内田也哉子さんは、言わずと知れた樹木希林さんと内田裕也さんのお嬢さん。

夫は俳優の本木雅弘さんで、3人のお子さんのお母さんです。

現在は執筆活動や音楽活動などもされているみたいです。

 

中野信子さんは脳科学者で、テレビなどに出演されることもある方。

 

どちらの方にも好感を抱いていましたけど、そのお二人が家族について対談して、それが本になったと。

 

そんな話をなにかのメディアで知ってから、ずっと読んでみたいなーと思っていまして。

 

先日、思わず衝動買いしてしまいました。

(私が最も衝動買いしやすいもの、それは本)

 

 

樹木希林さんに関して言うなら、本当に素敵な方とテレビやその他のメディアで見るたびに思っていまして、今回のこの本にも樹木希林さんのエピソードは色々出てくるのですけど。

 

以下、本文より抜粋しますね。

 

母はマネージャーも居なくて、古いファックスのついた留守番電話に自分で「はい、希林館(註:樹木希林がひとりで運営していた個人事務所)です。御用のある方はどうぞメッセージを。そして、二次使用はすべてどうぞご自由に」、ピーッというメッセージを入れていたんです。

 

という、内田さんの話。

 

しびれますね。

もう、ほんとしびれる。

「二次使用はすべてどうぞご自由に」ですからね。

 

別の話ですけど、タレントのYOUさんは贈り物好きらしくてよく贈り物をするのだそうですが、樹木希林さんはYOUさんからの贈り物を「いらない」って断る、っていう話をYOUさんと希林さんがしていたのもテレビで見たことありますけど、その時もしびれました。

 

そしてまた別の話ですが。

樹木希林さんの子育て話で

「うちは一人っ子でしょう?だからなんでも思い通りになると思われたら困るから、ケーキでもなんでも半分に分けて、そうしたら必ず私が大きい方を選んだ。」

という話をテレビでしていたことがあって。

まあ、今思うとそれって対等じゃないよね、って思ったりもしますけど(笑)

でもきっと、樹木希林さんは、一人っ子だけど甘やかさないで育てる、みたいなことを実践したのだろうな、と。

 

あれ?なんだかんだ、私は樹木希林さんにしびれているのか?と思わなくもないが(笑)

 

そこも含めて、内田さんから見た希林さんの話、あるいは内田裕也さんも含めた家族の話、そんなものを聞いてみたかった。

 

それに「なんで家族を続けるの?」ってタイトルもね、「家族のあり方」について、というか家族というものの通俗的な概念に対して息苦しさを感じる身としては、やっぱり興味があった。

 

そこに脳科学者の中野信子さんは、脳科学的な視点でどんな話をしてくれるのかな、とか。

 

結果から言うと、思っていたよりもかなり浅めのところを軽く話す感じの内容で、グサグサと刺さるほどの内容ではないので(失礼な意味じゃないです。)、誰にとっても読みやすいんじゃないかな、と思います。

 

私からするとちょっと「おっ」となっては、深まることなく収束していく感じが少し物足りなさを感じたりもしましたけど。

(ごめんなさい、何様なんだ、ですよね)

まあ、メディアで活躍される方たちですから、あまり激しめのことは言えないのかもしれませんし、実際には深く切り込んで言っていたとしてもそれが書籍化される(文字として形に残される)のはまずい、みたいなことなのかもしれませんし、そのあたりの事情は分かりませんが。

 

ただ、私のそのあたりの不完全燃焼感を、中野信子さんの最後のあとがき(?)が払拭してくれました。

 

まあなんか。

いろいろ言いましたけど、私は私が好感的に見ている方たちに今の社会における家族の通念みたいなものを、バッサリと切って欲しかったのかな、と思いました。

そんなものは私の傲慢で押し付けがましいものなので、勝手に不完全燃焼してろって話ですけどね。

 

しかし、女性二人のおしゃべりなので。(注:対談です。)

読んでいると、そこに自分も混ざっているような気分になって、あっという間に読んでいまいました(笑)

それくらい気軽に読めましたよ。

アホウドリのカップルの三分一はレズビアン、という話が中野信子さんから出てきたりしてそういう話も面白いし。

読んでいて、なんか違うな〜みたいな感覚にはならずにスーッと読んだので、かなり感覚的に受け入れやすい話だったように思います。

 

まあ、それも読む人によって変わると思いますけど。

 

とにかく、一番良かったのは最後の中野信子さんのあとがき的なところ。

あれが良かったです。

その中で「家族の形についての社会通念は、今後、急速に変化していく可能性が高いでしょう」と述べられていまして、私も同意します。

 

ずっと変化はし続けていますけど、今後「急速に変化していく」と思います。

だから、その時代を生きる人たちにとって必要とされるような制度が設けられることが望ましいと思いますし、時代に逆行して人々が苦しめられるような社会にならないよう、注視していきたいですね。

 

ちょっと分かりやすいので前述のアホウドリの話しちゃいますけど。

アホウドリカップルの三分の一がレズビアンなんですって。

どうやって子孫を残すのかというと、その時だけオスに浮気をするのだそう。

そうして産まれたヒナはメス同士で育てる、らしいです。

 

これ、今の日本に置き換えたときに、すごく合理的な気がしたんですよね(笑)

子どもを作る時だけ男性がいれば、子育ては女性同士でしたほうがよっぽど協力し合えて良い気がする(笑)

 

姉と姉の子どもたち、私と私の子どもたちで一緒にいるときに、よく思いました。

女性二人が協力し合ったほうがあらゆることがスムーズ。

家事の分担もスムーズだし、お互いの得意分野を発揮して助け合うこともスムーズだったから。

 

家庭の中で男性(夫)は一番大きな息子になりがちですよね。

それは、割とどの家庭を見ていても思うこと。

もちろん「うちはそうじゃないよ」っていう家もたくさんあると思いますけど。

日本では圧倒的にケアの役割は女性に求められている。

だから、夫の愚痴を奥さんは聞いてあげるけど、夫は奥さんの愚痴を聞いてはくれない。

っていうか、そもそも話を聞いてくれない(笑)

どうでもいい話は聞いてなくても構わないけど、聞いて欲しい話ほど聞いてくれない。

 

妻は夫の大変さを理解し、共感し寄り添おうと努力するけど、その逆はない。

結局、男性にとって「ケアされること」は当たり前に享受できるもので、夫側からは、こちらの努力は見えないのだと思う。

だから逆に聞きたい。

あなたは家族を理解するためにどんな「努力」をしていますか?と。

 

・・・・・・・・・。

 

ってそれはうちだけの話か笑い泣き