古都のブログ小説 京の鐘753

 

 

 番組は何ごとも無く始まっていた。

 

 

 穂香のチームは三条大橋から、

 奈菜のチームは四条大橋の袂から、みな落ち着いて

 舞い出て来た。

 

 

 わかずかだが、

 本部席前にはD大のエースクラス20人が白河流六代目

 家元の沙織子と

 沙緒に曳きだされるように舞い踊っていた。

 

 

 本来なら、

 ここに志乃が入って沙織子との二人舞を演ずる予定

 だったが、

 万が一を見据えて、控えさせることにしたのだ。

 

 

 沙織子は少し残念だったようだが、

 秋山の指示に黙って従い、相役の沙緒とともに見事な

 手筋の舞を見せ始めていた。

 

 

 秋山の出番はこれから暫く無かった。

 

 

「私の最期の出番は無かったようだな」

と、自嘲気味に声を落とすと、志乃が口を返した。

 

 

「あの時、せんせが混乱して、何も声を出さなかったら、

今の舞は始まらなかったと思います」

 

「そんなことはないよ」

 

「うちは、せんせが次々と繰り出す的確な指示を聞き、

 やはり出来るお人は格が違うと・・」

 秋山は末尾に、くすりと微笑を洩らした志乃の口元を

 しっかり目で焼き付けていた。

 

 

 志乃は確実に大人(たいじん)であることを再認識させられ、

 秋山も、つられて微苦笑を漏らした。

 

 

 イヤホンに次々と連絡が入り続けている。

 

 

 みな、短い言葉で状況を伝えてくれ、

 志乃とともに安堵の吐息を幾度も漏らし続けた。

 

 

 出番の総舞いは心配した事も無く、粛々と進んでいた。

 

 

 未だ五山送り火の点灯が無いことも救いであった。

 

 

 本部席のパソコンに全国のフアンからの激賞の声が

 相次いで入っている。

 

 

 プリントしたメッセやコメの束が届いたが、

 大方は志乃の舞姿のないことを危惧するもので

 埋まっていた。

 

 

 「このあとの立ち上がりに、

 君のいないことを危惧する声が多いようなので、

 君から伝えて貰えるかな」

 秋山が問いかけると

 「始めにせんせから状況を説明して頂いたあと、うちが直接語り  

 掛けましょうか」

 

 「そうしてくれると助かる。

 詳細は省いて良いからね」 

 二人の阿吽の呼吸で、すんなり話が纏まり、

 舞が終わったあと、

 河野アナに次のアナウンスで、カメラを呼び込むことを

 伝えていた。

 

 

 河野にしても、

 本番直前のアクシデントに仰天したようだが、

 僅かな時間内に志乃が回復してくれ、

 安堵したようであった。

 

 

    古都の徒然 冷蔵庫のような・・・

 

 

  このところの京の寒さ尋常ではありません。

 

 

 なにしろ

 昨日の最高気温が4℃だなんて、寒いというより、

 痛いと言った方が良いくらいのもので、

 こんな時に

 遠い病院へ受診しに行く辛さは、

 まさに、病気になる為の一里塚かもと・・(笑)。

 

 

 一度、

 出掛ける前に紳士のマナーとして

 渋いコートに

 紳士ハットをかぶることも考えましたが(笑)。

 ベランダへ出てみると、

 その空気の冷たさが身に染みて、

 慌てて、見栄えより、実利をとり、

 フード付きのベンチコートにして出かけました(^^;。

 

 

 この判断は大成功で、

 頭から膝まで完全に防寒出来て良かったからで、

 欲を言えば、

 膝下の寒さがなければ、なおよかったのですが・・・(笑)。

 

 

 なにしろ、医師から心臓病の人は

 暖かくして冬を乗り切ることが肝心と言われ、

 室内は

 エアコンで一日中24℃に保たれているので、

 室外の4℃は20℃も低いから

 落差が大きい分、

 寒さが骨身に染みるわけで・・(/_;)。

 

 

 僅かな時なのに、街を歩くだけで、息をするのも

 辛くなるほどの感覚になるのは、

 いつ以来のことかと思う 

 ほどのもので、

 今冬一番の寒さでは無かったかと・・・

 

 

 ところで、体温って外気に影響するって

 本当ですね。

 

 

 病院の玄関口での体温検査で35・6℃だなんて

 信じらんない低体温にビックリ!

 

 

 そして、

 この寒さのせいか、コロナの感染者数が

 京都府内で

 なんと1日で400人を越えていたのには言葉も無しで・・

 

 

 こんなこと以前あったかと・・・どちらにしても

 ヤバイですよね。

 

 

 それなのに、

 私は急に読書がしたくなって、

 帰宅後、

 今一度、街へ出かけ、書店を一回りしましたが、

 何より驚いたのは

 書籍の値段の高さには息を呑む有様で・・・

 

 

 あんなに高かったかと、以前の本の値段を

 調べみると、

 確かに昨日の値段の本なら平均250円は高く・・・・。

 

 

 最近は遠い図書館へ出かける勇気が無くなり、

 本は購入することが多々あり・・

 

 

 今は読書中毒で、なくなっていて助かります(^^;・

 寒いのは気温だけでなく、

 あのままの読書中毒なら懐まで寒くなる

 ところで・・( 一一)。

 

 ほっ!