いつも通りじゃなかった

カーテンが開いていない!!

嫌な予感。

 

いつもは駐車場から見える部屋のカーテンが閉まっていた。

 

”えっ いつも通りじゃない”

”なぜ?”

 

”とにかく中へいかないと”

 

合鍵で家に入る。

 

人が動く気配がしない。
テレビの音もしていない。
シーンの静まり返っている。

 

「おとうさーん」

 

いつも父がいる部屋に行ってみる。
そんなに広くない家。

私が見たものは、倒れている父。

うつ伏せになって。

 

そして臭いがすごい。

アンモニア臭。

おしっこが漏れて広がっている。

 

意識は?


話しかけて反応する?
脈は?

救急車を呼ぶ?

 

話しかけたら、答えた。

「転んだの?」

「どこか痛い?」

「自分で起き上がれる?」

 

父は普通に答えてくれた
「さっき転んだ」
「どこも痛くはない」
「起き上がれるよ」

 

”さっき転んだばっかりなのか”

”なら、そんなに大事じゃないのか?”

「じゃあ、起き上がってみて」

「手を貸すから、うつ伏せの姿勢を変えてみよう」

 

ここからだんだん

”ん これはもしかしてやばいかも”
という言葉が父の口から出てくる。

「ほら起き上がれただろう?」
 

”いやいや まったくうつ伏せの状態から変わってないぞ”

”脳がバグってるかも”
こう思わざる言葉が次々に出てくる。

「今日は水曜日なのになんでお前がいるんだ?」

”今日は、日曜日だぞ”
”やばいぞ これは”

 

「そこに立っている男の人は誰?」
”私以外いないし。視線の先には私の足さえない”

 

「ちょっと、今説明を聞いていた」

”誰から何の説明?”

 

「男の人が2人いる」

”いやいや 私だけだって”

 

これは、もう救急の方々の手を借りるしかない!!
119番通報。
状況を簡単に説明。

失禁していることも伝えた。

 

本人は、

「救急車は呼ばなくていい」

「歩いて台所まできてるし」

そんな風に言っていた。

 

私が、電話で話している声はしっかり聞こえていたのか、

「救急車遅いなぁ」

と言う始末。

 

救急車、結構素早く来てくれた。

 

待っている間、保険証の確認。

後は?
 

”あとは、救急のスタッフの方々の要請に応えていけばいいか”

 

救急隊員二人の方により、

チェックがされていく。

色々夢中だったので、何がどうだったか記憶がない。

 

ただ、覚えているのは

父が「さっき転んだ」のではないことを証明している傷だった。

多分、数日間はそのままで時間が過ぎていたのではと推測された。

 

頬に傷、胸に傷

 

そう言えば、

いつもある電話がなかった。

 

なんてことだ・・・なんてことだ・・・

 

電話していれば

もっと早くわかったかもしれない

ごめん ごめん ごめん

 

検査の結果、

脳梗塞がわかった。