新型デミオの試乗車が用意できたので、試乗に来てくださいと、近くの販売店の担当氏から電話があったので、早速出掛けてみた。

外国車ばかり乗っていると思われる私だが、デミオには比較的縁がある。
ひとつ前の3代目デミオは新車で購入後、今は千葉に住む息子が使っている。スタイルも良いし、燃費もソコソコ、何より全く故障の心配も無い。
その前の型の2代目デミオは、中古で購入後、熊本に下宿していた下の息子が4年間使い倒しオドメーターは7万キロを超えていたが、最後には大量の引越し荷物を積んで、横浜の自宅まで、約1100kmをかなりのハイペースで走ってきたが、もちろんノートラブル。
そんな訳でデミオには、歴代好印象を持っているので、4代目となる今回の新型に対する期待も大きい。

前置きが長くなったので、早速試乗してみることにする。

第一印象は、鋭い目付きで精悍な顔をしているが、先代より25mm拡大された全高のせいか、やや厚みがあるかな、というものだった。





それでも、アテンザやアクセラから繋がる「鼓動」デザインはヘッドライトからフロントフェンダーを経てサイドまで回り込むキャラクターラインに流れてリアフェンダーまで続き、このサイズに「鼓動」を上手く取り入れていると感じた。ただし、ナンバープレートの位置は、アクセラもそうだったが、もし購入したら移動させたい。
斜め後方から見てみると、「鼓動」がより強調されているようで、なかなか格好いい。



比較のため、ウチの先代のデミオは、こんな感じ。





これも、なかなか格好いいと思う。

新型は前述のように、全高が25mm増加、全幅は変わらないが、全長で160mmも長くなった。
ホイールベースは80mm長くなっているが、後席スペースは先代とあまり変わらない。



長くなったホイールベースは、どうやら運転席に恩恵をもたらしているようだ。
乗り込んでみての第一印象は、明らかに足元に余裕が感じられて、自然なドライビングポジションをとっても、足元がゆったりしていて、まるでワンサイズ上のクラスに乗っている感覚だ。
室内も先代よりもかなり質感がアップしており、メーター回りもシンプルでギラギラしたところが無く、好感が持てる。


フロントシートは、骨格がアクセラと同じサイズとのことで、幅も前後長も充分なサイズで、運転席に座っている限りコンパクトカーに乗っているという感じは、まったく無い。

エンジン始動は、最近は、軽自動車でも採用されているプッシュボタン式。
ブレーキペダルを踏みながら、ステアリングの奥にあるスタートボタンを押すと、僅かな振動とともにエンジンがスタートする。
アイドリングは静かである。

走り出してみると、まず最初に感じるのは、軽快に回るエンジン。6速ATもスムーズで気持ち良く加速していく。街中の試乗だけだったが、この1.3リッターのエンジンでも充分かなと感じた。
ハンドリングも軽快で、曲がるのが楽しくなるタイプである。かと言って、直進での安定感もしっかりしていて、先代と比べると、良い意味で落ち着きがある。
足回りは、荒れた路面でも振動を上手く吸収して、ゴツゴツした感じは無く、この辺も先代からの進歩がうかがえる。
コーナーも適度なロールをしながら、スムーズに通過する。この固すぎず、けれどもシッカリしている感覚は、なかなか好みである。

良いことずくめの新型デミオであるが、後席に乗った妻の感想は、厳しいものであった。
それは、まず、室内が黒系統なので暗い。そして、後席だと閉じ込められている感じがするというもの。デザインのためか、サイドウィンドウの傾斜が先代よりもきついような気がする。さらに決定的なのは、少し乗っただけで腰が痛くなったという。
ドライバーズシートは快適だったので、やはりこのグラスだと、後席は多少犠牲になってしまうのだろうか。

それでも、新型デミオは、Be a DriverのCMにもあるように、走る、曲がる、止まるの基本がしっかりしていて、気持ちが良いクルマである。そして、躍動的な外観と質感の高いインテリア。欧州製コンパクトカーにも対抗できるクルマだと思う。

追って、話題のディーゼルも発売されるので、そちらも楽しみである。