古都のブログ小説 京の鐘179
確かに、青蓮院の筑山で、
ハグして初キスをして以来、多忙を理由に、
志乃を
かまってやることが出来なかった。
さっと、
木陰に隠れ、志乃の身を引き寄せ、
向いあった。
「これは私が悪かった。すまん、気がつかなくて」
「ちょっとだけ・・」
志乃が秋山の唇に指を当て、話を中断させて、
両手を広げてみせた。
これに応え、秋山は志乃を優しく抱き寄せた。
蝉の鳴き声が一段と高くなり、
志乃が何か言った気がしたが、何も聞こえなかった。
軽く唇を重ねた。
志乃の零れ出る小さな嗚咽を耳にし、直ぐに身を離した。
何か遠くに人の気配を感じたのだが、見回しても
何も見えず、狼狽えることは無かったが、
さすがに秋山も気になった。
どんな小さなスキャンダルでも、あってはならないのだ。
秋山はたとえ、
何かしらのことがあっても、志乃を護り通すことを約束し、
「今夜、電話で話し逢おう」
と、言って、志乃の背に手を回し、ゆっくりと、
発会式の会場へと向かった。
二人が揃って会場へ足を踏み入れた時、
予想していた数より、幾分、少ない気もしたが、それでも、
100人は超えているとみた。
奈菜と穂香が二人に気付き急いで跳びだして来た。
「せんせ、今、集まってくれている子は112人です。
でも今日、来られなくても、
明日の稽古に来る子達は20人くらいあるとの話が
D女大の彩ちゃんと
K女大の西野薫さんから聞きました」
一気に捲くし立てた奈菜の小鼻に小さな汗の滴が
浮かんでいる。
日頃に無く緊張した様子が窺えた。
また、
気の小さい穂香は参加者の入会手続きを
済ませたようだが、
めったにない出来事に遭遇しているためか声が上ずり、
頬を紅潮させ、身を固くしていた。
秋山も今日一日、新・おわら研究会の発会式の
名の元に、
9月1日に開催する予定の
新・おわらの町流しの実現へ向けて、もう後戻りできない
ことを自らに言いきかせていた。
日舞・白河流の家元の沙織子と筆頭師範の沙緒の
二人が定刻に少し遅れて駆けこんで来た。
これを機に
待たせていた、おわらの立ち上げの発会式に移った。
大学別に並んでいる学生の中に、
見慣れたD女大の高杉彩や、毎回、T屋の特設ステージで、
おわらの実演を見ていたK女大の西野薫も顔を
覗かせていた。
他にも、
奈菜や穂香に志乃の三人の背後の席で講義を聞いていて、
すっかり気心が知れるようになった
同級生の
中井恵美、福井麻由子、里中緑の三人も笑顔を見せていた。
古都の徒然 思い出の映画・写真館8
新・ガンヒルの決斗
今回も
いつもの通りのリンちゃんの思いでアルバムを
アップしました(#^^#)。
なんで、毎回、同じ写真をアップしているかと
言いますと、
わたしが散らばっているリンちゃんの写真を
しみじみと眺めて、
幸せになってもらいたい
ための思い出の写真館・・なのです(*^-^*)。
この冷たい心の神父と男のやり取りを
じっと見つめているリンちゃんの幼いながらも、
既に社会の醜さを体験しているからこそ、それなりの
覚悟を
決め兼ねているシーンですが、
わたしは彼女が幼いながらも、凛とした矜持を
持っている、
いじらしさが可愛くてならないのです。
なので、
この映画で彼女が臍を曲げたら、なにひとつ
とりえの無い、
3流アクション映画に成り下がるだけなのですから・・・
彼女の存在は例え様も無く
大きな価値を持っていることが分かります。
この
牧場の母子が何も知らずに、いきなり、雨でズブ濡れの
親子を快く、迎い入れた理由がまったく
分からないのです・・
ネットでも
このシーンの不可解さを取り上げていましたが、
私もまったく同意見です。
このように
この作品のレベルの低さが随所に見られますが、
幼いチビのリンちゃんがいて、
旨く回していて、ようやく、この作品に仕上がって
いるのです。
ここで面白いのは、
初対面の大人の二人がすっかり惚れ合ってしまうのを
見ていた、
リンちゃんの小さな悋気な対応の愛らしさに、
目が細くなります(#^^#)。
そして、
凱旋して必ず戻ってくると信じていた叔父さんが
帰ってくるのを知ると、
何ごとも無いように自然を装いながら、
さりげに大好きだよと
無言で語りかける仕草には・・まいります(*^-^*)。
この上わ目遣いの表情がこれをしっかり表しています。
もう
ここでは幼いチビちゃんから成人した女性に
見えるシーンなので、
可愛さと、いじらしさが倍増するのですヽ(^o^)丿。
ラストシーンが此処から何気に手を繋いで、
一緒に歩く姿に随分と救われます。
ここから、二人がどうなるのか、知りたいのですが
続編の情報も
無いので、
かってに想像するしか、方法が見当たりません。
でも、
家族四人で幸せに
暮らしたとさ・・で、お終いが一番かも知れませんね。
そして、また、
私は同じ写真をしぶとく、アップし続けますからね
(#^.^#)。
なんど取り上げても飽きないから
不思議です(-。-)y-゜゜゜