古都のブログ小説 京の鐘132

 

 

 

おわらの前唄に続いて、ゆっくりした調子で、おわらの本歌に入った。

 

♪ あなた恋しと 薄紅引いて

   アッショット(囃子方からのかけ声)

    主待つ夜の オワラ 月灯り

 =いょおーっ=

 旨いタイミングで掛け声が割り込んだ。

 

窓の遠くから盛んに手をふる学生たちの姿が見える。

 

暫くすると、静かな廊下に医療関係者が集まりだし、急ぐ人の為に、中継スタッフが誘導役を買って出ていた。

 

まったく音のない舞を観ている人の中にスマホでラジオを聴く人もいて、何時の間にか、数え切れぬほどの人だかりが出来ていた。

 

♪ ないちゃダメだと 彼方に抱かれ、

    (あっ、ショット)

   結ぶ縁の オワラ 赤い糸

 

臨時の立ち見席から、おーっとの歓声と拍手が同時に上がった。

 

ここで舞手がUターンとなった。

 

先頭を行く奈菜の大振りの振りが男舞に似て大胆に見える。

 

イヤホンを付けない者が持つスマホのラジオから、三味の音と物悲しい胡弓の音とが、旨く重なり合って、絶妙な味わいを掻き立てている。

 

窓の外の観衆たちの多くも、ラジオから流れる出る、おわらの唄を皆に聞こえるように高く掲げていた。

 

拍手も歓声もタイミング良く続いた。

 

やがて、志乃達がスタート地点にもどってくると、三人とも窓辺に立ち、少し遠い場所から手を振る観衆たちへ感謝の意を込め、頭を垂れた。

 

秋山はおわらの舞が始まって間もなく、リスナーに分かるように唄の意味を優しく解説し、また、舞の振り付けの様子も実況して、廊下で立ち見する医療関係者らの大きく頷く姿も見られた。

 

舞終えた志乃がベッドに倒れ込むと、駆け足でやって来たナースが志乃の浴衣の胸を開くと同時に、秋山は一歩引き下がって、関係者の背後に廻った。

 

ナースたちは手慣れたように心電図を取り付けたり、酸素濃度や血圧を測ったり、心拍数を確認し、メモをもって、また、廊下を駈けて行った。

 

 胸元の襟を合わせ、額にうっすらと汗をかいていた志乃の額にうっすらと浮かぶ汗を穂香がハンカチで拭きとると、カメラがすーっと寄せていた。

 

秋山がマイクを差し出し、

「体調はどう・・」

労りの意を込めて問い掛けた。

 

古都の徒然 コロナ感染防止法・・ 

 

相変らず猛威を奮う、新型コロナに対して、

世界各国はそれぞれ工夫を凝らして、感染防止に

取り組んでいます。

 

 

ちょっと珍しい取り組みをしている国が有りますので

ご紹介します。

 

 

ペルーでは男性が外出できるのは月水金の

3日だけで、

女性は火木土で、

日曜日は家族そろって巣ごもりを・・・と

 

 

インドネシアでは警官が伝承の幽霊に扮して

村を廻り、

外出禁止を呼び掛けているとか・・

何か少し、変な感じですが、その結果を知りたい

ところです。

 

 

一方、

感染者が増え続けている欧州では

都市封鎖が相次ぎ、夜間の外出禁止と飲食店の

夜間の営業を禁止し、違反者には

罰金を科す物凄さ・・( 一一)。

 

 

それに対して日本はなんとも緩<、禁止は無く

自粛(しなくても良い)でなんとか

乗り切ろうとしていますが、

其れでさえ、該当する店から恨みの声が

出ているところは

いかにも日本的で・・効果のほどが早く知りたいものです。

 

 

しかし

こんな自粛生活で本当にオリンピックが

開催されるのでしょうかね・・

 

どう考えても無理なような気がするのですが、

規模を小さくしたミニ・オリンピックなら有り得るかも

知れませんが・・・

 

 

でも

都市封鎖を続けているドイツの

メルケル首相が

「ワクチン以外で、もっとも効果的な方策は

私たちの

手中にある。

それは一人一人がルールを護ることである」

と、

素晴らしいリーダの渾身の呼び掛けは聞く者の心に

染み入るはずで、

結果のでる春が待ち遠しいものです。

 

※以上、朝日新聞の天声人語より・・