「知らない単語は new words」

これは北原延晃先生が良くおっしゃっていた言葉です(知らない単語は「新出語」だったかもしれません)。

北原先生は長らく東京都の中学校で教鞭を取られていた方で、いわゆる授業名人のお一人です。ご著書も多数あります。

(例)『英語授業の「幹」をつくる本』

教師は、教科書の各ページに出てくる新出語やフレーズはもちろん指導しますが、実際のところ、既に習った語句でも生徒が覚えていないものははたくさんあります。そういう単語などを「教えたはず」「覚えていないのは生徒が悪い」ではダメだというのが北原先生がおっしゃる意味だと思います。新出語の確認だけで本文がスラスラ読める児童や生徒はクラス内では少数派でしょう。

「何を教えたか」ではなく「児童・生徒に何が身についたか」が重要であるということがよく指摘されますが、それと同じ意味だと思います。

ただ、そのためには、クラスの人数を減らすなど、教員の負担を減らす必要があります。文科省をはじめとする行政のみなさんにがんばっていただきたいと思います。

我々教員ができることは、まずは「教えたはず」という意識を取り除き、定着率が悪い語句を見つけて意味を確認したり声に出してみたり、ということを少しずつ行うことでしょうか。

それに関連して。先日大学院の授業で現職のある先生が、デジタル教科書で新出語だけでなく、本文中で注意すべき単語も新出語と一緒に一覧にできてるとありがたいとおっしゃっていました。関係者の皆様、どうぞよろしくお願い致します。