古都のブログ小説 京の鐘156
♪ お風邪召すなと 耳まで着せて
聞かせともない オワラ 明けの鐘
三味、太鼓・胡弓の音曲が冴え渡り、粋な唄の文句に誘われて、高鳴る胸の鼓動を包み隠して舞踊り、やがて穂香を先頭に五人が次々と舞台からゆっくりと消えて行った。
=志乃ちゃん、素敵!=
=おっ師匠さまーっ、最高=
黄色い声援が賑やかに飛び交かっている。
志乃は胸の奥底から込み上げる嗚咽を必死で耐えていた。
足元を見ていたつもりだが、鉾の影で灯りが薄く、踏み台に足を乗せた途端、身が大きく揺れた。
近くにいた同級生の女の子たちが甲高い悲鳴を上げた。
秋山が目の前で体制を崩して自分の胸元へ落ちて来た志乃をしっかと受け止めた。
志乃より腰が退けたのは残念だが、とりあえずは悲劇の前兆で喰い止めたことで何事も無かったように志乃の背を軽く押しやった。
振り返り際、志乃の目が恨めし気に潤んでいるようにも見えたのは目の錯覚か・・
軽く頷いて、その薄い背を見送った。
「せんせ、かっこいい・・!」
「志乃ちゃん、大丈夫」
などの声が上がったが、周囲の騒音が全てを消していた。
遠ざかる志乃の足元が気になったが、後に来た沙織子が何か言いたげな意味深の笑みを浮かべて、通り過ぎ、やっと一息ついた。
長刀鉾会館への狭い通路を舞う一行に、ひときわ大きい拍手が追いかけて行った。
女性のMCの御礼の言葉を聞くともなく、秋山も一行の後を追った。
会館の入り口付近は、手の打ちようのない大混雑ぶりで、この日、自主的に警護を名乗り出ていた志乃たちの同期の男子学生たちが懸命に通路を広げようと汗をかき、町会役員や商店街の若旦那たちより、確実に役に立っていた。
何もかも、若い子たちが心を一つにして、協力してくれることに、秋山は本気で有難く思っていた。
殊に、秋山は大学の講師になって、始めて企画した、おわらに興味を持ってくれ、しっかり人前で舞えるようになった志乃や穂香、奈菜の踏ん張りと、これを陰で支える同期生の男子たちに感慨深いものを感じていた。
やがて、秋山の提案で、シャギリを打ち流す囃し方の笛の子達を鉾から降ろして、仮説舞台で演奏させることになった。
演奏はなんとなく、同じ曲を演奏していると思いがちだが、実は山鉾の出発の際に使う音曲、運航中に演奏するもの、町辻で鉾を回転させる際の演奏、山鉾が地元へ戻った時に奏する音曲らを次々と披露し、取り囲んだ見物客からの熱い喝采を呼んだ。
古都の徒然 映画・マイ・フェア・レディ
私は宝塚を除いて、
元々ミュージュカルが好きではなくて、、
大概の作品を見なかったのですが、このマイ・アェア・レディ
だけは
ローマーの休日以来、大好きになったオードリ・へップパ-ンが
出ているだけで映画館へ足を運んだものです(#^^#)。
実は、彼女の出演した ローマの休日があまりにも
良かったからで・・(#^^#)。
この世の人とは思えぬ
妖精のような愛らしい姿だけが目にちらつくほど、
嵌りましたね(笑)・・・
物語はロンドンの下町の花売りの女の子が話す訛りを
聞いた言語学者が彼女を半年間で、
最高の淑女に、
出来るか否かを友人と賭けをしたところから物語は
佳境に入って行きます。
この間のオードリーは癇癪を何度も起こし、
中々上達できなかったのですが、根気よく教え、ある日、
度胸試しとして、紳士・淑女らが集う
競馬場へ連れて行き、
話をさせて見ると、初めは良かったのですが、途中から、
元の地が出て、
大混乱を招くのですが・・・(笑)
このシーンのオードリーが
何も気にせず、話す間違いだらけの言葉の数々に、
オードリーの旨さにほとほと
感服させられたものです(*^^*)。
更に厳しい指導の末に、淑女に変身した彼女と
学者の間に芽生えた
その恋の行方が・・・(*^-^*)
それにしても、
オードリーの貧しい花を売り歩く女の子から
恋する淑女に変身して行く、
プロセスの運びも旨く、見ている者の心を離さない
話の運びのテンポの良さに
喝采でした!
あれから50年を経っても色あせない、
作品の面白さと、
可愛かったオード―リーの姿を見ているだけで、
3時間は
長すぎるとは思えませんでしたね(#^.^#)。
今回も録画してあるので、保存用のDVDに残して、
またの機会に見ることになるでしょう(*^-^*)。
いやーっ、
映画って本当に、いいものですね(#^.^#)。
※映像はNHKのBSPを参照しました。