地球温暖化への対応「時間切れ迫っている」 

来日のカナダ環境相

 

カナダのギルボー環境・気候変動相

 カナダのギルボー環境・気候変動相が13日、東京都内で毎日新聞のインタビューに応じた。

地球温暖化への対応は「時間切れが迫っている」と指摘。3月に発表された国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新報告書を踏まえ、カナダが掲げる2030年以降の中長期の温室効果ガス削減目標の見直しも検討する必要があるとの認識を示した。

 ギルボー氏は、15日に札幌市で始まる主要7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合に参加するため来日した。同会合では、二酸化炭素(CO2)排出量が多い石炭火力発電の段階的な廃止の時期で一致できるかが焦点の一つだ。事前協議では、廃止時期を明示できない議長国の日本に対し、英国やドイツなどからの圧力が高まっている。

 IPCCは3月に発表した報告書で、地球の気温上昇幅を1・5度に抑える共通目標の達成には、世界の温室効果ガスの排出量を35年までに19年比で60%減らす必要があると指摘している。ギルボー氏は「(各国が)協力して気候変動への戦いを加速させる必要がある」と述べた。

 ギルボー氏は環境NGO「グリーンピース」の環境活動家から政界入りし、21年から現職。「

私は環境活動家として、望むようなスピードで(世界の対策が)進まなかったと感じてきた。

 気候変動相としても、望むようなスピードでは変わっていないと感じている」と葛藤を打ち明けた。

また、世界各地で若者たちが国や企業に気候変動対策の強化を求めていることについて「不満を理解している」と語り、「(社会の変革には)彼ら彼女らのエネルギーが必要であり、熱意が必要であり、圧力が必要だ」と鼓舞した。