古都のブログ小説 紀陽の鐘155
やがて、先頭の穂香から編み笠を取り外し始めた。
全員が編み笠を取り外し、横一列に並ぶと、沙織子が先頭を切って右側へ一回、左側へ一回、最後に真正面の客席へ向って、深くお辞儀を繰り返した。
同時に、志乃も砂緒も奈菜も穂香も沙織子に習い、丁寧にお辞儀を繰り返すと、その度、甲高い女の歓喜の声が飛交い、拍手と歓声が後から押し寄せて来た。
こうした日本式マナーは日常生活にはめったに見られなかったから、観衆に驚きと喜びを齎したか、歓喜の輪が一段と拡散した。
「沙緒せんせ、可愛くて美し過ぎます」
沙緒の名を美しく呼ぶ声がした。
明らかに動揺した沙緒はいまだかって、聞いた事も無い言葉が届き、恥ずかしさに、朱に染まった頬を両手で庇った。
声援が何度も繰り返されると、沙緒は沙織子に縋り、
「お師匠様、こんな時、どうしたら、いいの」
「なーに、手短に声のした方向へ軽く会釈をしたらいいのよ」
この夜は沙緒にとって、絶賛を褒め殺しかも知れないと困惑し、子どものように怯え切っていた。
「ついでにっー穂香ちゃんも、可愛かったよ」
とのクラスの仲間たちからの冷やかし半分の声援に、
「煩い。ついでは余計だ」
と、口を尖がらし、左裾を持ち上げ、足で床を二度蹴ると、どっと笑いが沸き上がった。
「ついでに、奈菜ちゃんも、可愛い・・」
奈菜が
「も、は余計です。ふんだ」
全部、同級生たちからのもので、一々、返事をするのも面倒で以後、完黙した。
沙織子が一歩、進み出て
「盛大な拍手、有難う御座いました。さて、これより、お別れの舞に入ります」
と言った途端、一斉にブーイングが始まり、沙織子が立ち往生となった。
秋山が直ぐ舞台に上がり、
「宵宮はまだまだ続きます。今夜、出演した子達は明日も大学の前期考査があって、いつまでも舞っていることは出来ないのです」
ヤジがぴたりと止まり、秋山の次の言葉を待った。
「そこで、あと一曲を舞った後、後囃子に合わせて全員舞台を降ります。この後は山鉾のシャギリが行われますので、それをお楽しみ下さい」
次いで、秋山の指示で、地方衆が持ち場につき、直ぐ曲を弾き出した。
古都の徒然 特急電車の急停車 !
先日の旅で、少し残念なことがあり、
電車が大好きなだけに、マジ困りました(一一")。
と言うのは、
それまで、快適な特急電車の旅を楽しんでいたのに
突然、電車のスピードが落ちて、
近くに止まる駅なんてないのに、どうしたのだろうと
思っていたところ、なんと分かんない場所に
ついに停車してしまい・・唖然!
それも、JRはいつでもそうなのですが、このような
絶対、有り得ないことが起きたとき、
その原因・理由を素早く、
乗客に告げないことで、以前、東京へ新幹線で
行くときにも、
駅から遠い場所で急停車し、回復までその理由を
告げず・・
もうぅぅぅぅ( 一一)。
決句、車内アナンスがあったのは、急停車してから
17分ほど経過してからで、
あと何分で走ってくれるのか、知りたいのに、
それもせず・・・(ーー゛)
今回の急停車はセットされていた自動走行に
原因不明のトラブルが発生したとの事で、
それから、運転手が、その原因を確かめる為
また時間が経過し、
結句、20分ほどして、ようやく、発車して一応安堵した
のですが・・
でも、出迎えに来ている教え子に連絡しないと、
申し訳ないので、急ぎ、スマホをとりましたが・・
この話、加えて、お粗末なのは、せっかく走り出した
のに、また、途中でスピードが減速し、
アッチャー!
このあとも、スピードが上がったり、下がったりで
散々な目に・・
その後も、せっかく走り出したのに、地方鉄道が乗り
入れているため、
その電車の到着を待ち、走ると言う情けない有様で
どこが特急やん!
と、言いたい気分で到着となり・・
ほとほと疲れた旅になりました(ー_ー)!!。
電車が大好きな人間ひとりをがっかりさせないように
もう少し、気を遣って頂かないと
(ーー゛)。