ヤマハ管楽器の販売「快音」 

磐田の工場フル稼働 楽器事業下支え

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 大手楽器製造のヤマハで、トランペットやクラリネットなど管楽器の販売が好調だ。

コロナ禍のもとでは飛沫(ひまつ)感染の心配から落ち込んだが、今年度は、中国などでピアノ販売が低迷する中、楽器事業の下支え役となっている。国内での生産を担う磐田市の豊岡工場もフル稼働の状態で、増員して対応している。

 力加減を微妙に変えながら、薄い金属をハンマーでたたく。空気の漏れがないかを確認しながら、小さな部品を取り付ける。工場内には大きな機械音が響くが、思いのほか手作業の工程が多い。

 先月発表した上半期(4~9月)の決算では、楽器事業の売上高が1482億円で、前年同期を下回った。景気が減速している中国を中心に、ピアノの販売が低調だ。一方で、管弦打楽器は336億円で、前年同期を8%上回る。

 コロナ禍で不振だった管楽器は昨年度、米政府が教育に大きな投資をする政策をとったことで息を吹き返した。今年度に入ると、遅れていた日本でも、急回復している。吹奏楽などのコンクールが再開し、定期演奏会のリアル開催も増え、部活動が再び活発になっているという。

 同社の管楽器は豊岡工場のほか、インドネシアや中国で生産している。中価格帯の製品は海外でつくった部品を豊岡工場で組み立て、高価格帯は部品から一貫して豊岡工場で生産している。

 高価格帯の商品は、国内でよく売れている。そのため豊岡工場の生産は増えている。生産部門のヤマハミュージックマニュファクチュアリングの村松慶一社長は、「新たに採用したり、ピアノなど別の担当から回したり。その場合は改めて教育の必要もある」と話し、人手のやりくりで対応している。