更新原稿

古都のブログ小説 京の鐘158 

 

 

 

志乃はその後、30分ほど休んだあと、起きて、コップ一杯の水を飲んで床を上げた。

 

 

 

 

「うちの為に、せっかくの山鉾巡りを足止めさせて、しもうてほんまに御免ね」

 心配する仲間に頭を下げた。

 

 

 

 

 

「怒るでーっ」

 穂香がまた吼えた。

 

 

 

 秋山がまあまあと口を差し、

「もう一度、抱いて車まで運んでやろうか」

ぶっきらぼうに声をかけた。

 

 

 

「とんでもない。せんせ、お願いだから、そんな無茶、言わんといて・・・」

志乃の今にも泣き出しそうな表情に押されて、秋山は早々に手をひっこめた。

 

 

 

D女大の高瀬彩が率いる女の子たちと、志乃たちの教室の座席の真後ろに坐っている中井恵美、福井麻由子、里中緑らに加え、自主的に志乃ら出演者らを人並から護ってくれた山田康則が引連れて来た20人ほどの男子学生らから、

「みんなで、道を開けるので、そこを通って・・」

との声で一同、揃って腰を上げた。

 

 

 

ひと分け、搔き分けして烏丸通の交差点近くまで来る途中、四条通で一躍、有名人となった一行に甲高い歓声が何度も上がり、中には同級生から

「志乃ちゃん、サインしてぇー」

 との甘えた声もかかり、混雑に輪をかけた。

 

 

 

 

 山田が先頭に立って、道を作り、その後に警護役を自認している勝手連が道幅を広げ、そろりそろりと歩を進めた。

 

 

 

 

 交差点の真ん中近くに来て、西の方を見上げると、ひときわ大きい月鉾が偉容を誇っていた。

 

 

 

ここで一端、足を止め、揃って、これを見上げた。

 

 

 

志乃はこの月鉾の前で、おわらを舞うのも悪くはないかなと思うと、何故か気恥ずかしくなって、隣にいてエスコートしてくれている秋山の手をぎゅっと握り直した。

 

 

 

これに応え、秋山も汗ばんだ志乃の掌を撫でるよう握り返した。

 

 

 

 その時、秋山は本気で志乃の元気な内に式を挙げたいとの思いが胸の奥底から突き上げてくるのに閉口した。

 

 

 

 と、同時に、このどさくさに紛れて、年甲斐も無い振る舞いに聊かの恥じらいを覚えていた。

 

 

 

気になって、そっと志乃の顔色を確かめると、何気にお澄まして、動じない志乃の大人びた様子に目が点となった。

 

 

 

 これが恋なのか

 これが今の俺か、

自問自答に目が泳いだ。

 

 

 

だが、志乃が愛おしくてたまらなくなっていたことに違いない。

 

 

 

 暫し、遠目で夜空に聳え立つ月鉾を見上げたあと、

志乃の手を引いて、報道車の停車している南へ方向転換をした。

 

 

 

 古都の徒然  何処まで続くよ・・

 

 

 

京都の五花街の一つの祇園甲部で、

(春の雅) 

に出演していた芸舞妓の二人がコロナに感染し、

今年も中止となりました。

この春の雅は20日まで開催される予定でした。

 

 

 

京都は大阪の10分の1以下の感染数ですが

やはり、人が集まるとコロナの感染があり、

人込みが怖いことになっています。

 

 

 

 

もう、完全に4派の発生に違いないのに、

政府も地方自治体も

規制が緩く、しかも、遅すぎますよね。

 

 

 

 

お店の人が何度もマスク着用を呼び掛けても、

しない人がいるとか、もう、

ここまで来ると、

これはロックダウン以外すべてダメですね。

 

 

 

 

このまま、

より厳しい措置を取らないと、感染者が増えることは

あっても

自然消滅することは先ず、有り得ないでしょう。

 

 

 

 

これで本当にオリンピック、やるつもりですかね。

めっちゃ

危険ですよね。

万が一が、あれば誰が責任とるのでしょう。

 

 

 

 

責任なんて、本当はどうでもよいのですが、

多分、

お偉いさんたちは絶対に責任なんて、

とらないでしょうから・・

平穏に生きるのって、大変な国です。

 

 

 

 

それはともかく、

今日の外食・・・どうしょう(-_-;)。