古都のブログ小説 京の鐘162
=おおーっ=
との、雄たけびを上げた後、中継スタッフや取材スタッフらが合同で、木屋町通の行きつけの店に繰り出すようで、運転手二人が恨めしそうに唇を噛んでいるのが辛かった。
スタッフが引き揚げて行くのを見送り、秋山も車を呼んで、いつものホテルへ向った。
夕食らしいものを取っていなかったが、妙に高ぶりが残っていて、喉の渇き意外は何も食する気にはなれなかった。
汗で濡れた下着を脱ぎ、浴室のバスタブへ温湯を張り、跳び込んでいた。
湯船に身を伸ばし、疲れを癒していると、志乃の漏らした愛らしい言葉がリプレイし、久しぶりに若者のような気負いが蘇り、秋山の胸の奥底を熱くさせた。
暫し、憩いのひと時に身を委ねていた。
シャーワーで頭や顔を洗ったあと、部屋へ戻ると、スマホの呼び出し音が悲鳴を上げて震えていた。
手にとると、本社の若手の部下の長谷川からのものだ。
「今夜のテープ、拝見しました。皆、大歓声で、子どもの様にはしゃぎまわっていましたよ。僅か2分30秒の絵なのに、構成力と、カット割りと音声の聞かせ所の旨さに惹き込まれ、何度見ても飽きませんでした」
と、早口で咳き込みながら褒め千切った。
秋山も満更でもなかったが、自画自賛は見苦しいと節度を保ちながら
「おい、今頃、遠くから褒めてくれても、何も出ないぞ・・あのな、今夜のヒロインを少し、アップし過ぎたかも知れないが、編集はあちらさんに、ほぼお任せだったから、多分、あちらさんの忖度の心配りが効いたのだろうよ。間違いでくれよな」
落ち着いて返した。
「志乃さんのことを言っているのでしょ。あの絵で一番喝采が多かったのは、彼女が編み笠を取ってあの美しい顔を見せたところと、その後の家元さんとの絡みの悩ましさに、全員が拍手喝采を上げたのですよ」
「確かに、あそこは意図的に私が狙ったものだ」
「あの最後の見せどころの振り付けはやはり次長の手なんでしたか。あれが無ければ只のおわらで終わったはずで・・」
痛いところを突くと思ったが格別否定することなく聞き流した。
「みんなで騒いだあと、あの子を本社に招いて秋から新番組を作ろうか、との話も出たのです。私も、もろ手を挙げて賛成しましたが・・。次長、あの子を説得できませんかね」
話がえらいところまで先走っていて、秋山も即答を押さえるのに冷や汗をかいた。
「それは充分、考えているが、今はまだ早い。もう少し実績を重ねてからの話だ」
「やはりね・・それを聞いて安堵しました。彼女は絶対、当たりますよ。何だかよいことが起きそうで、嬉しかったからです」
若手の思いと合致していたが、話をそこで終わらせた。
古都の徒然 不安な・・
私は元々、
自分が執筆した小説の生原稿を見直すことが
出来ないタイプの人で・・・(--〆)
どうしてか、自作を読み返すのが苦手で、
もしかして、
自分の作品に対して、
正面から見詰めるのは
何かしらの恥ずかしさが先走るのかも・・
ただ、
絶対的な自信作は構想の段階から余裕があり、
仕上がり前に、
しっかり読み直しをしていて、その場合、殆ど書き直しが
無く、初稿が
そっくり、そのまま印刷に廻ると言う・・・
このような作品は
ほんの数冊程度で、あとは、送稿してから赤印が
目立つ
原稿が送り返されて、
ここで、
始めて本気で読み直しをすることになり・・(-_-;)。
このブログ小説では仕上がった原稿をアップ
しているのではなく、
直前に書き上げ、急ぎ、ブログに移送する方法で
もう、12年も続いている分けで・・
でも、哀しいのは、私の簡単なミスだけでなく、
なんで
こんなことを書いているのかと思えるところで
あっても、何方からも非難の声が無く・・・
優しいと言えば優しいのですが、
めったに褒められたことも無いので、厳しく言えば、
私のブログの本来のメーンの小説が
以前のお雪抄と異なり、人気が無いので
まったく、
読まれていない可能性もある分けで・・うっ(ー_ー)!!。
これから、先日の検査で、
新たに脳に異変が見つかる症状がでて、
今一度、医院へ行かねばならず、気分が塞ぎます(ーー;)。
足取りも重く・・・(ーー゛)。