ISOとは?サルでも分かるISO入門

 

 

 

更新日:2020年09月30日

【図解】ISOとは?サルでも分かるISO入門
  • ISO規格は標準化されたモノサシ
  • ISOのマネジメントシステム規格は組織のマネジメントシステムを矯正するガイドライン
  • ISOのマネジメントシステム規格には、品質や環境、情報セキュリティなど様々な分野のものがある

目次

ISOとは

ISO (アイエスオー)とは、国際標準化機構(International Organization for Standardization)く非営利法人のことです。

国際標準化機構とは、様々な世界の標準(ISO規格)を定める団体であり、世界162カ国がISOという機構に加盟しています。

もちろん、私達の住む日本も加盟国です。
ISOの主な目的はISO規格とも呼ばれる国際規格の策定であり、私達に身近なものから縁遠いものまで、1947年の発足以来、22,467もの規格を策定しています。(2018年12月時点)このISOという組織が定める「ISO規格」のことを省略して「ISO」と呼ぶことがあります。

一般的に「ISOを取得する」といえば「ISOの規格の 認証 を得る」という意味になります。


つまり、本来ISOとは国際標準化機構という団体のことを指すのですが、日常的にはその団体が定めた「規格 」のことを意味するということになります。

ISO規格は世界基準のモノサシ

では、ISO規格とは一体どのようなものなのでしょうか?先程は小難しく「国際規格」や「標準」という言葉を使いましたが、簡単に言ってしまえば「モノサシ 」のようなものです。
例えば、私達は当たり前のように1cmを1cmと認識していますが、人によって1cmという定義が曖昧であったときどうなるでしょうか? 

例えば設計図に記載したものを外注先の製造業者が上手くつくってくれなかったり、買い物をするときに製品の大きさが分からず不便だったり、様々な問題が起こることが想定できますね。このため、1cmという単位は「標準化」がされており、現在は誰もがそのモノサシに従っています。1cmというものを標準化することで、設計した通りに製品が出来上がったり、簡単に壊れたりしないような丈夫な製品をつくることができるのです。

標準化とは

このモノサシのことを「規格」といいますが、他にも例えば以下のようなものが「規格」として存在しています。

私達の身近なところに存在する「規格」

標準化規格の種類

例えば電池やコンセントというのは、どの電化製品でも利用することが可能です。

Panasonicの製品はPanasonic製のコンセントや電池でしか動かないということはありませんし、パソコンのキーボードも国によって違いはあれど、ほとんど同じ配列で設計がされています。これは、私達が使いやすいように規格が統一されているためです。
また、海外に行っても案内板は日本国内と同じようなものが採用されていると思います。案内板は日本独自のJIS規格を採用してるものもあれば、非常口のマークのように世界基準のISO規格として認識されているものもあります。――このように、私達の生活に直接関わるようなところでも「規格」というものは存在します。

 

 

マネジメントシステムとは?

さて、ここまでである程度「規格」というものに対する理解は深まったでしょうか?
しかし、ISOの規格のややこしいところは、「マネジメントシステム」というものに対する規格が存在するということです。

ISOでいうマネジメントシステムは、少し難解な言葉を並べると以下のようなものです。

マネジメントシステムとは、方針及び目標を定め、その目標を達成するために組織を適切に指揮・管理するための仕組みです。
マネジメントシステム認証機関の認定(ISO/IEC 17021) – JAB

簡単に言えば組織のルールや仕組み のことです。例えば皆さんの会社には「朝9時に始業」といったルールがあると思います。

これも広義ではマネジメントシステムの1種類と言えます。

他にも「昇給制度」や「休暇制度」という会社独自のルールは組織の目標を達成するためのプロセス――マネジメントシステムであると言えます。
さて、ではマネジメントシステムに対する規格とはどのようなものでしょうか? 組織のルールや仕組みに関する規格というのは少しイメージが湧きにくいですが、マネジメントシステムに対する規格は「こういうルールに則っていれば、環境に悪影響は与えない」とか「こういう仕組みで経営していれば、不良品は出にくくなる」という経営管理に関するノウハウのようなものです。

ISOマネジメントシステムの認証とは?

ISOのマネジメントシステムの認証というのは、噛み砕くと「ISOが定める要求事項 (ルール)に則った経営ができていると認められること」です。ISOの規格認証というのは、「どうあがいても、そのルールに従っていれば製品の品質 なり労務環境が改善されていく」ように規格が構築されているため、「規格が求める要求事項に従っている=ISOから認められる=継続的に品質や労働環境の改善がなされていく」ということになるのです。つまり、規格ごとにISOによって策定された「要求事項」に従っていれば、ISOから認証を受けることができるということになります。
また、ISOでは「 第三者認証 制度」というものが採用されており、ISOが直々に規格の認証を行うのではなく、IAFに加入している「 認定 機関」から認定を受けた「認証機関」が審査及び認証を行う制度になっています。この第三者認証制度によって不正なしに審査されるため、世界中で「ISO認証を受けているということは、しっかりしている会社だ」とみなされるのです。
ISO認証の仕組み

ISOマネジメントシステムの種類

色々と解説してきましたが、具体性のない話をしてもイメージが湧きにくいと思いますので、実際にどのようなマネジメントシステムに関するISO規格があるのかということをチェックしていきましょう。

ISO9001(品質マネジメントシステム)

ISO9001 はQMSとも呼ばれる品質管理に関する規格です。「こういう経営管理をしていれば、品質は担保される」というものです。

ISO9001が定める要求事項に従えば、不良品率は低下し、、品質の維持・向上が図れる、そんなマネジメントシステムになっています。

取得することで客観的に「品質」についてお墨付きを得ることになるため、取引先からの信頼感の醸成や官公庁からの入札に有利になります。

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ISO14001(環境マネジメントシステム)

ISO14001は環境に与える悪影響をなくすためのマネジメントシステムです。海外の大企業などはサプライヤーに対してもISO14001の認証取得を求め、企業の社会的責任(CSR)に関する取り組みを積極的に行っています。

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