古都のブログ小説 京の鐘192 

 

毎日、

合っているのに、いつもこうなのだと奈菜が

憎々し気に彩たちを軽く睨む。

 

 

 穂香が調子に乗って両手を広げたが、

誰も抱き付かず、若い娘らしい嬌声と笑顔だけが

秋山の目に焼き付いた。

 

 

その日、

秋山の姿が見える予定の為か、いつもより、

みんなが緊張しているとの奈菜の声に秋山も満更では

無かったが、

ふと脇を見ると志乃が顔をプイと横に向けた。

 

 

もっと自分を弄って欲しいのにと・・女の子らしい嫉妬も

混ざっていたが・・

 

 

「今日は君にも少し舞って貰いたいのだが、大丈夫かな」

何気に小さく秋山が声をかけたが、

志乃は今更、白々しい言葉に目も合わさずに、

こくりと首を折っただけであった。

 

 

秋山が稽古場に一歩踏み入れると同時に

「あきや、ませんせ、おはようございます」

 との大合唱が館内に響き渡った。

 

 

各大学ごとに、整列している京・新おわら研究会の

会員たちからの、

挨拶に始めは奇妙な違和感を覚えたが、

奈菜から芸能界では朝でなくても、その日、初めて

合う人には

「おはようございます」

と、

挨拶するのが普通なのだとの声もあると言ったら、

最近では、これが私たちの挨拶になっているのですと・・

 

 

先の方から近づいて来る二人の師匠が笑顔満載で、

おはようの挨拶を仕掛けて来る。

 

 

秋山はこのあたりで、ようやく挨拶の習慣を教えた

出所が分かり、軽く笑って応えた。

 

 

「珍しいですな、お二人揃ってのお稽古とは・・・」

 少し皮肉を交えての物言いに、

 

 

「そりゃ、暇ならいつでも参りますよ。でもお蔭様で、

本部のほうでも、

毎日々入門希望者が途切れず、

大先生方も稽古が出来る嬉しさで、今ではほぼ毎日、

皆勤者ばかりで、足の踏み場もない有様で・・」

嬉しさ半分、悩み半分の状況を聞かされ、

 

 

「御互い健康に留意して頑張りましょう」

どちらからともなく、握手の手が出て、学生達から

羨望の溜息が漏れた。

 

 

家元と秋山が並んで椅子に腰を下ろすと、

学生らは床に坐って秋山からの指示を待った。

 

 

「土産話になるかどうか、分からんが、学生の力で

京の町を活性化させる一環としての

京・新おわらは社としても完全に支援するとの

確約を取れたのだが・・」

 秋山の語尾が聞き取れない内から拍手や

甲高い歓声が木霊して、座は一気に燃え上がった。

 

 

 隣の沙織子も沙緒も紅潮した顔で目にうっすらと

涙さえ浮かべ、肩を小刻みに揺すった。

 

 

 本能的に秋山が沙織子の肩を引き寄せ、

「苦労を掛けるが・・」

と、言って言葉に詰まった。

 

 

志乃の視線か、何処からともなく咎って見えたからだ。

 

 

古都の徒然  敗戦記念日・・

 

 

 

今日は雨で高校野球が中止となり・・

と、

午前中、書きましたが、午後から、その原稿が

虚しくなるような

久しぶりの快晴となり・・急ぎ、あの作文を

全面、削除しました(__)。

 

 

それにしても、

わたしは、つくづく、いい加減だなーっと呆れます。

 

 

雨が続くと晴れ間が欲しくなり、

猛暑続きの時はひと雨を恋しがり・・・(#^^#)。

 

 

ついでに明日も晴れてくれると助かるのですが

まっ、

欲張っても、しかた有りませんよねと・・・

 

 

ところで、

先日から、映画を録りだめてしいますが、

当たりはずれが

大きくて・・・

 

 

米映画の古い西部劇・荒野の決闘が

大すべりして・・

残念!

 

 

日本映画のひめゆりの塔は何度も見ていたのですが

やはり、

途中から、

辛くなり、取りやめにして・・

 

 

8月15日が

終戦記念日だったので、そんな映画をアップ

されたのでしょうが、

流石に悲惨過ぎて、途中から見られなくなって

しまい・・(-_-;)。

 

 

ところで、

日本人もかなり悪だなーっと思うことが有ります。

 

 

8月15日は

確かに無謀な戦争が終わった日でもありますが、

その実、

戦争が終わったのではなく、

敗戦日なのです。

 

 

要するに負けたってことなのに、旨く、終戦記念日と

言い換えるなんて、

悪知恵以外何ものでもありません。。

 

 

私も幼い頃、

父から、戦争の悲惨さを体験者しか分からない

状況を聞かされて、

半分も理解できませんでしたが、

近年の調査結果で

如何にあの戦争が酷いものであったかが、

分かりはじめ・・・

 

何かしらの旋律が背筋を走ります。

 

 

明日に続く・・