古都のブログ小説 京の鐘137
「はーい、良く聞こえます。佐和子さん。メール、嬉しく拝読いたしました。とても心の籠ったお見舞いと励ましのお言葉、有難く拝読いたしました。佐和子さんのお心を大切に
して私の胸にしまっておきますね」
志乃の抑制の効いた感謝の言葉を聞いた佐和子が感激の
あまり、突然、肩を小刻みに震わせ、咽び泣き始めた。
秋山が奈菜や穂香を手招きして、佐和子に慰めの言葉を
けてやってくれとの声を聞くと、背後の椅子に座っていた
二人が立ち上がって、
「佐和子ちゃん、安心して、何も遠慮はいらないのよ」
冷静な奈菜の言葉を引き取って、穂香がマイクを握り、
「志乃ちゃんに、なんでも好きなことを聞いて上げて。あの子は本当に優しい子なので、きっと喜んでくれていますよ。また、志乃ちゃんも感激屋さんだから、彼女も胸を詰らせているかもよ」
穂香の言葉に被せるように志乃の声が重なった。
「佐和子さん、改めて何も言わなくてもいいのよ。もう泣か
ないで、佐和子さんが泣かはると、うちまで泣けてきて」
志乃が慰めの言葉を返したが何か喉に咽えるものを感
た。
映像は見えなかったが、秋山は彩が志乃に何事かを囁いて
いる声を聞き留めた。
特設舞台を取り込んだ聴衆からも、すすり泣きの声が漏れだしていた。
「佐和子さん、志乃ちゃんの思いを汲み取って上げて・・」
奈菜が今一度、マイクを取り、佐和子を励ました。
これを受け、佐和子が涙で濡れた頬を手で拭い、口を開いた。
「初めて志乃さんの野菊の墓の朗読を聞いた時から、私は志乃さんが大好きになっていたのです」
「有難う御座います」
「そんなお礼だなんて、恥ずかしくて消えてしまいたいです。今日も、同じ思いの二人と一緒に京都へやって来たのですが、まさか、こうして沢山の皆様のいる会場で紹介されるなんて夢にも思わなかった上に、志乃さんのお声が聴けて、嬉し過ぎて、思わず泣いてしまい・・恥かしいです」
佐和子が気を取り直したか、落ち着いたもの言いが戻り、志乃の胸に響いた。
志乃は何か声を返さないと思いながらも、旨く口が廻らない現象に、頭の片隅でチカチカするものを感じていた。
同時に言いようのない息苦しさと胸の内で何か独特の違和感と微かに軋む痛みも感じていた。
ぼんやりした阿他の中で、心臓の調子が急速に悪化していることに気付き、
「彩ちゃん、ニトロを・・」
と、言いかけて、ベッドに背を丸めて前のめりに倒れ込んだ。
古都の徒然 蛍光灯の・・
昨夜、突然、寝室のベッドの上の
蛍光灯が切れ、
これで昨年末に、リビングの食卓の天井から
吊りさげてある蛍光灯の珠が切れ、
いつもの門下生が我が家を訪れた機会に
取り変えて貰うため、
二人で家電量販店で、良さそうな二個入りの蛍光灯を
買ったまでは
良かったのですが・・・(--〆)。
彼が、
帰途に蛍光灯の為の豆電球を忘れず
買って、
取り付けが完了したはずなのに・・・
点灯させてみると、
なんと、
新品を取り付けたのに、豆電球が指定するものでは
ない為か、
旨く機能せず、
暫くすると点滅状態となり、消すか、我慢するかの
どちらかを選択しなければならず、
決句、
点滅状態となる方を取り・・(一一")、
只今、正直、半分納得、半分がっかりの妙な気分です。
ショボン(ー_ー)!!!
その点、
私が取りつけたベッドの上の蛍光灯は真っ白に輝き、
部屋の灯りが
昼でも明るくなり、今まで、どんな暗さの中で、
読書をしていたのかと、考えると、長く切れない蛍光灯も
問題ありかなと・・・(笑)。
ただ、
ベッドの上で、取り付け作業をしていた為か、
完了した後も、足元がふあふあして、右に傾くと
次には左へ傾き、
最後は前方や後方へ身体が動いているような
強烈な
錯覚に陥り・・・(一一")。
台所で手を洗っている時も・・貴陽列な目眩が治まらず、
さては
あの厄介なメニエルの再発かと・・(--〆)。
メニエルの最悪期には
時と、場所に関係なく、しかも、何の予兆もなく
突発的に
襲い掛かって来る酷さは患った人しか分かんないかと・・・
(ー_ー)!!
本当に恐怖以外の何ものでもありません。
特に、広い横断歩道で倒れ立ち時は、幸い、遠来の門下生が
手をかしてくれて、助かりましたが、
今はもう
あの忌まわしいメニエルの再発ではないことを
祈るばかりです(--〆)。
蛍光灯の取り付けだけで、とんでもないことを
引き出してしまい、
世の中、1寸先は闇と言いますが、
本当に、何が起きるか、分かんないものです。
これから
暫くは気をつないといけませんね(一一")。