通販番組が人気ですよね。私はあまり自分から見ることはないのですが、テレビで流れていると、つい見てしまうこともがあります。

なぜ見てしまうのかな、と思うと同時に、その秘訣がわかれば英語の授業に応用できるのではないかと考えるようになりました。

そこで、今回は、通販番組をヒントにした英語指導を考えてみます。

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私のイメージする通番組は以下の2段階です。

①「困った」という状況を作る

「最近なかなか痩せない」「膝が痛い」などの身体に関わることが多いと思いますが、「最近のスマホは複雑すぎて私たち老人には無理」など機械や器具に関するものもあります。

②これがあったら便利、というふうに、「対処法」として、役立つ品々を提示する。

「これを飲めば痩せます!」「これをお腹に巻けば、自然と腹筋が強化される!」「余計な機能は一切なし!簡単なスマホがありますよ!」などなど。

さらに、これも通番組の大きな特徴だと思うのですが、一見すると「わざとらしい」とも思える出演者間のやりとりがあります。

「どうしてこのサプリが目にいいんですか?」
「実は、〇〇という成分が一粒にブルーベリー100粒分入っているんです!」
「え~、そうなんですか!?」

説明だけなら、上の場合、2番目だけでいいですよね。でも、質問を入れることで、視聴者に注目ポイントを提示しているのだと思います。そして、とどめの一言「え~、そうなんですか!?」で、これがいかにすごいことなのかを視聴者に伝えます。

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このやり方を英語指導に応用できないでしょうか。


まずは「困った状況」を作って提示します。

(生徒に)「もしみんなが駅で困っている外国の方にあったらどうする?その人たちが、本当は日比谷線に乗ったほうがいいのに丸ノ内線に乗ろうとしている。でも、何と言ったらいいのかわからない!困るよね!」

これで生徒の意識が高まります。しばらく考えてもらったあとで、

「『日比谷線に乗ったほうがいいよ』って言いたいんだよね。『~のほうがいい』って何て言ったらいいかな?実は、should が使えるよ」と教えます。これが、「あったら便利」です。

最初から「『~したほうがいい』というときは should を使う」と教えるだけだと、すぐに忘れてしまう生徒が少なくないと思います。それを、「困った状況 ⇒ 解決法」という段階を含むことで、単に説明するだけよりも、頭に残るのではないでしょうか。

さらに、日本人教師が二人で授業ができるなら(日本人二人による team teaching)

「had betterじゃダメなんですか?」
「shouldは動詞の前ですか?」

と、一人が質問をして、もう一人が答える、という形式にすると、通販番組の例のやり取りになります。

基本的なことでもえあえて質問すると、大切なポイントがはっきりするので、忘れにくくなるのではないでしょうか。

ぜひ一度お試しを!