「配当貴族」のマクドナルド株、2024年も大幅上昇を継続か

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ストーリーハイライト

マクドナルド(NYSE:MCD)は、マクロ環境が困難な中、安定的なペースで成長を続ける外食の優良銘柄です。収益基盤の拡大により、新市場での事業拡大が可能となり、長期的に健全な増配が見込まれます。

マクドナルドは、長期にわたって株主に大きな富をもたらしています。株価は、配当調整後で、過去10年間で276%、2003年11月以降ではなんと1,770%ものリターンとなっています。「配当貴族(25年以上連続で増配している企業)」のマクドナルドは、2.3%の配当利回りを提供しています。

マクドナルドのビジネスモデルの概要

世界で最も知名度の高いブランドの一つであるマクドナルドは、カリフォルニア州の小さなドライブインレストランから始まり、今では毎日6,300万人の顧客にサービスを提供する米国の大企業に成長しました。米国と主要な海外市場でレストランとフランチャイズを所有、運営しており、100カ国以上で41,198店舗を展開しています。

投資家は、マクドナルドが所有する店舗の大半は、加盟店関連企業にリースされていることを理解する必要があります。実際、貸借対照表に計上されている同社の不動産価値は420億ドル超で、2023年1~9月期の賃貸売上高は73億ドルにもおよんでいます。これは、フランチャイズベースの売上の60%以上が賃貸収入によるものであることを示唆しており、極めて異例なことです。残りは年間フランチャイズ料で生成されます。

マクドナルドは予測可能なキャッシュフローにより、株主に1株当たり年率6.68ドルの配当を支払います。さらに、同社の賃貸収入が年々増加するにつれて、配当は1994年以来毎年大幅に増加しており、このビジネスモデルの強靱性を示しています。

配当性向は52.5%で、マクドナルドは配当を増やし、バランスシートをデレバレッジし、将来のキャッシュフローを増加させる成長プロジェクトに投資するのに十分な柔軟性を持ています。

2023年のマクドナルドの業績は?

マクロ環境の低迷にもかかわらず、2023年1-9月の売上高は前年同期比11%増の191億ドルに伸ばしました。売上高の成長は、より低いコストベースと相まって、同期間で純利益を前年同期比50%増という驚異的な伸びを実現しました。

マクドナルドはかなり不況に強く、個人消費が低迷している時期には恩恵を受けるかもしれません。一般的に、不況期には消費者はより安い食事を求めて、フルサービス・ダイニングやカジュアル・ダイニングを利用しなくなり、マクドナルドや他のクイックサービス・レストランにとって追い風となります。

2023年第3四半期の米国の既存店売上高が8.1%増加したことからも分かるように、景気低迷はマクドナルドや同業他社に有利になっています。

マクドナルド、カーライルが保有する中国本土・マカオ・香港事業の少数株を買い戻し

なお、2017年に、米カーライル・グループ(NASDAQ:CG)とCITIC(中国中信集団)は、マクドナルドの中国本土、マカオ、香港における事業を運営・管理する戦略的パートナーシップを締結していました。11月に、マクドナルドはこのパートナーシップにおけるカーライルの少数株式を取得することに合意しました。さらに、マクドナルドはマイノリティ・パートナーのまま、出資比率を20%から48%に引き上げる予定です。

マクドナルドとCITICおよびカーライルとのパートナーシップは、マクドナルドにとって2番目に大きな市場でもある中国においてブランド力を成長させる上で非常に実り多いものでした。2017年以降、マクドナルドはこの地域の店舗数を倍増させ、5,500店舗以上になっており、2028年末には10,000店舗を超えると見込んでいます。

アナリストによると、マクドナルド株は「買い」か?

マクドナルドの2023年通年の売上高は前年比0.4%増の233億ドル、調整後EPS(1株当たり利益)は16.9%増の11.81ドルになると予想されています。マクドナルドの株価は、PSR(株価売上高倍率)で8.9倍、PER(株価収益率)で24.2倍と、その質の高い事業内容からすれば、決して割高ではありません。

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が22人、「中立」が5人で、コンセンサス評価「強気買い」です。平均目標株価は311.58ドルで、今後12カ月で10.6%の上値余地を示唆しています。

結論

マクドナルドは数十年にわたり不況を乗り越えてきており、現在進行中のマクロ的な不確実性からも無傷でいられる可能性が高いです。高い利益率、安定した収益、価格決定力、そしてフランチャイズ料の裾野の広がりは、今日、マクドナルドを最も優れた投資対象の一つにしています。