公益社団法人 砥粒加工学会

 

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会長就任のご挨拶

公益社団法⼈砥粒加⼯学会
会長 池野 順一

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3つの「C」で魅力あふれる学会に!

  さる3月3日に開催されました2021年度通常総会におきまして,2021・2022年度の学会会長を拝命いたしました。ここに一言,就任のご挨拶をさせていただきます。

   砥粒加工学会は1957年に発足した砥粒加工研究会と関西砥粒加工研究会を母体に,1995年11月15日に社団法人砥粒加工学会として法人化されました。その後,2010年には公益社団法人に認定され,今日に至っております。この60年余,一貫して砥粒加工技術を中心とした工具技術,加工機械,計測技術等”ものづくり技術”の深化,発展,普及に尽力して参りました。とくに近年,高度な精密加工技術の需要が高まり,ものづくり技術総合専門学会として,本学会の存在感は増しております。あらためて,これまで運営に携わり発展にご尽力された諸先輩に敬意を表します。私にとりましても本学会の会長職を拝命することは,大変な栄誉であるとともに,その責任の重さを痛感し,身の引き締まる思いでおります。
 昨年から感染が続く新型コロナウイルスですが,いままでの学会活動のあり方を根こそぎ変えてしまいました。オンラインでの学術講演会は,時間や距離の制限が撤廃され,格段に便利になった反面,同じ専門分野の仲間が集い,楽しく交流する機会が奪われてしまいました。これまで培ってきたサロンの役割が中断されたことは誠に残念です。
 また,会員数や投稿論文数の減少でどの学会も厳しい状況に置かれています。とくに小規模な学会は消滅の危機にあるとさえ言われています。本学会も対岸の火事ではありません。早急に対策を打ち出す必要があります。ただし,分野を広げて無闇に規模拡大を図れば,会員同士の専門が遠くなってしまい,参加しても得るものが少なく,つまらない学会になってしまいます。本学会の更なる発展のため,革新技術が醸成するサロンとして事業活動基盤の強化,並びに財政基盤の安定化,そして会員の満足度の向上が重要な課題であると認識しております。
 今期理事会の活動コンセプトに,3つの「C」を掲げさせていただきました。

1)Compact:小さくても中身のギュッと詰まった学会にしましょう。

   規模が小さいが故にできることもあろうかと思います。例えば,専門性を深化させ,より高度で実用的な先端技術について議論することです。本学会の特徴の一つは産業界との強い結びつきです。大企業はもちろんのこと,全国に多数ある比較的小規模なものづくり現場にも,会員としての満足感を持っていただけるようなきめ細やかなサービスを提供して参りたいと思います。今期は未来構想会議を立ち上げ,基盤強化委員会とともに満足度向上委員会が設置致します。同じ専門を持つあらゆる人にとって中身のギュッと詰まった満足度の高い学会を目指します。

2)Cozy:居心地の良いアットホームな学会にしましょう。

  学会は役立つ存在でなければなりませんが,会員が知識を共有するだけでは片手落ちです。会員にとって居心地がよく,ホッとできるサロンでなければなりません。有り難いことに本学会には諸先輩方のご尽力でそのサロン的な雰囲気が醸成されております。これからも大事に育んで参りたい本学会の財産です。今期コロナ禍が終息すれば,ABTECやATFでも交流会を大いに楽しみたいものです。

3)Connected:会員同士がしっかりとつながる学会にしましょう。

  コロナ禍の終息をただ待ってばかりもいられません。この中断された人の繋がりを新たなテクノロジーも取り入れながら復活,進化させて参ります。そのため広報委員会を広報・ICT推進委員会とあらため,新時代のコミュニティーのあり方を検討致します。また、会員間の風通しをよくするため,学会誌でも企画が進行中です。さらに,将来の学会を支える次世代の育成や国際的な繋がりも重要な課題です。同志が集い,互いに切磋琢磨し,信頼関係が生まれ助け合う大切な仲間のネットワークづくりは学会にとって重要な使命だと思っております。
 私事で恐縮ですが,学生時代,小林 昭先生に師事し,加工研究の途を志すようになりました。その後,砥粒加工研究者として末席を暖めるようになり,優れた指導者と出会い専門性を磨く機会にも恵まれました。一期一会の縁によって,当学会に導かれて参りました。小生のできることは才能からして限定的ですが,幸運なことに学会きっての精鋭達が理事会メンバーとして集まってくれました。これから理事会一丸となって,本学会発展のため楽しみながら鋭意努力して参ります。会員の皆様のご理解とご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。