お笑い芸人の「とにかく明るい安村」さんがイギリスの公開オーディション番組である「ブリテンズ・ゴット・タレント(Britain's Got Talent)」に出演し、大好評だったことが話題になっていますね。
映像はこちら(↓)
https://www.youtube.com/watch?v=W4i4KmcSmws
彼のネタは、裸に見えるポーズ。実際にはパンツをはいているので、裸ポーズから戻ったあとにパンツを指して「安心してください。履いてますよ」という決めセリフを言います。
彼の活躍が話題になる中、SNSの一部で彼の使った英語表現も話題になっています。
動画を見てもらえばわかりますが、安村さんは「安心してください。履いてますよ」を "Don't worry, I'm wearing." と訳しています。
4つのネタのうち、1つ目はそのまま流れますが、2つ目以降は、彼が "I'm wearing." というと、審査員の女性が "Pants!" と叫びます。
wear は他動詞で使われることが多いので、英語ネイティブのみなさんは、I'm wearing... とくると、次に目的語が来るはずだと期待するのだと思います。ところが、実際には、安村さんが "I'm wearing." で止めているので、審査員の二人は、目的語である pants は自分たちに求められているのだと感じて、"Pants!"と叫ばないわけにはいかなくなっているのだと思います。
日本語の「はく(履く)」もパンツ、ズボン、靴など目的語があったほうがいいのですが、英語と比べると、状況が許せば、省略のハードルは低いと思います。実際に、このネタで安村さんは必ずパンツを指さして「履いてますよ」と言っています。何が省略されているかがすぐにわかる状況なので、省略しているのでしょう。それに、「パンツは履いていますよ」より「履いてますよ」のほうが短くてパンチのある決めセリフになりますね。
今回のパフォーマンスでも安村さんはパンツに指しながら "I'm wearing." と言っています。なので、日本語が母語である私は、目的語が明示されていなくても(=pantsと言わなくても)大丈夫なのではないかと思ってしまいます。でも、もしかしたら、英語ネイティブとしては、それを口に出さないとムズムズするのかもしれません。
期せずして今回は「コール&レスポンス」になっており、結果として、さらに盛り上がるパフォーマンスになったようです。
ちなみに、過去にこんな日本人も同場組に出演しています(私はこの方を存じ上げませんでした)。
https://www.youtube.com/watch?v=uym9ATCdk-k
また、過去にゆりあんレトリバーさんもアメリカズ・ゴット・タレントに出演して話題になりました。
https://www.youtube.com/watch?v=2efWxwzwGV0
世界から「日本では裸芸が流行っているの?」と思われそうですね(笑)