待望のデミオのディーゼルが入ったとのことで、早速試乗してみた。

今回の試乗車は鮮やかなブルー。
前回用意されていたガソリンモデルは、イメージカラーの赤であったが、このブルーもなかなか良い。
フロントマスクに入る赤い線がより、強調される感じで、スポーティー。
惜しむらくは、このナンバープレートの位置。
せめて欧州のように横長だとカッコ良いのだが、法律が変わればいいんですがね。



後ろ姿も躍動的ですね。



このアルミホイールもカッコ良いです。
このXDツーリングというグレードだと標準装備です。



早速、乗り込んでみます。


この赤いラインの入ったシート、素敵ですね。
乗り込む際に、ワクワクします。
この1つ上のLパッケージだと、オフホワイトの部分レザーが使われていて、更にオシャレで明るい感じなのですが、残念ながら試乗車には用意されていませんでした。
買うなら、Lパッケージの白いシートが良いなとの発言には、すかさず助手席の"主婦"が、「白い皮だと汚れが目立ちそうだし、屋根付の車庫でないと陽射しで傷みそう」との注文が。
まあ、この辺のところの耐久性なんかは、考えられているのだろうけど、どうなんですかね。

運転席に座ってみると、太めのステアリングの質感も良く、ホイールベース延長の恩恵が足元に表れていて、ゆったりとしたトライビングポジションが確保できる。


メーターはシンプルな単眼で、針はタコメーター、その右下にデジタルで速度が表示される。なかなかスッキリして好ましいデザインである。最近やたらとギラギラしたメーターパネルが多い中、これならばオジサンもついていける。




先代とは車体幅は変わっていないが、助手席前のデザインの成せる業か、広々とした印象を受ける。
助手席の中央寄りのエアコンの吹き出し口を、敢えて丸型にせず、ここだけスリット状にした効果も大きいのかと思う。

ブレーキを踏みながら、エンジンスタートボタンを押すと、僅かな振動を伴ってディーゼルエンジンが始動する。
目の前には、ヘッドアップディスプレイが起き上がる。


このディスプレイには速度と、車線逸脱警告のイラストが表示される。
視線移動を最小限に抑えながら、速度チェックができるのは、このような速いクルマにはありがたい。

今回から6速ATとなったミッションとの相性も良く、軽くアクセルを踏む程度で、スムーズな発進が行われる。この辺りにも、高級感が感じられて、まさにワンクラス上のクルマに乗っている雰囲気である。
広い通りに出て、チヨット踏み込んでみると、思わず笑ってしまう凄い加速。
やはり、ディーゼルのトルクは凄い。
これでも、3000回転程度なので気を付けないと一般道では、あっという間に制限速度だ。
途中、滑り止めリングが掘ってあるほどの急坂も走ったが、ほんの少しだけ右足に力をいれるだけで難なく登って行くのは、すごく精神的にも楽である。
2CVと比較しては可哀想であるが、同じ坂はいつでも途中でローギアに入れている。(笑)

できれば高速道路も体験してみたかったが、今回は限られた試乗コースだったので、残念であったが、これだけトルクがあると長距離も楽々のとこなせるだろうと思う。

ハンドリングはパーキングスピードでは軽く、走り出すとしっかりとした手応えを示す。
交差点の鋭角なカーブを曲がるときにも、ごく自然なフィールで気持ち良く決まる。
重すぎず、軽すぎず、とても良い塩梅に設定されているので、ちょっとした街中のカーブでも運転が楽しい。Be a Driverである。

先日、久しぶりに息子が乗っている先代のデミオを運転してみたが、やはりハンドリングは気持ち良く、普段乗っているシトロエン・クサラから乗り換えてみると、軽いスニーカーを履いて走っているような感覚があった。
この4代目のディーゼルモデルは、100kg以上もウチの3代目と比べて重量増であるが、それでも軽快なハンドリングのDNAは生きている。
尚且つ、この重量増が良い影響を及ぼしているのか、落ち着きのある乗り味により上質感を増している。
見事に、先代が時として見せるヒョコヒョコとした落ち着きの無さを改善している。

少し荒れた路面もあったが、ここでの乗り心地も、サスペンションが上手くショックを丸め込んでいる感じで、気持ち良く走れた。

このサイズで、この乗り心地と、ハンドリングとパワーを持ち、内装も良くスタイリングもカッコ良い。
欧州のBセグメント車も魅力的なものが多い激戦区であるが、価格も含めて考えると、アドバンテージが高いと思う。

そして、還暦近いオジサンも誇りを持って乗れるコンパクトカーだと思う。