はじめまして。


桜が満開の春。母のことを思い出す。

闘病していた母、余命が1ヶ月をきっていた。早く桜が咲いてくれないかと願っていたが、その年に限って、4月になっても、桜が咲かず、今世で最後になるだろう花見に連れていくことができない。


実家に帰る日、駅ナカの花屋で見つけた桜の植木。悩んだが、抱えて電車に乗り、家に帰り、母に見せた。


怒鳴られた。なんで病人に植木の鉢を買ってくるんだ!そんな常識もわからないのか!と。


母に見せたかった。喜んでもらいたかった。ただ、それだけだった。


それから2週間あまりして、母は、この世を去った。


あれから、11年。父の手で庭に植えられた桜は、満開になった。とても見ごたえがある。

姉たちに、母が怒った桜と言われ続けるが、みんな桜を見て喜んでいる。怒られたのも懐かしい思い出だ。


きっと母も、喜んで空から見てくれているだろうな。


私は、この春、24年勤めた教員を辞めて、経験を生かした仕事を始めることにした。

満開の桜のもと、母にも報告。


よろしくお願いします。


初投稿の今日は、父の誕生日だ。不思議だな。