古都のブログ小説 京の鐘733

 

 

秋山は厳しい目つきの男に笑みを浮かべて話を繋いだ。

 

 

「この企画が一端、漏れれば、あなたにも充分、

分かりますよ」

 秋山は余裕ある態度で、その男を見返した。

 

 

盆以外のネタの無いこの時期に、天下に知られる、

五山送り火の宵に、

少しは世に知られ始めた京の新・おわらが鴨川河畔で

披露されると知ると、

各種のメデイアが無視するはずも無く、

むしろ、各社はこぞって、これを取り上げ、大きな記事に

するはずです」 

 

 

「そないに旨くいきますかいな」

 

 

「わたしはマスコミ人です。その辺の読みを見誤るほど、

まだ、呆けてはいませんよ。

あなたが、そこまで反対されるなら、この一件から手を

ひかれても結構ですよ」

口が滑った。

 

 

内心、年寄り相手に言い過ぎたかと後悔したが、

言ったものは取り消す事など有り得ない。

 

 

秋山は居直ったように、にんまりと笑い、両腕を組んだ。

「この勝負、T社常務取締役さんの貫禄勝ですな」

開催地の先斗町の商店街の理事長が

勝負判定を告げた。

 

 

これに合わせ、T屋の店長や、新京極、三条通、

寺町通などの各商店街の役員からの盛大な拍手が

沸き上がると、真っ向反対の年寄りが

「ほな、皆はんで、ええようにやりなはれ。うちは早々にも

手を引かせてもらいまひょ」

と言って、足早に姿を消すと、遠慮なしの喝采が

追い風のように迫上がった。

 

 

追従した旦那衆が罰の悪い面持ちで、

下唇を噛んで俯いた。

 

 

会の終了後、秋山は各種団体の幹部に残ってもらい、

「実は、問題は時間の無いことと、

当日の雨天の手当てを考えおかないと、

いきなり中止では会社が持ちません。難関はあのような

頑迷な爺さんだけではないのです」

成り行きで、本音を漏らした。

 

 

「その問題は鴨川河畔が雨天で駄目なら、

三条通や新京極など、9月の本番の予行演習として、

おわらを流す話では無かったのでは・・」

三条通の商店街の組合長が鷹揚に応えた。

 

 

「おっしゃる通りです。そこをあらためて申し合わせを

して頂ければと・・」

秋山が頭を下げ、

「その節は宜しく、ご配慮お頼み申します」

 

 

「秋山せんせ、そないなこと、態々言わずとも、

みなはんも充分わかっておりますよ。

ご心配には及びませんて・・」

 

 

「うちらかて、鵜川のおわらが中止となって、お客さんらが、

狭い小路をうろうろされてはかないませんよってに、

むしろ、おわらは、どうでも、やってもらわにゃ

困るんですから」

笑いとともに、心地よい拍手と歓声が秋山の身に

染み込んだ。

 

 

    古都の徒然  テレサ・テン名曲熱唱

 

 

  今日は少し前に録画したまま、他のビデオの編集に

  手を掛けていたので、すっかり忘れていたもので、

  今頃になって、編集を終えて聞いてみると、

  本当にその昔、

  大好きでしたテレサ・テンさんを思い出し、

  少し胸が疼きました(._.)。

 

  あれから、もう没後、26年ですか・・

  彼女は42歳の若さで逝ってしまったのですね。

  喘息からくる心不全だったようですが・・・

 

 

 BS  TBSより

 

 テレサ・テンさんの魅力はか細い声質なのに、

 声を張ると音域の広さが分かるほど、

 声量があり、

 ソフトに語り掛けるように唄うときの

 ビブラートが心地よく、

 また、

 外国人には珍しい演歌のこぶし回しが旨くて

 ついつい、惹きこまれていましたね(#^.^#)。

 

 

 BS TBSより

 

 両親は中国で生まれで、

 それまで統治していた国民党が共産党との戦いに

 負け、

 父が軍人だったので家族そろって台湾へ 逃げて

 来たもので、

 そこで彼女が生まれ育ったのです。

 

 

 台湾で14歳で歌手デビューし、

 人気があるので香港でも 活躍していたのですが、

 そんな彼女のコンサートで目にした 

 日本のスカウトが

 テレサ・テンさんを来日させたようです。

 

 

 

 彼女のヒット曲は沢山ありますが、

 わたしは

 空港や愛人、つぐない、 時の流れに身をまかせ

 などが好きで、よく聞き、

 つい、口ずさむことも有りました(*^-^*)。

 

 

 

日本有線大賞受章曲 つぐない

 

この曲も泣かせますね。

彼女のヒット曲のすべてが 待ちの女 

を描いているので

女性受けが多かったのが不思議だったのですが・・

 

 

 

この空港で、レコ大で新人賞を取ったときに

喉を詰まらせた時のものです。

 

 

 

彼女の歌の中で、この歌が一番、

好きでしたね。

作詞と作曲が旨くマッチしていて、聞かせてくれました。

 

 

 この曲を含め、

 彼女は日本有線大賞を三年連続獲得した実績は

 素晴らしいものです。

 

 これは

 審査員の選択では無く、これを聞きたい方からの

 オーダーの数が一番、多かった方が

 受賞するもので、

 もっと高い評価をしても良かったのではとの思いも

 ありました!(^^)!。

 

 

 

 愛人は教え子の高校生の女の子たちが持ち込みで

 我が家のカラオケで、躊躇いも無く、唄うので、

 少し、困ったことが有りましたね。

 

 

 紅白のリハ

 

 女子高校生って、どうしてあんなに弾けるのか、

 未だに分かりません( 一一)。

 背伸びし過ぎかと思いますが・・

 

 

 それにしても、若くて亡くなるのは哀し過ぎますね。

 

 歌手では田中好子さんや

 不如帰の村上幸子さんなど、いずれも、

 歌唱力のある人ばかりで、癌が憎らしくなります。

 

 

 コロナも

 危険ですが、癌も油断が出来ませんね。

 

この後、

急ぎ、病院へ向かい、2つの科での受診のため

長い一日になります(*_*;。

 

※なお、これは昨年放送された映像を、

  再放送されたものです。