古都のブログ小説 京の鐘130 

 

秋山が、素早く、志乃の側に寄り添った。

「この子はいつでも、他人を構い、自分を責める、今どき珍しい心優しい子なので、先程、いきなり、自分の不注意でと・・切り出しましたが、彼女が詫びる事などまったく無かったのです」

 志乃が違う々と、秋山の耳に聞こえるように叫んでいた。

 

ピンマイクはしっかりこれを押さえていた。

「事故は我々放送に関わる者たちのミスが原因なので、詫びるべきは我が社と関連会社と最高責任者の私にあるのです。謹んでお詫び申し上げますとともに、なお、志乃君には罪はまったく御座いませんので、どうか、ご理解下さいますようお願い申し上げます」

 痺れを切らしたDRが先へ急げとの指示を出して来た。

 

 秋山が軽く頷いたあと、

「それでは遅くなりましたが、此処から、思い出のリクエストコーナーに移りますね」

 と、言って、奈菜へ手順通りの指示を出し

た。

 

奈菜は初めに流す予定の曲の希望理由を書

いた葉書を読み上げたあと、リスナーへ電話を入れ、思い出のエピソードなどを直接聞き出すなど和やかな会話を楽しんだあと、リクエスト曲を流した。

 

 二曲目は穂香が受け持ち、奈菜と一味異な

る軽妙な会話で何度も笑いを取り、しかも、

今回は何故か一度のミスもなく、このコーナ

ーの幕を引いた。

 

 ここでCMが入った。

 それまで、静かに聞き入っていた志乃が

「やはり、生のラジオはいいですね。穂香ち

ゃんは前とちっとも変わらない楽しい会話を

繰り出して相手をほんろうさせ、その上手な

手綱裁きに、すっかり引き込まれていたの。

正直、ほんの少し穂香ちゃんが羨ましかった

と、力の無い声で正直に口を利くと、大き

な深呼吸を何度か繰り返し、顔を曇らせた。

 秋山は志乃の顔に何か含みがあることに気付くと、

「大丈夫だよ、君の出番を横取りする気はないからね」

 秋山が志乃へめったに見せない口調で、

「君が元気になったら、このコーナーを拡大し、三人で受け持って、もらう積りなんだ」

有無を言わさず、しっかり言い聞かせた。

 

志乃の顔が瞬にして弾けた。

「それ最高!

渙発入れず、穂香が明るく吠えた。

 

奈菜も嬉しい、と言って、志乃の顔を抱き上げた。

狭い室内に歓声が上がった。

 

「なので、来週、君にも出て貰うからね」

志乃が両手で奈菜を押しのけ、秋山へハグを求めるように両手を広げた。

 

 人前にしては大胆な志乃の行為に秋山も少し腰が退けたが、直ぐこれに合わせ、志乃を優しく抱擁した。

 ほーとの吐息がどこかで漏れて聞えた。

 

古都の徒然 新年にあたり・・・

 

 明けましておめでとうございます(#^^#)。

 

 

 

初春を祝福するような

快晴での幕開けに、今年、一年の明るい展望が

開けてくれると、嬉しいのですが・・

 

さて、

コロナであけ、

コロナの全盛を迎えている中での幕開けですが、

快晴とは裏腹の、

新年には少なからず、

不安が脳裏を過るものがあるのは隠しようのない

事実かと・・

 

今年の最大の難門はコロナを収束させること!

 

これが

出来なければ、内閣総退陣に繋がっても、

可笑しく無く・・

 

今一つは

東京オリンピックの開催の有無が明日にも

迫られる

時が来るものと思います。

 

 

開催国としては開催が何よりのことかと思いますが、

諸々の難題が山積していて簡単な結論は

むしろ、

失策となる可能性が伏せられていて、

どちらに決定にしても、不満が残る大会になりそうで、

辛い話に・・・。

 

 

せっかくのオリンピックの開催年に

いきなり延期となる不幸に加え、翌年(今年)に

延期と言われても、

正直、あまり嬉しくは有りませんでした。

 

 

この日を目指して来た選手の皆様も、

体調管理に

厳しい問題に直面しているはずで・・

 

 

 それにしても、

このような大災害が世界的な問題となっているのに、

不思議と発生国には何も問題がないのは

とても

奇妙に感じられるのは私だけでしょうか。

 

 

世の中、分かんないことが多すぎです。

今年がより良い年になることを祈るばかりです。

 

 

また

今年もまた、この拙いブログに立ちよって下さった

皆様の一層のご清栄を祈ります!(^^)!

 古都

 

追記

 古都のブログ小説は 京の鐘は1月8日から再開予定です。