  惹きたてた。

 

 

♪ 夏は河原の夕涼み 

   白い襟足 ぼんぼりに

   隠す涙の口紅も 

   燃えて身をやく 大文字

   祇園恋しや だらりの帯をよ

 

   

 唄の文句の大文字のところで、

 志乃が、ほぼ出来上がっていた大文字の方向へ

 手頸を返して、差し伸べると、両岸と大橋から一段と高い

 歓喜の声が渦巻いた。

 

 

 

   古都の徒然  第40回全国女子駅伝

               京都優勝(#^^#)!

 

  

   昨日、

   京都の都大路で

   第40回全国都道府県女子駅伝が開かれ、

   地元、京都が嬉しいとに18回目の勝利を飾りました(#^^#)。

 

 

 NHKテレビより 京都のアンカー安藤友香選手

 

   私はスポーツ大会で

   何人かが襷を受け渡して総合優勝を目指す 

   駅伝が大好きで、

   つい、

   10年ほど前までは、

   毎年、チャリで丸太町まで応援に出かけ、

   まるで嘘みたいに毎年のように

   優勝し、

   大いに熱を上げていたもので・・(笑)。

 

    

 

    沿道は満員で・・しかも、何処でも

    観衆から拍手や声援が送られていたことが

    嬉しかったです!(^^)!。   

    

   

   それにしても、 

   この女子駅伝がなぜ魅力があるかと言うと、

   色々ありますが、

   9区間に中学・高校・大学・社会人が一組になって、

   郷土に名誉を飾ろうと

   力走する大会なのが面白いのと、

   何より、京都がずば抜けて強かったからで・・・(笑)。

 

 

   私も生地や大学で学んだ都市、そして働いていた

   場所も・・・、

   最後に、大好きな生涯の地の京都を応援していた

   ものです。

 

 

   京都は、ほぼ2年に一度は優勝していて、

   昨年はコロナで中止でしたが、その前年に優勝している

   ので、今年は連続優勝と成ります!(^^)!

 

   

   9区の引き継ぎ所 右が京都チーム

 

   それにしても

   悔しかったのはいつも、私が応援していた、

   丸太町の9区の引継ぎ所で、

   今年はオリンピックの1万mに出場した京都の

   安藤友香選手や、

   同じくオリンピツクに2回出場した京都の

   福祉加代子選手など有名選手が揃って

   出場していて、直接、まじかに見られたのにと・・・

   ちと残念(笑)。

 

 

   選手も大変でしたでしょうが、優勝した京都の

   安藤選手が

   インターで、大会を開催してくれたことと

   沿道の皆様が何処でも声を掛けて頂いたことに

   感謝するとの言葉を聞き

   私まで

   嬉しかったです。

 

 

   このあと、

   出場した全選手や応援者らがコロナに感染して

   いないことを祈るのみです。